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レブロン・ジェームス初の1回戦敗退は時代の終焉なのか


2020-2021シーズンを王者として臨んだレイカーズはプレーオフ1回戦、サンズ相手にゲーム6で敗退した。

レイカーズを率いたレブロンにとって1回戦敗退はキャリアで初の出来事だった。

怪我の影響があったことは述べておかなければいけない。相棒のアンソニーデイビスもゲーム6では5分しか出場できなかった。
度重なる主力の離脱で、新顔の主力がレブロンや昨季の優勝メンバーとのケミストリーを構築する時間が足りなかったこともある。これらはレイカーズが早期敗退する心の準備をするには充分だったのかもしれない。

しかし
それでもだ。

私の中でレブロンジェームスの1回戦敗退の衝撃は小さいものではなかった。

この小さくない衝撃によって気づかされた事を白状しよう。

私は心のどこかで、フェニックスサンズというチームを、レブロンが負けうるチームだと見なしてはいなかった。

レブロンやコービー、マイケルジョーダン
NBAにおける時代の覇者達。
NBAファンやアナリストは、彼らの全盛期をあと何年堪能できるのか彼らが全盛期であるその時にこぞって議論するのだ。それはフロントオフィスのオフシーズンの動きを語る上で重視される事柄の一つでもあるからだ。

2020-2021シーズン現在でいえばステフィンカリーがその最たる例であろう
カリーは今季、怪我の影響で5試合の出場にとどまった昨季の鬱憤を晴らすかの様に暴れまわった。終わってみれば自身2度目の得点王を獲得し、昨季リーグ最下位に沈んだウォリアーズをプレイイントーナメントに導き、自身はMVP投票の最終候補に残るほどのインパクトを与えた。そんな彼も33歳となり、ウォリアーズはカリーの全盛期をいっときたりとも無駄にしないようにステフ・カリーで優勝する布陣をなんとしてでも構築しなければならない。そのためには将来のドラフト指名権も投げ出すだろう。未来有望な若手も放出するかもしれない。

それほどまでに、ステフィンカリーの全盛期には優勝の期待値という何にも代え難い価値があるのだ。 


そんな中このリーグには、選手の全盛期の終焉をを勝手に決めつけるファンやアナリストをあざ笑うかの様に、NBAの頂点で全盛期を謳歌する男がいたのだ。

そう。レブロンジェームスだ。

あるスポーツ番組を見た。2016年地元クリーブランド悲願の優勝をもたらした翌年に彼の全盛期についてアナリスト達が討論しているのだ。
この討論は本当に面白かった。
しかしそれ以上に
レブロンジェームスが、アナリスト曰く全盛期が終わりタイトルコンテンダーの1stオプションではいられないはずの、2019-2020シーズンに優勝しファイナルMVPを獲得している事実が凄すぎて笑えてくるのだ。

その討論の中でアナリストは、レブロンの全盛期の終わりは見えてきたというのだ。
確かに彼のピークがマイアミヒート時代の2011-2014シーズンであることに反論するつもりはない。しかしそれは長い長いレブロンの全盛期のうちの頂点、ヒマラヤ山脈にあるエベレストのようなものだ。

彼が全盛期の終わりが〝見えてきた″といって5年、ようやく本当に可視化したように思える。

〝見えて来た″と言われるべき適切なタイミングはレイカーズに移籍して来た初年度2018-2019シーズンの終了後だったのではないだろうか。
事実、怪我にはすこぶる強かったレブロンが怪我で長期間離脱したことでプレーオフ復帰は果たせずレブロンの全盛期の終焉を指摘する声は多かった。しかし彼は翌年優勝し今シーズンも怪我で離脱するまではMVP争いのトップランナーだった。

