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ガチ恋客と母の日


風邪でダウンしてます。体が資本なのにこれはいただけない。
昼職も夜職も出勤しなければ無収入の私。
憧れの四字熟語は不労所得です。


母の日の翌日にガチ恋客が来店した話を書く。



天気も悪い月曜日だった。
客が来ない…

余談だけど最近パパ活やら立ちんぼやら個人で女を売る人達も増えてきて店舗が以前より稼ぎづらくなってることをひしひしと感じる。


今日も暇かあ…そんな覚悟をしているとLINEが…

ガチ恋客(以下、男児)からだ。


突然の来店連絡。
選ばれた曲は「ラブストーリーは突然に」
選曲を状況に合わせてチョイスしてくる中途半端なDJスキルが地味に腹立つ。


しかもこのURL飛んだら小田和正じゃなくて知らないおっさんが歌っててそれも腹立った。


男児に関してはプレゼントという字面を見せらてもワクワクすらしなくなっている。期待しなければ落胆することもない。相手が何と言おうとハードルを決めているのは結局のところ自分なのだ。これは人生においてすべてのことで言える。


とりあえずお茶は回避したからよしとしようっと。




男児来店


「びっくりした?」

男児の第一声。

喜びを強要されたので、それに応える形で

「びっくりだよ~急にありがとうね」

と返した。


手に提げていた紙袋にこちらからは触れずにいたら、男児のほうから「プレゼントはあとでね」と一方的なお預けを食らった。


そしてちゃちゃっと世間話を済ませてプレイに入る。
毎回ではないが男児は赤ちゃんプレイを要求してくる。
この日がそれだった。
しかも高いクオリティーで求めてくるからけっこうめんどくさい。


男児がよく私に言ってくる言葉がある


「演技じゃなくて憑依」


どこの映画監督だよあんた。


そしてプレイ開始前に設定を詰めてくる男児。

「ぼくが泣き始めたらYoutubeを見せて泣き止ませて」

動画の指定までされた。

なんかこのトマトのやつ。


他にもなんやかんや言われた。事前の打ち合わせが長い。

というのもプレイに入ってしまうと男児は言葉を喋れなくなるので、事前打ち合わせが入念なのだ。


そしてプレイ開始


プレイ内容はさすがに割愛するけど、

事前打ち合わせにあったYoutubeのくだりで、動画を見せたら泣き止んだと思いきや広告が入る度に再び泣き出すという男児の赤ちゃんに向き合うストイックさがうっとおしかった。


ああ…これが憑依か…と。


ただ一点納得がいかないのが、赤ちゃんが憑依してるはずなのに性に目覚めていること。
このほころびは致命的。すべてが覆る圧倒的なロジックの破綻。
すごく指摘したいけどあえてしないでいる。
なぜなら私は空気が読める女だからだ。



そんなこんなでプレイが終わってひと段落したタイミングで男児が持ってきた紙袋のほうへ。


「ママにプレゼントだよ」


赤ちゃんプレイの余韻のままに私のことをママ呼ばわりして紙袋を渡された。


私「おーなんだろう?」


取り出すと…



これを見て笑うしかなかった私に


「ママの似顔絵。母の日といえばね。ベタでごめん。」


本当ベタすぎるよね…母の日に似顔絵なんて🤷‍♀️


ってベタじゃねえよ!!
意表突きすぎだろ。
まずここは風俗店で私とあなたは嬢と客なんだよ。


しかも似顔絵のクオリティー高いのもなんかちょっと違うんだよ。
普通クレヨンとかで一生懸命書いた感じのやつだろ。
クレヨンで書かれたら書かれたでそれのほうがきついけど。


私「上手!まさかこれ自分で書いたの?」


男児「似顔絵屋さんにお願いした。自分でも書いてみたけどうまく書けなくてさ。」


自分でも書いてたんかい。こわ。


なんか勝手に似顔絵を書かれるって藁人形に釘打ち込まれる感じの不快感だわ。


それと、

どこの馬の骨かもわからないソープ嬢の似顔絵を書かされた似顔絵屋さん本当にごめんなさい。
きっと家族とかカップルとか幸せな絵を描きたくて似顔絵屋さんを始めたはずですよね。


こうして男児は大満足で帰っていきましたとさ。


似顔絵を持ち帰った私は絵に罪はないと思うといまだ捨てられずにいるのであった。


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