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ガチ恋客とホワイトデー

最近はありがたいことにとても忙しいです。
風呂屋はもちろんのこと昼職のほうも現場に駆り出されることもしばしば。


noteも書きたいことたくさんあるけどなかなか手つかず。
やっと時間ができたので、ホワイトデーの記憶をたどり要点をまとめて書いていくよ。


前回のバレンタインデーで私がガチ恋客(男児)に手づくりチョコ(既製品)をプレゼントしたのは記憶に新しいと思う。


イベントをこよなく愛する男児からホワイトデーにお返しのアクションがあるのはわかってた。
嫌な予感はしてたけどまったく期待してなかったと言えば噓になる。
なぜならバレンタインの時にお礼として初めて現金チップ5000円をもらったから。
しかし事前のLINEによって私が描いた淡い期待はすぐに打ち砕かれることになる。




悲報である。


手づくりの食べ物ということが確定してしまった。


「目には目を手作りには手作りを」というハンムラビ法典を従来とは真逆の礼儀として引用してきていることはもはやどうでもいい。


私がふくよかだという微妙に失礼な表現ももはやどうでもいい。


手づくりの食べ物ということが問題なのだ。


夜職の全お客さんに告ぎます。


そもそも金銭の授受で成り立っている関係において現金に勝るプレゼントはありません。
家族同士でさえ現金のプレゼントはめちゃくちゃ嬉しかったりする。
現金は自分の好きなものに姿を変えることができるユーティリティープレイヤー


まさにプレゼント界の大谷翔平なのだ。


シンプルイズベスト。自己満足の粋な計らいは今すぐやめておくんなまし。


その後、悲報のアナウンスは撤回されることもなくホワイトデー当日を迎えた。


男児、来店



意気揚々と現れた男児の手にはラッピング袋が。


その表情は自信に満ち溢れ、まるで至極の一杯を完成させ提供するラーメン屋の店主の如き表情をしてた。



男児「開けてごらん」


私は恐る恐る紐をほどいた。


そこにはビニールのフードパックが。


目を凝らしても何かよくわからない。



私「おーこれはなんだろう?芋ようかん?」


男児「ぼくの原点」


私「うん、だからこれはなに?」


男児「卵寒天だよ。ぼくが子供の頃よくおばあちゃんが作ってくれた。」


・・・・・


あー卵寒天ね!って知らねえんだわそもそも。



その後卵寒天にまつわる思い出を語る男児。


私は心の中で知らんがなと相槌を打ち続ける。



男児「さあ食べて食べて」



有無を言わさず取り分けてくる男児。
地獄の食レポの始まり。



私も覚悟を決めた。




卵寒天を口の中に運び、錠剤の勢いで飲み込んだ。
口の中の滞在時間はかぎりなく短い。
この時の私はホットドック早食い選手権で優勝した小林尊さながらだった。




咀嚼しなくても飲み込める食べ物だったのが不幸中の幸い。



男児「お味はどう?なんか昔の記憶が蘇ってこない?」



いいえ、私は卵寒天初見だから何も思い出しません。
今この瞬間が卵寒天との初めての思い出です。


私「なんか優しい味だね!」



私の食レポの限界。すべての引き出しを開けたがこの言葉しか出てこなかった。
味わってないので味がよくわからなかったというのもある。


男児「でしょ!優しい味だよね!気にってくれてよかった☺」


優しい味で正解だったらしい。


無事に完食したあとはいつも通りプレイを済ませ意気揚々と帰っていった男児。
彼に会うのはあと何回だろう。


こんな経験もきっと私を強くする、そう信じて今日もまた生きていく。

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