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私はなでなでする為にVR環境を求めた

こんにちは!ふららんです。普段はVRChatやRecroomなどのVRプラットフォームで遊んでいるものです。今年初めてのnoteの投稿となります。今年は月に1回を目安にnoteの記事を投稿していけるように頑張りますー!

そんな私はタイトルにあるようになでなでする為にVR環境を求めました。当時はまだOculusQuestが発売前だったのでPCでVRプレイできる環境を整える必要がありました。その環境を整える事にかかった額は27万円ほど、7か月間少しずつお金を貯めてやっとの思いでVR環境を整えた事を覚えています。今回は体験談を交えつつなぜそうなったのか、そしてこの事実からVR普及について考えられる事をまとめていきます。

VRChatを始めたきっかけと始めた頃のVRへの期待

その前に書いておきたい事があります。それは私がVRChatを始めたきっかけと始めた頃のVRへの期待についてです。私がVRChatを始めたきっかけはちょっとしたことでした。

自分の創作物をゲーム内に持ち込んで遊ぶのは絶対面白いと思ったから。

blenderやunityを一から学ぶ必要がありましたが自分でフルスクラッチしたモデルがゲーム内で操作できる事に凄い魅力を感じたのです。それがVRChatを始めた理由です。しかしこの理由の中のどこにもVRという要素はありません。そう、VRにすごく興味があってVRChatを始めたわけではないのです。この頃の私はSteamの存在すらも知りませんでした。PCゲームにはかなり疎かったため、MMORPGを遊んだ事もありませんし、PCのオンラインゲームを友達と遊んだ事はありませんでした。またVRに関係する映像作品もたまたま観に行ったレディープレイヤーワン以外はあまり見た事がなく、有名なvtuberの方の動画や配信もそこまで見ていませんでした。なので近未来的で凄そうな技術とは認識していましたが、バーチャルに強い憧れがあったわけではありません。つまりここで言いたい事は

VRはもちろん、PCゲームにも疎い人間がVRChatを始める事だってある

という事です。これを踏まえて本題に入ろうと思います。本格的にVRChatをデスクトップモードで遊び始めた頃はただただ自分が作った自作アバターを操作して誰かと会話できる事に感動しておりました。

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このアバターは私の初めて作ったアバターです。このときは「これはすごい!未来だ」と本気で思っていました。今思えばこれはSecond Lifeでとっくの昔にできていた事だったのですが...。ただVRがなくともそれだけで十分楽しかったのは事実です。しかしとある事がきっかけでVR環境が欲しくなりました。そのきっかけこそ「なでなでしてもらう」という体験でした。

VRChatで他のプレイヤーに撫でてもらうという体験

性能が高いとは言えないノートPCを使ってデスクトップモードでVRChatを遊び始めた頃、私はVRCわかめスープ集会に参加するようになっていました。この集会は毎週月曜の23時からわかめスープを飲み、お題の食べ物を食べるという変わった集会で参加条件の緩さとわかめスープの民(この集会の参加者)の温かさが好きで今でも通っています。私はこの集会のおかげで一気にフレンドの方が増えました。そしてそのフレンドの方にはフルトラやVRでVRChatを楽しむ方が大勢いました。これがVR環境を欲しがることに大きく繋がってきます。私はわかめスープで知り合ったフレンドの所にJoinする事が増え、VRでどのようにVRChatを楽しんでいるのか見る事が多くなりました。そこで毎日何度も観た光景があります。それが「なでなでする」というアクションだったのです。

VRモードの方はデスクトップモードではできない「両腕を自由に動かす事」が可能でした。私にとってVRモードで可愛いアバター同士でお互いをなであう光景は癒しであり、そしてVRChatのフレンドはそのなでなでするというアクションを私にもよくやってくれました。

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写真にあるような距離感でなでなでしてくれるのです。ガチ恋距離というものでしょうか、その破壊力は凄まじかったです。その時にいつも思っていた事があります。

「あぁ癒される!でも私だってなでなでしてコミュニケーション取りたい!両腕が動かせて羨ましい!」

なでなでされたら撫で返してあげたい!と思うようになりましたが私はデスクトップモードです。常に棒立ち状態ですし、自分のアバターを操作していても両腕が使えないためVRモードのプレイヤーよりも表現の幅が狭まっているわけです。そして相手をなでるという欲求を満たせない事に悔しさを覚えるようになりました。その気持ちが原動力となり7か月後、遂にVR環境を手にすることができたのです。つまり

