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    たまポロ自作の小説です!

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    たまポロのエッセイです。これを読めば「たまポロ」がわかるッ…かもしれない。

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気になる彼はマルチ勧誘者♡ 初恋は憤怒のスパイス味。

初恋 初恋はレモンの味だと聞いたことがある。シュガーみたいな甘さだけじゃなくて、ちょっと酸っぱい。好きな人のことを想って幸せになったり、時にモヤモヤしたり…。初恋はあまじょっぱい。  しかし、私は20年もの間、レモンの味を経験しないまま過ごしてきた。私は女姉妹で、親戚も歳の近い女の子ばかりだった。学校は共学だったが、地味で奥手な私は一つも恋愛フラグが立たないまま青春時代が終わってしまった。  「恋はね、するものじゃないのよ。落ちるものなのよ。」  そう母から諭された私は、「ど

    • 全世界の猫派を敵に回すショート・ショート

        亜紀は生粋の犬派である。どれほど犬が好きかというと、彼氏にこう説教を垂れるくらいである。 「良いかしら。人生において一番の幸福というのは、他所様のお散歩中のワンちゃんが、尻尾を振りながら私に近づいて来てくれる瞬間よ。」  亜紀と顔を合わせるたびにこの話をされる彼氏の修二は、些か困ったような顔をしてこう返した。 「君が幸せなら何よりだよ。」  ある日、亜紀は修二をアパートに呼んだ。亜紀の部屋は「生粋の犬派」の名に恥じない。玄関マットから始まって、カーペット、カーテン、布団

      • 近くにうまいパン屋があるから。

         近所にやたらと人だかりができるパン屋がある。なんでも雑誌やテレビの取材を受けたとかなんだとか。しかし、人気店とは言っても、午前11時に開店して、午後14時には閉店する気の短い店だ。その上、店構えは如何にも貧乏くさく、看板も所々ペンキが剥がれ、人が一列に8人も入れば埋まってしまうような狭い店だ。  俺は何か落ち込むことがあると、必ずそのパン屋に行く。パン屋は俺の住むアパートから徒歩5分の所にある。そのため、俺がボッサボサの髪と部屋着のまま来店すると、如何にも「早起きして遠くか

        • ゲロ臭い部屋に帰るのが本当に嫌だ。

           昨日の夜、私は盛大にゲロを吐いた。現状も将来も何もかもが嫌になったから、コンビニで強めのお酒を二本買って交互に飲んだ。私は元々お酒に弱いから、すぐに酔っ払った。  最初は気分がよかったけれど、次第にダメになった。厳つい顔の獄卒が私の頭を金棒で殴っている。       それから、私の腹に宿った大蛇が細い喉を通って無理やり外に出ようとしてきた。大蛇が無理に通るから、私の喉は大袈裟に凹凸して、大蛇が顔を出すと同時にゲェーーッと吐いた。ゲロを吐いたら意識が明瞭になって、一切の幻想が

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        気になる彼はマルチ勧誘者♡ 初恋は憤怒のスパイス味。

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          3本

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          夕焼けに染まる この穂は指毛なり

           まだ「毛を剃る」という概念もなかった小学生の時。私は机の上にスッと乱入した国語の先生の指を見て驚いたことがある。私の国語のノートを見にきた先生は「よく書けていますね。」とかなんとか言っていたけれど、私は全くそれどころじゃなかった。 (先生の指には毛がない)  私は目の前でマジックを見た時のような気持ちになった。なぜ先生の指には毛がないのか。毎日泥団子を作るような子供に、その種明かしは到底見破れなかった。ただ、当時の国語の先生はまるで白雪姫のように綺麗な人だったから、私は「き

          夕焼けに染まる この穂は指毛なり

          もう二度と帰らねぇからな(憤怒)

           私は久しぶりに岐阜に帰省した。最寄りの駅から自宅までの道のりは、まだ若い生涯の中でも飽きるほど繰り返したつまらないもので、私は幾分かうんざりしていた。家の並びも、公園の遊具も、緩くて長い坂道も、何もかもがあの頃と変わっていない。  嫌気がさした私はイヤフォンを取り出して、お気に入りのミュージカルソングを流した。音楽をかけてしまえば、忽ち私の世界は「ここではない何処か」に一変する。 【Oh,this is the greatest show】  私はシルクハットをお茶目に

          もう二度と帰らねぇからな(憤怒)

          うちの職場には、〇〇がいる。

           うちの職場には「関西弁か否か分からない方言を喋る人」が三人いる。  一人目は店長である。関西弁っぽいワード、関西弁っぽいイントネーション、関西人っぽいキャラクター性。(偏見)しかし、この店長は時々「〜けん」という。店長は関西人なのか、九州人なのかー…。私は店長の「普段は陽気なキャラ装っているが、あんま舐めた態度とってると締めるからな」という雰囲気に押され、気軽にお喋りできないでいる。店長は大阪府警なのか、北九州のヤンキーなのか、一体どちらなのだろう。  二人目は美人パート