〝見えて来た″に値する適切な時期が2018-2019シーズンだとすると
〝見た″に値するのは2020-2021シーズン1stラウンド敗退の目撃ではないだろうか


私はフェニックスサンズがレブロンジェームスの負けうる相手ではないと思っていたことを白状した。それはクリスポールをリスペクトしていないからではない。デビンブッカーに経験不足と言いたいわけでは断じてない。彼らは強い。彼らは本当に強いチームだ。優勝してもおかしくないチームだと認識していたのにも関わらずそう思ったのは、レブロンがここ10年間でオールスター級の相棒の離脱のないチームをもってして敗北したチームが、ケビンデュラントが加入したウォリアーズと、BIG3とカワイレナードの台頭が重なったスパーズというNBA史を見ても稀有なスーパーチームのみだからだ。
その間レブロンは、彼に負けたというだけでその素晴らしさを後世に残すことが出来なかったエリートチームをいくつも破壊してきた。またはそのキャリアに優勝や、ファイナル進出を添えることが出来なかったスター選手達と言い換えることもできるかもしれない。その中にはほぼ独力で撃破したチームもある。単独撃破が出来なかったチームといえばステフィンカリーが初優勝した年のウォリアーズくらいのものだ。このチームも充分スーパーチームと言える破壊力があった。
つまりレブロンが負ける時は相手が明らかなスーパーチームである時のみだ。私の中には、そんな潜在意識はあった、そして今年のフェニックスサンズをスーパーチームとは見なしていなかったということなのだ。

しかしクリスポールとデビンブッカーのデュオはスーパーチームではないことは、ある程度の同意が得られると思う。

今年のサンズに負けたのが、完全に怪我のせいだったのか、チームのケミストリーのせいだったのか、レブロンの支配力が落ちたことが原因なのか。来シーズンから2年間で私たちは知ることになる


しかし、私自身来年、再来年の今頃には、こんなことを考えていたことを恥ずかしく思っているかもしれない。実際、来シーズンからレイカーズが2連覇を果たしファイナルMVPがレブロンというのはあり得る話なのだ。
彼の時代は、誰かが勝手に終わらせることはできないのだから。
どんなに成績が落ちても、健康状態に支障をきたしても、翌年にはMVP争いに参加し優勝までしてしまう男なのだから。
アキレス腱の怪我から復帰しパフォーマンスレベルが以前の様には戻らなかったコービーブライアントが、最後の試合で60点を決めてコービーをコービーたらしめた様に、時代の覇者には時代の覇者たる所以がある。


そもそも現役で活躍すること自体、偉業といえることなのだが、やはり

優勝を期待されてこそレブロンジェームスなのだ。

レイカーズは2023シーズンまでレブロン、アンソニーデイビスのデュオで優勝を狙う構えだ。レイカーズとレブロンがタイトル獲得を視野に入れている間はレブロンの時代の終焉とは言えないだろう。しかしこれからはレブロンジェームスがスーパーチーム以外撃破不可能なチームではないのだ。何が原因であったとしても、それはサンズが今年証明した事実だ。
その事実はこれからのNBAを戦国時代と定義する理由となり得ると思う。NBAは常に戦国時代ではあるが

ラリーバードとマジックジョンソン
マイケルジョーダン
シャキールオニール
コービーブライアントとティムダンカン
レブロンジェームスとケビンデュラント

が彼らの時代で常に世界最強だと見なされていた様に必ず時代の覇者が存在する。
次の時代の覇者はルカドンチッチなのかザイオンウィリアムソンなのか、はたまたまだNBAにはいない誰かなのか、その台頭までの束の間の戦国時代を楽しみたいと思う。

私があげた時代の覇者を見てレブロンジェームスの名前の側に、ステフィンカリーの名前がなかったことに違和感を覚えた人。もしくはマイケルジョーダンを単独で挙げレブロンジェームスはケビンデュラントと共に挙げたことに違和感を覚えた人がいると思う。

この話は次回

NBAの特異点ステフィン・カリー


として話したいと思う。


ここまで見ていただきありがとうございした。宜しければ感想をお聞かせください。
稚拙な文章で読みづらい部分も多々あったと思いますが、NBAファンの方々のご意見が聞けると嬉しく思います。





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