私はVR環境を27万かけて整備した理由が「相手をなでなでするため」だったのです。その一つのアクションが自由にできる!それだけで人は27万円払ってVR環境を手に入れようと思う事だってあるのです。

これは自身がそうだったのではっきり言えます。VR環境を整えたいと思った理由が「相手をなでる事ができるから」は一般的には不思議な動機に見えるかもしれません。しかしデスクトップモードからVRChatを始めてそこからVR環境を整えた人なら共感する人はいるはずです。特に仲の良いフレンドができた人ほど一日でも早くVR環境を整えて「なでたい!」と思った事があるのではないでしょうか?
そしてもう一つ、忘れてはならない事実があります。

この段階に至るまでにVRChatのVRモードを殆ど体験せずにVR環境を整えた

という事です。私はこれが可能なVRChatはVRコンテンツとしてすごいと思っています。では何が凄いのでしょうか?

HMDを被らずにVR環境が欲しいと思わせる凄さ

VRの普及を考えていくと「VRコンテンツは体験してなんぼ」という事実を思い知る事になります。私も過去に「今日も一日生き延びてえらい!集会」のデモ展示をしたことがあるのですが、ポスターにいくら集会の魅力をまとめても口頭で説明してもえらい集会の魅力が伝わる事はありませんでした。初めて伝わったのはOculusQuestを被らせてえらい集会体験ができるデモ展示をした時です。このときに「VR空間ってこんな事ができるのか!えらい集会って面白い試みだ!私も参加してみたい!」という感想が体験者の口から飛び出しました。つまり

いくら映像にしても文字に起こしても実際に体験しないとそのVRコンテンツの良さがいまいち伝わらない事が多い!

この事実がVR普及の大きなハードルの一つとなっています。しかし私は

VRChatで腕を自由に使える権利を手にするために27万払ってVR環境を整えたわけです。

VRChatは紛れもなくVRコンテンツの一つです。「VRコンテンツは体験してなんぼ」のはずでこの体験というのは多くはHMDを被ってVR体験する事を指しています。しかしVRChatデスクトップモードでも十分遊べるVRChatはVRモードで遊ばなくても面白い。そして遊び続けていく中できっかけがあればVRを強く求める事だって起こり得るのです。これはVR普及を考えていくうえで大きなポイントになり得るかもしれません。

VRが入り口ではないVR普及もありなのでは?

これはどういうことかというと

VRでなくても遊べるがVRで遊ぶともっと楽しめるVRコンテンツをうまく利用してVR普及を進めていく

という提案です。この提案のメリットは次の3つだと思います。

①VR体験をせずにVR環境を整えるまでの導線を引ける
②入口がVRでなくてもいいのでターゲットになるユーザー層を広くできる
③スマホやパソコンがあれば遊べるため、遊ぶハードルを低くできる

どれも非常に魅力的なメリットです。これらのメリットにより私のようにVRにもPCゲームにも疎かったユーザーがVRChatをプレイしてから7か月でVRプレイヤーになる事も起こり得るのです。もしこれらのメリットを非常にうまく活用してVR普及を進める事ができた場合、このような事もあり得るかもしれません。

VRの普及が難しい現状の状態でVR環境を整えたいと思う人が激増するという矛盾した状況を創り出す可能性がある。

この状況を作り出すことによって現段階では本来VRユーザになるはずがなかった人までもがVR環境を整えるに至る可能性が出てくるのです。これがしばらく続くと周りが使っているから私も使いたいという状況になるかもしれません。そうなると今度はVRがインフラになる流れができてきます。特に日本人にとって周りが使っているかどうかはかなり重要なポイントです。ここまでくるとVR機器がスマホのような存在になる日は近いでしょう。
ただ現在はVRの普及が難しい状態です。5年前と比べたらかなりVRユーザーが増えたと思いますが、まだまだVRはごく少数の人にとっての手段です。そうなる理由は山のようにあります。あまりに多いので理由を詳しく書く事は控えさせてもらいますが、この提案を見て現実的ではない提案とみる人が多いでしょう。しかし私は思います。

これだけ魅力的なメリットがある普及方法を見逃すのはもったいないと。

即効性があるわけでもなく、決して簡単な方法ではありません。基本的には「VRコンテンツは体験してなんぼ」の考えでVR普及を進めていくべきでしょう。でもこういう動きも同時に行った方がいいと私は思っています。なので私個人でも色々やっていく予定です。例えば現在私が主催している「今日も一日生き延びてえらい!集会」のような試みを今後はもっと幅広い層の人にも楽しんでもらえる企画に昇華させたいと考えています。VRという手段を使わずにも楽しく参加できる、そしてVRモードなら更に楽しめる企画を目指していきたい。それが少しでも多くの人がVRに興味を持ち、一人でも多くの人とVR環境を整える事に繋がれば嬉しいです。
では最後にこの普及方法における最もスタンダードな導線について詳しく書いていこうと思います。

