コント「道」

A「あれ?おかしいな、この辺だと思うんだけど…(周りを見る)」

B「(歩いてくる)」

A「あっ、すみません!ちょっと道を教えてもらいたいんですけど」

B「(立ち止まる)いいですよ、どこに行きたいんですか?」

A「えーっと、最近新しくできたテゾーロっていうピザ屋さんに…」

B「ああテゾーロね、よくテレビとか雑誌で取り上げられてる所だ」

A「そうですそうです」

B「でも全然この辺じゃないですよ、街の反対側来ちゃってますね」

A「マジすか!すみません僕すごい方向音痴で…」

B「ああそうなんですね」

A「教えてもらってもちゃんと辿り着けるかな…」

B「あっ、それならちょうど地図持ってるのでそれで説明しますよ」

A「本当ですか!めちゃくちゃ助かります!」

B「(取り出して広げる)えーっと、今がこの辺りだから…」

A「……え?」

B「ああすみません、汚い地図で」

A「いや汚いとかじゃなくて…」

B「(指を差す)今ここですね、で駅がこの辺り、病院がこの辺かな?」

A「はい…」

B「……うーんちょっと待ってくださいね、古い地図なので道も今と違うんですよ(悩む)」

A「いやあの…」

B「あっ、分かった!この大きな赤い印、ここがちょうどピザ屋です!」

A「これ宝の地図ですよね?」

B「え?」

A「この古くて汚くて赤い印が付いてるの、宝の地図ですよね?」

B「いや、これは亡くなった祖父の家の倉庫に眠っていたもので…」

A「十分それっぽいな。お爺さんどんな人だったんですか?」

B「なんかすごい変わってる人で、埋蔵金がどうとかいつも言ってました」

A「いや絶対それだろ!なんで宝の地図を古くて見にくいだけの地図として使ってるんだよ!」

B「宝の地図か……気が付かなかったな」

A「それでおそらく埋蔵金の上に新進気鋭のピザ屋建ってるな!」

B「なんかちょっと嫌ですね」

A「もはやピザ屋の地図でもあるわ」

B「あとテゾーロってイタリア語で財宝って意味ですよね」

A「うわ、変な奇跡起きてる」

B「……どうします?一緒に行ってみます?」

A「……そうですね、行きましょう」

B「やっぱり気になりますよね」

A「気になりますね」

B「どんな感じの生地でトッピングはどういう…」

A「いやなんで純粋にピザのほう気になってるんだよ」


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