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人は気付いていない自分の欲望を言語化された瞬間、大好きになる

毎週土曜日に参加しているセミナーで登壇されていた、講師の方がそう言っていた。

この言葉を聞いて、私は千鳥のお二人がジュウブンノサンという番組で「出先でついつい心の声を言ってしまう企画」を思い出した。
例えば、ノブさんは美容室でファッション誌を読みながら「興味があるページがねぇ」「ジャンプかマガジンでえぇ」と言ってのけた。
大悟さんは雑貨店の置き物の値段設定をイジッたり、キテレツなアクセサリーをつけた自分を見て「皆に笑われる」と卑下していた。
この企画はスタジオにしか芸人はおらず、芸人1人が素人さんの前でツッコミを入れるだけの企画なので、ウケを取り辛い環境になっている。

だが、この2人は自身が変だと思ったことに、正直に向き合い、その一言一言芯を食っているからウケを取れているのだ。
そして、そのことに共感できる人がいるからこそ、今の活躍につながっているのだと思う。

テレビの前で平然と煙草を吸い、レモンサワーを飲む大悟さんのあの気取らなさが正直で、心地いいのだ。

芸人さん以外でいうと、マツコさんに対する視聴者の気持ちと似ている。
若槻千夏さんが以前、久々のテレビ出演をした際に、「テレビに出てない間は毎日テレビを見ている生活をしていた」という若槻さんが「マツコさんの言うことは信用できる。」とおっしゃっていた。
その話を聞いてからマツコさんのことを見ると、確かに歯に衣着せぬ言い回しが多く、嫌われないようにしようという思惑を感じられない。


食レポも「美味しい」の一辺倒ではなく、他の食品との類似性に言及したり、おそらく口に合わなかったものも食感を伝えたりすることで、視聴者はより想像しやすくなる。

また、「冠番組を持ったタレント」という成功者であるにも関わらず、芸能の仕事は特殊なものとしてとらえていて、農業や漁業、林業などの第1次産業など他業種への敬意を欠かさない。

「視聴者がついてこなかったら終わり」という弱音ともとらえられかねない心情を吐露することで、我々はますますマツコさんを好きになっていくのだ。

そして自身の番組で豪快にビールを飲む姿を見て、コンビニにビールを買いに行った夜も少なくない。


2人に共通するキーワードとして設定していた「酒」に対して、お笑い第7世代に分類されるEXIT兼近さんは新R25の取材で以下のように語っていて、大いにバズっていた。

これは、昨年冬にバズった「忘年会スルー」と性質上近いところはあるが、要は若者の中には酒の場でのコミュニケーションを必要としていない人もいるということである。

私も飲酒することは好きで、決して演じてはなくそこにいるのは素の自分なのだが、本音や愚痴はなるべく素面の時に漏らすようにしている。楽しい酒に変えられた夜のほうが家に帰る足取りも軽い。

誰かが気づいていない本音を言語化するのは、称賛される一方で非難される側面を持っているが、物書きになるのであれば意識しておきたい心構えだと思えた。

最後に今私の思いついた本音を一つ。

「花粉なんてなくなればいいのに。」

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