スーリ東節について

「スーリ東節」は古い歌曲で、琉球最古の工工四である「屋嘉比朝寄工工四」には「綾蝶節」として掲載され、明治初期の川平朝彬による「俗風工工四」には「蝶小節」として掲載されている。ちなみに調弦は「一揚」であり、野村流や安冨祖流で保存されている。本調子で演奏する場合もあり、民謡のものはこの本調子のパターンである。範囲は北は鹿児島県奄美群島の沖永良部島から沖縄本島や周辺離島にも分布している。

類曲に八重山民謡の「胡蝶の舞(唄)」があり舞踊曲である。八重山のものは同じ島内でも字や集落や保存継承されている団体によりかなり差異がある。竹富島のものは「中作田節」〜「胡蝶の舞」〜「いろいろぬ花節」の三曲構成の本調子である。

八重山舞踊曲の場合は「諸見里節」〜「胡蝶の舞」あるいは「引越節」〜「胡蝶の舞」など「一揚」のみで完結するものが多く単体で「胡蝶の舞」が演奏されることもある。「胡蝶の唄」「パピル節」などとも呼ばれる大変美しいメロディを持つ曲である。

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