VRから入らないVRデビューについて

例えば私の場合は次のような流れでVR環境を整えるまでに至りました。

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では次にこれが成り立つために必要なポイントをまとめてみると次にようになると思います。

①これは面白いと思った事がそのVRコンテンツなら出来た(魅力的な要素)
②動機が1人でも頑張れば必ず達成できる事だった(確実に得られる利益)
③そのVRコンテンツを遊び始めてから継続的に続く理由があった(一過性で終わらない)
④VRモードだからこそできる事が自分にとってかなり魅力的だった(憧れ)
⑤VR機器を一時的ではなく継続的に使う必要性を感じた(継続性のある目的)
⑥お金さえあればVR環境を整える事ができた(プレイ環境の問題)

この6つの条件が揃っていたからこそVR体験をせずにVR環境を整える事ができたのです。どれも重要な事なのでしっかり達成している事が素敵なVRデビューに繋がると思います。またしっかり達成できる確率が高い導線を引くことができるとVRユーザーが増える事に直結するでしょう。
この普及方法はVRゲームやVRプラットフォームと相性がいいと思います。
まずはターゲットのユーザー層が魅力的に思う機能やゲーム内コンテンツ(運営やユーザー主催のイベントも含む)がある事。これがあれば①を満たせます。同時に②も簡単に満たせるといいですね。例えばゲーム自体をプレイしてみたい、VRプラットフォーム内で行われているイベントに参加したいという事が当初の目的だと①を達成すると同時に②も達成できます。そして同じ目的で始めた人たちが定期的に集まるようになると③も達成しやすくなります。定期開催のイベントがあるとユーザー定着に繋がりますね。その定期開催イベントにVRモードで遊んでいるプレイヤーがいるとVRで遊んでいる事が魅力的に感じる瞬間があるかもしれません。そう感じた方は④も満たすことがあると思います。そして④で魅力的に感じたポイントが継続的に求めていきたい事なら⑤も達成できると思います。最後の⑥だけは個人的な問題になってしまいます。こちらからはどうする事もできません。しかし⑤まで行った人はいつかVR環境を整えたいという気持ちが湧いていると思います。もしVR環境を整えた日には盛大に歓迎してあげたいです。今思えばVRChatのユーザーがVRデビューした人を祝う風潮があるのは自然な流れなのかもしれません。
以上それぞれのポイントについての説明でした。こう考えてみると私たちができるVR普及の手段ってまだたくさんあるような気がします。そして私たちが考える企画を実現させることができる環境は揃っているとも感じます。特にVRプラットフォームでは多種多様なイベントがユーザーによって企画開催されています。アイデアと発信次第では社会的に必要性を感じるものや私たちの生活がもっと楽しくなるような事ができるのではないでしょうか?

余談
VR酔いが酷い人がこの導入方法でVR環境を整えたらやばいのでは?
という疑問を抱く人もいると思います。ただこれに関しては言ってしまえば慣れである程度は解決できると思います。私も初めてVRChatをVRモードで遊んだ時は酔いましたし短時間で結構疲れました。しかし何度も被っていくうちに徐々に慣れて長くHMDを被れるようになりました。慣れるまでにどれくらいかかるかは個人差があるので断言はできませんが、回数を重ねるにつれ少しずつ慣れる事が多いと思います。
でも正直言って100%安心してVRを勧められないんですよね。いくらVR体験をしたことがあってもぜったい安心では無いと思います。なので更なる酔いづらいVRのプレイ方法の確立であったり、技術革新でより酔いづらくお求めになりやすい値段のHMDの登場が待たれます。OculusQuestはVRを求める際のハードルもVRを布教させるハードルもがっつり下げましたし、多くの人が待ち望んだHMDだと思います。しかしスペックがまだ足りていないのです......。今すぐOculusQuestの超強化版が出て欲しい(笑)

最後に

ここまで読んで頂きありがとうございました。ずっと書きたいと思っていた事をようやくかけてホッとした一方でおそらく色々な意見が出てなぁと思いながら書いていました。皆さんの感想をお待ちしております。
また2020年はVRが更に盛り上がる年になるはずです。引き続き様々なVR体験会を開催、VRプラットフォームでのイベントの開催を通して楽しみながらVRの普及に貢献していきたいですね。

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