          うちの職場には、〇〇がいる。

          鼻くそをつけるのは、もうやめてやる。

           私には親友がいる。親友とはもう15年以上もの付き合いになる。親友と私の性格は、まるで磁石のS極とN極のように真反対だ。親友は保守的で、堅実で、物事に対してじっくりと向き合うタイプ。親友のこの人間性は「推し(好きなキャラクター)」にもよく現れている。なんと、親友は小学生の頃にハマった狐のキャラクターをいまだに愛し続けているのである。  一方、私はというと、まるで後先を考えないタイプだ。例えるならば、まだ鍛刀中で火の粉の散っている刀を意気揚々と持ち出して行くような大馬鹿ものであ

          鼻くそをつけるのは、もうやめてやる。

          真夏の熱じゃなくて、私の熱に溶かされて欲しい。

          風雷BOMは号泣した。必ず、かの"仕事ができるクールな先輩"に認めてもらわなければならぬと決意した。風雷BOMには仕事の極意が分からぬ。風雷BOMは、22歳のフリーター(小売り店勤務)である。時には三つの仕事を掛け持ちし、コロコロ仕事を変えながら生きてきた。けれども、「厳しい先輩からの叱責」には人一番敏感であった。昨日の出勤日、風雷BOMは「一生懸命頑張ろう」と全身にやる気を満ちらせて、店内の売り場の整理をした。ところが、そのやり方がマズかったらしく、今日の昼頃、LINEで先

          真夏の熱じゃなくて、私の熱に溶かされて欲しい。

          プリンアラモードって戦友だ。

           仕事で嫌なことがあったから、プリンアラモードを買った。普段めったに買うことがないから、実に数年ぶりの邂逅だ。いや、スーパーのデザートコーナーに行けば、"彼"はいつでもいる。でも、私は彼を選ばない。大抵、100円以下で売っているシュークリームかエクレアを買う。ワンコインのお手軽なスイーツに慣れてしまうと、彼はちょっとお高くとまっているように見えるのだ。  でも、今日は彼を選んだ。…彼を選ばざるを得なかった。それくらい、仕事が嫌になったから。  帰り道、スーパーのレジ袋に彼が

          プリンアラモードって戦友だ。

          虫は思ってる以上に忖度しない。

           私は夏が大嫌いだ。理由は明白で、虫が出るからだ。あの虫さえ出なければ、私はまだ夏のことを好きになれていたと思う。  私は木造アパートの1Kに住んでいる。1Kとは、1ルームとキッチンという意味でもあるし、1階という意味でもある。(私が今勝手に付け足した) まさしく"虫が出やすい"物件である。金がないから仕方がない。でも、いくら「金がないから」といっても、虫側ももう少し住人に対して配慮して欲しいものである。奴らは私に対して友好的すぎるのだ。  ある日、こんなことがあった。夜、

          虫は思ってる以上に忖度しない。

          初めて赤ワインを飲んだ日。

           レストランでワインを頼んだ。私の幼い顔立ちを訝しむように覗き込みながら、ウェイトレスは一杯のワインを差し出した。グラスに並々と注がれたワインは、ルージュにも似た赤い色気を放っていて、"立派な大人"である私は堂々とそれを飲んだ。  一口。  どうやら私はグラスをピサの斜塔の如く傾けてしまったようだ。たった一口を含んだだけなのに、口内にどっと押し寄せるアルコールの波。やがて脳内に渦が巻き始める。  ぐるぐる。  しかし、私は"立派な大人"であるから、頼んだワインを飲み干

          初めて赤ワインを飲んだ日。

          迷える子羊と、八百屋さん。

           図書館というのは、少し教会に似ていると思う。学校にある図書館は学生の溜まり場になっていることもあるが、公共の図書館はいつ行っても静かだ。シーン…と落ち着いていて、厳かな雰囲気が漂っている。  今日、私は久しぶりに図書館に行った。所用があって造園関係の本を探していたのだ。しかし、これがなかなか見つからない。私は神聖な図書館の中で迷える子羊と化してしまった。困った私は近くの司書さんに声をかけた。 「すみません…。」 「あらっ、どうしたの。」 「造園関係の本を探しているんです

          迷える子羊と、八百屋さん。

          【小説】哲学者と脱糞

           男は若い哲学者だった。しかし、この時代に哲学なんてものは全く流行らない。貧困に喘ぐ男は夜中に用を足す時でさえ電気をつけなかった。  その夜、男は急に便意をもよおした。男は暗闇の中、冷たい便座に腰掛けた。  ところで、人間が脱糞をしている間ほど不思議なものはない。脱糞とは人間が生きていく上で必要な行為である。しかし、脱糞の間ほど暇なものはない。この手持ち無沙汰な状態を解決する為に、ある者は新聞を読む。また、ある者は好きな曲を口ずさむ。とある文学少女なんかは、「夏目漱石ならこの

          【小説】哲学者と脱糞

          有終の美を飾る桜誇らしく ふと足止まる 弥生の日暮れ

          有終の美を飾る桜誇らしく ふと足止まる 弥生の日暮れ

          Twitterといい、noteといい、LINEといい…😇返信を溜めるタイプなので、時々返信漏れしてしまいます。すみません🙇‍♀️

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