コント「凶悪犯」

A「……ううっ」

B「やっと目を覚ましたか」

A「…ん?縛られてる…?」

B「逃げようとしても無駄だぞ」

A「おい、ここはどこだ?」

B「もう長いこと使われていない倉庫だ、誰かが来る心配はない」

A「お前は誰だ?」

B「おいおい、俺を知らないのか?この辺じゃ有名な悪党なんだがな」

A「悪党?」

B「ああ、モンスターと呼ばれることもある」

A「モンスター……一体これまで何をしてきたんだ?」

B「はっはっはっ、全て挙げてたらキリがないさ、朝になっちまう」

A「なんて奴だ…(怯える)」

B「まあここ一月だけでも、殺人未遂、強盗未遂、恐喝未遂…」

A「え…?」

B「詐欺未遂、また殺人未遂…」

A「未遂多くね?」

B「強盗未遂、恐喝未遂、詐欺未遂…」

A「2周目も完遂できてない」

B「窃盗」

A「うわ窃盗だけ上手く行ってる、ダサいな」

B「このように、俺はこの街でやりたい放題だ」

A「いやめちゃくちゃ阻まれてるけど」

B「俺は罪を犯すごとにタトゥーを1つ入れることにしている」

A「ああ、なんか殺した女性の数だけ花のタトゥー入れてるシリアルキラーとか聞いたことあるな」

B「見ろ(袖をまくって腕を見せる)」

A「え?これは…?」

B「蕾のタトゥーだ」

A「あっ、未遂だから花開いてない」

B「ここは咲いてるぞ(指差す)」

A「窃盗の分か、豆粒ぐらいの花だな」

B「よし、これで俺の恐ろしさが分かっただろ?」

A「あんまり分からなかったな」

B「モンスターだぞ、モンスター」

A「いやどちらかと言うとモンスターの卵って感じだけど」

B「何だと?!」

A「悪への欲求に能力が追い付いてないから」

B「ふざけやがって!お前、自分が置かれている状況を理解してないみたいだな?助けの来ない場所で拘束されてるんだぞ?」

A「まあそうか…俺がピンチなのには変わりないのか」

B「俺のこと散々侮辱しやがって、無事でいられると思うなよ?」

A「まずいな…」

B「今更泣き叫んだって無駄だぞ、周りに人なんていないからな!」

A「どうしよう…」

B「俺の力を思い知らせてやる!覚悟しろ!(ゆっくり近付く)」

A「おいやめろ…」

B「(ゆっくり近付く)」

A「やめろ!」

B「(近付いて手を出す)」

A「やめろ!うわー!」

B「(財布を奪って走り去る)」

A「いや窃盗目的だったのかよ!成功率重視すんな!」



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