D&D第5版で遊ぶ『殺戮のバルダーズ・ゲート』実施報告 第1回【PC参加・予定者は閲覧禁止】

 このマガジンでは、ロール&ロール ステーション秋葉原店において、D&D Game として『殺戮のバルダーズ・ゲート』を第5版で遊ぶ、2015年8月5日スタートの公式開催セッションのレポートをお送りします。 当然ながらネタバレ全開ですのでご注意を。
 『殺戮のバルダーズ・ゲート』は、マルチ・バージョン対応のアドベンチャーで、第3.5版、第4版、Next(5版)それぞれに対応しています。公認スケジュールでリアルタイム開催でのD&D Encounters においては、R&Rステーションでは第4版でプレイしました。
 セッションを楽しんでもらうための「ズル」も一部見えるかと思いますが、アドベンチャーを杓子定規に処理するだけがセッションではない例として読んでいただければと思います。





開催日: 第1回 / (2015年 8月5日)

 この回は、製品版『殺戮のバルダーズ・ゲート』をEncountersとして使用するまえに、発売記念イベントであった"『殺戮のバルダーズ・ゲート』ローンチ・ウィークエンド"のアドベンチャーを導入として遊びました。( 2015/08/06現在、日本語版をダウンロードできます。http://hobbyjapan.co.jp/dd/support/ )

 海賊の隠れ港が発祥の都市、バルダーズ・ゲート。いまや交易と傭兵団の武力により、王族や国家ではなく選挙による任期終身の四公によって治められているという、類まれな奇跡とも言われる成り立ちの自由都市である。
 現在の市名の由来でとなったバルダラン ― 彼が冒険で持ち帰った財によって城壁と門が造られ、その門の一つに名が冠されバルダーズ・ゲートと呼ばれる ― が去り、後年には傭兵団が結成され確固たる力となったころ、つまり"呪文荒廃"が起きる前すでに、この街の住人は4万を超えていた。
 そして、他の国家、都市が"呪文荒廃"による滅びや荒廃の洗礼を受けた中、理由は不明だがバルダーズ・ゲートは難を逃れた。そのため難民が押し寄せ、いまや4倍の人口だと言われる。
 その人々は、古くから住む上層地区の裕福層、下層地区の中間層、そして城壁外の街道に沿って出来上がった難民、貧困層が棲む"門外地域"にわかれる。そして近年、戦広がる南方の砂漠カリムシャンから難民が流入し、独自に塀を囲ったカリムシャン街が成立した。彼らをも形はともかく受け入れた、この都市の呼びものである"自由"は、いまや行き過ぎて貧富の差、権利の差、そして差別による坩堝を作り出しつつある。
 その坩堝が溢れないのは、治める四公が市民に信用され、その一人が誰もが認める英雄であるからだ。アブデル・エイドリアン公。ヒューマンであるにもかかわらず、すでに100歳を越えているはずの彼は、いまだかくしゃくとした60歳前後の風貌をし、四公の一席を占めるとともに傭兵団"燃える拳"団団長を務める力と、誰とも区別なく接する人柄による信頼を持ち合わせ、いまだ健在だ。
 この物語はバルダランを讃える創立記念日の祭りでアブデルが市民へ演説をするところに、冒険者が立ち会うところから始まる。これまでの彼の物語も長いのだが、『殺戮のバルダーズ・ゲート』はアブデルのそれではなく、その居合わせた一介の冒険者たちが、都市に満ちた坩堝に落ちた悪意の一滴に翻弄され、立ち向かう新たな物語である。

 セッションは、広場の情報の大部分をフレーバーとして説明しつつ、お祭りのマーケットや屋台村の中で、どうすごしているかなどを尋ねたり、ロールプレイしてもらいつつ、アブデルの演説がはじまります(『殺戮のバルダーズ・ゲート』ローンチ・ウィークエンド、~P.8)。

 演台の近くにいるプレイヤーキャラはいないので、演説の中身はほとんど聞こえません。遠目に、途中からアブデルが話をしつつなにかを探る様子が見て取れるようになります(P.9)。
 <知覚>判定をやってもらいますがPCは誰も成功せず、襲撃されます。一般人は2人殺傷、PCではサミアリセヤが被弾。アブデルの傍では衛兵が一人死傷。当のアブデルは難を逃れます。

 ここからイニシアチブ順で戦闘遭遇を開始。
 広場(テーブルに広げたオフィシャルのマップ)の外周にいるとした衛兵隊は、攻撃者がいる建物に急行するため広場にはやってこない。
 PCたちは順番が回って来るとショートボウなどの遠隔攻撃をするも当たらず。
 アドベンチャーでは、数ラウンドにわたってこの周囲の建物の敵とのラウンドがあるが、セッションでは冗長なので短縮し、次の出来事を起こします(P.9末)。
 広場の群集の中に、通り魔的なならず者が2体登場。これは間もあかずPCが倒します。
 そこからはまた間をあけず次の登場があって、演台にアブデルを狙う暗殺者が襲い掛かります。そのほかに支援のならず者が2人。
 ですが、DMのアブデルと暗殺者の出目が低く、つばぜり合いをやっているような状態に。そのうちにPCたちはならず者2人を倒し、バルクは暗殺者に隣接までします。

 ダメージを受けた暗殺者は、次の出来事として変貌。「人間のまがい物とでもいうべき奇怪な筋肉質の姿に変化していきます。」(P.10)。とはいえ、PCたちの活躍で倒されます。倒されると同時に破裂し、広場にいたクリーチャーをなぎ倒すほどの衝撃波を残し、退場します。

 解決後は、シルヴァーシールド公、レイヴンガード、フードのローグがそれぞれPCたちを誘いに来ます。Encountersの方と同様に、同じくらいの時間に返事を持ってきてほしい、とそれぞれ言います。
 PCたちは、やや意見が分かれたものの、報酬がしっかりもらえそうな相手ということで貴族の束ねで、衛兵隊の隊長でもあるシルヴァーシールドの話を聞こうということになり、この回はそこで終了としました。

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