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「百聞は一見に如かず」なんだけれども・・・・。

時折、鳥さんのことについて書いたりするので、編集部が「おすすめ」で、鳥さんと暮らしている方の記事を、くっつけてくれることがあります。

最近では、あまり飛びませんが、以前はうれしくなって、いそいそと拝見しに行ったものでした。私は、動物全般大好きですが、今では鳥、しかもインコとしか暮らしていません。そうなってみて、ひょいと感じるのは、”動物好き”と言われる人たちの間でも、温度差があるのだということです。

かつて、あの動物好きの代名詞でもあったムツゴロウこと、畑正憲さんが、鳥についてのひどい偏見を持ってらしたことを知った時、大ファンだった私は、大きなショックを受けたものでした。尊敬していた方でしたので、裏切られた気分にもなりました。

その時のムツさんの主張は、こんな感じでした。

「鳥は、飛ぶために身体を軽くしている。だから、頭もよくないだろう」

つまり、世間で言うところの”鳥頭”を、信じてらしたようなのですね。ムツさんは、それまで、鳥と暮らした経験もなかったようです。そのころ、すでにセキセイインコやコザクラインコと暮らしていて、彼らが愛情も深いし、頭もよいことを経験上知っていた私は、これほどの人でも知らないことがあるのだ、と、唖然としたものでした。

ムツさんは、やがて鳥類学者と出会って、その方から鳥の素晴らしさを教えられることになりました。その方は4年ほど「ムツゴロウ王国」で暮らしたそうですが、その間に、ムツさんはカラスを育てる経験をして、鳥類学者さんの主張が正しかったことを、認めたそうです。

私は、実家にいたときはムツゴロウさんのTV番組も観ていましたし、彼の本もほぼ読んでいました。が、やがて、家族との関係が悪化し、進学のために家を出てからはテレビも観なくなりました。大学院で、日本文学の研究をしていたうえ、生活のためにバイトにも追われるようになって、ムツゴロウさんへの興味も亡くなってしまったのです。当時の私は、ペットロスにも苦しんでいて、「もう、今後一生、動物とは暮らさない」と固く決めていたので、余計、ムツさんを遠ざけることになったのでしょう。

なので、ムツさんのその後の動向は全く知らなかったのですが、相方と暮らすようになって、彼女から「ムツさん、ルリコンゴウインコと暮らしているらしいよ」と教えられました。その経緯は、私が知る由もありませんが、ペットロスに苦しんでいた奥様のために迎えたらしい、と、これまた相方から聴きました。もっとも、相方にしても、それほど詳しくはなかったのですがね。

ルリコンゴウインコは、インコの中でも最大の種族の一種です。我が家にはコミドリコンゴウインコという種族がいますが、この種族がコンゴウインコのグループの中で、最小の種族。ルリコンゴウインコは、大きいほうから数えたほうが早いほど大きいのですが、大きなコンゴウインコの中では小さいほうの子です。

コミドリコンゴウインコを見慣れている私などには、充分巨大ですが、コンゴウインコがお好きな方たちからは、比較的迎えやすい種族として認識されているようです。甘えん坊で、頭もよく、愛情も深い。YouTubeで、暮らしている方の動画を観ると、なかなかの迫力です。とても長生きしますから(30~50年は普通だそうです)、我が家ではもう無理ですがね(;^ω^)

このルリコンゴウインコと暮らす中で、ムツさんの鳥さんへの偏見は確実に変わったらしいと、聴いています。彼の本を読んでないので伝聞ですけれどね。

ムツさんは、作家であると同時に動物学者でもありました。その彼ですら、どういう事情でか鳥さんへの偏見を持ち、それが変わるためにはやはり、共同生活が必要でした。

ですから(ずいぶん、回り道をしました)、彼のようにいろんな動物たちと暮らした経験のない”動物好き”に、温度差があるのはやむを得ないのかもしれません。私にしても、わんことウサギさんとは暮らしたことがあるのですが、猫さんとはないのです。

周囲に猫好きが多いので、時々のろけを聴かされます。それはいいのですが、どうかすると、鳥さんを軽く観る態度が見え隠れするんです。これは、わんこと暮らしている方たちにも、あります。もちろん、その方の人間性の問題もあるので、全員がそうだとは申しません。ただ、「あ、私も子供のころ、鳥飼ってたよ」と、実に軽く言われることがあります。これは、私の考えすぎかもしれませんが、子どものころ鳥を飼っていたことは、あたかも”通過儀礼”だったかのような口ぶりなんです。

細川博昭さんというライターさんの本によれば、日本では1960年代から70年代にかけて、鳥を飼うブームがあったのだそうです。それで、あちこちの家庭では、鳥かごがあって、何らかの鳥さんがいた時代があったのだとか。こうした時代に子供時代を送った方たちの感覚が、鳥を命ではなく、家のインテリアのような存在として認識させているのかなぁ、などと、考えてしまいます。わんこや猫さんは”家族”だと、今や社会的にも認知されてきていますが、鳥さんや小動物たちは、往々にして”エキゾチックアニマル”などと言われたりさえするんです。鳥と暮らすこと、通算30年以上の私には、この差別的な扱いは何故なんだと、やりきれない思いに駆られることも少なくありません。

そうして、さらに困ったことに、”鳥好き”の間にも、いろんな温度差があるんですよねぇ。私が最近鳥さんと暮らしている方の記事を読むことに躊躇するのは、”え? ちょっと待って! そういう考え方で、鳥さんと暮らしているの?!”と、愕然とすることが少なくないからなんです。いろんな考え方があって当然なわけで、いろんな愛情があり、暮らし方もあるとは思います。私たちのやり方が絶対に正しいなどと、言う気は毛頭ありません。

ただ。これだけ情報があふれていて、調べればすぐに答えが出てくる時代です。しかも、その情報が正しいかどうかも、わからないことは少なくありません。それならば、実際に鳥さんと暮らしている人の話を聴いてみるのも無駄ではないと思います。経験がすべてではありませんが、一緒に暮らしているからこそわかることはあって、これは、飼育書とかでは見つけられない大切な情報だと、私は想うんですよね。


ふぅぅぅぅぅ。最後の2段落辺りが、本当はテーマにしたかったことなんですが、回り道してたら、ぐちゃぐちゃになってしまいました。お説教のつもりはありませんが、嫌な感じを受けた方いらっしゃったら、すみません。私の力不足のなせる業です。

ムツゴロウさんへの追悼も頭にあったので、お名前出しました。私の青春時代のメンターのおひとりでした。改めて、感謝とともに、ご冥福をお祈りいたします。

やっと、千葉県松戸市にも、まとまった雨が降りました。生き返る気分です!(^^)!明日から、また酷暑戻るそうですが、どうやら夏の盛りは過ぎつつあるようです。今しばらく、時間かかりますがね。

皆様も、くれぐれもご自愛くださいませm(__)m💕💛

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