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3食主義は非長寿な食生活です

米国の生物科学研究者、ジェームズ・W・クレメント氏は、著書『SWITCH(スイッチ)』(日経BP)の中で、「地球上で最も長寿を誇る人々を研究し、その食事パターンの共通点を探ると、『1日に3度の食事と間食』にならないことは明白だ」と指摘した。

毎日3度の食事を取ると「細胞のおそうじ・リサイクル機能(オートファジー機能)の働き」が悪くなります。

この機能は「細胞内の不要物・老廃物や侵入してきた危険物(病原菌やウイルスも)を除去し、使えるものはリサイクルして再度利用する」という、いわば人間の「健康の守り神」です。

東京工業大学栄誉教授の大隅良典氏がノーベル医学・生理学賞を受賞した理由は「細胞内部の自食作用、オートファジーのメカニズムの解明」でした。

オートファジーを活性化させれば、身体の中で起きている炎症が鎮まり、老化が遅れ、病気の発症リスクが減り、身体の機能が最適化される。細胞のおそうじが不十分となり、それが生活習慣病などのさまざまな病気の引き金になっている。

細胞のおそうじ・リサイクル機能であるオートファジーのスイッチを入れるには、どうしたらよいのでしょうか。

一つの良い方法は断食です。
細胞に飢餓などのストレスを与えるとスイッチが起動します。

この種の研究は、これが初めてではありません。

しかし、断食は厳しい方法ですし、リスキーな方法でもあります。

私はダイエットの書籍もあるし、そこで既に2食主義を提唱しています。

そもそも洋の東西を問わず、3食は兵士などのハードな業務に就く人たちのための、或いは育ち盛りの子供たちのための「特別な食事法」でした。

それが一般化されていった原因の一つにエジソンを挙げる説があります。

彼は発明家ですが、過度な商売人でもあった。そして、自分が発明したトースターを売るために、「朝食にパンを」と説き始めた。このような説も存在します。

いずれにしても、3食自体がオーバーエネルギー食であるし、「8時間は何も食べないようにしないと完全消化に至らない」という学説にも抵触する間違った食生活なのです。

3日以上の断食は、私は過去5度ほど体験しています。

非常に厳しい方法ですし、メンタルが弱いと「断食に入る前の減食と断食後の復食」、すなわち、断食前に徐々に食の量を減らし、断食後はゆるゆると通常の食に戻してゆくという「減食と復食のプロセス」でミスを犯しがちになります。

ちなみに、断食後に一挙に通常食に戻すことの危険性は戦国時代に、既に、知られており、秀吉が「鳥取の飢え殺し」を敢行したおりに、「骨と皮になった人たちに普通の量の食事を与えるな」と命令しています。

飢餓の反動で提供された食事にむしゃぶりつき、それが原因で多くの人が死んでいます。断食を甘くみてはいけません。

オートファジーが起動しづらい原因は、「糖質中心の栄養過剰気味な現代の食生活にある」のは確かですが、断食はリスクを伴うので、最も安全な方法が「朝食を抜く」になります。

オートファジーの最大の効果が得られるスイートスポットは断食開始から16時間前後と考えられています。

そうであれば、午後7時に夕食を食べて、翌朝、朝食を抜くだけでいい。

換言すれば、1日の食事の大半を、正午前後から夕方(遅くとも7時)くらいまでに食べ終えるべきというもので、これは「『タンパク質を貯め込め』と命じる肥満遺伝子BLMA1(ビーマルワン)の表」とも一致する合理的な食生活の方法です。

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その人の体内時計により、多少は違ってきますが、基本は「ビーマルワンは午後2時ごろに停止し、午後6時ごろから再始動する」です。

そして、10時から午前2時にピークを迎えることからも、「夜食は太る、夜食は体に良くない」という説の正しさが証明されます。

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