【作品解説】『ブラックロッド』登場人物
■01 ブラックロッド
公安局所属の魔導犯罪特捜官。巨大な黒い呪力増幅杖を携え、超人的な魔術戦闘能力を有する。
また、特捜本部と常時交霊し、個人としての人格を精神拘束によって封印されている。
【MEMO】
コンセプトは「魔法使いのサイボーグ」。
ただし、機械的な改造人間ではなく、肉体と魂を何重もの呪術によってがんじがらめにしている……という設定。
名前と人格を封印されているため呪術的攻撃に耐性がある「生きた死人」。「匿名性による安全」とか「死人は死なない」という理屈で身を守っているので、個人としての人格を取り戻すと死ぬ。
ちなみに、今どきは(医療批判や障害者差別につながるので)あまり言わないが、昭和のころのサイボーグには「怪物に改造された人間」「機械的に生かされている死体」「技術文明への不信」といった負のイメージが強く、社会や組織の抑圧性、非人間性とセットで語られることが多かった。このキャラもそういう流れ。
名前すらついていない人物だが、「社会に圧殺される個人」という、シリーズを象徴するキャラクターである。
■02 V9(ヴァージニア・ナイン)
降魔管理局所属のV系列妖術技官。
正確には、封印状態の妖術技官(悪魔と契約した魔女の〝本人〟)の魂をコピーした霊体を少女型のホムンクルス義体に憑依させた存在。人格はあるが人権はなく、任務ごとに処分される。
【MEMO】
ブラックロッドが「魔法使いのサイボーグ」なら、こちらは「アンドロイドの魔女」。
「危険物として処分される」ことが生まれながらに決まっているという、ブラックロッドに輪を掛けて可哀想な存在で、とにかく「不幸」「薄幸」を押し出してくる……が、それを利用して人の心に滑り込むファム・ファタル的側面も持っている。
シリーズを通して多数の「姉妹」たちが登場するが、ナンバリングが進むごとに性格が壊れていく(書き手の手癖ではなくて、劇中設定として)。
なお、霊体の本体に対し、ボディのほうは「人形」と表現され、なにかというとガシャッと倒れたり、壊れたりする。まあそういうフェティッシュというか、天野可淡のドールとかのイメージ。
※他のキャラクターについても順次追加していく予定です。
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■ 『ブラックロッド』2023年復刊 ■
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