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「紳士的な振る舞い」について思うこと

一般的に紳士的な振る舞い、と言われる行動は
男性→女性という形式であることがほとんどな気がする。
それは、「紳士的な振る舞い」が中世ヨーロッパの騎士道精神から来ているから。

・相手が入れるようにドアを開けて押さえておく
・相手の荷物を持つ
・自分が手前の席に座る、相手を奥に座らせる
・階段などを降りる時に手を差し伸べる
その他、相手にとって軽い負担になることを自分が請負うことなどなど…

行動だけにフォーカスするとただのいい人なんだけど、
男→女のベクトルでそれが行われると一気に嫌気がさす。

人↔︎人だったらとても良いことなのに。

ドアを開けてくれたり、荷物(重いわけではない)を持とうかと申し出てくれたり、私のゴミを捨てに行こうとしてくれたり、奥に座らせてくれたり、肌寒い日に上着を貸そうかと申し出てくれたり、、といったことをしてくれた人々がいたので、私もその人々に同じことをしようとしたら断られたことがあって非常に不快だった。

あなたが私に親切にしてくれたのは、私が女性だからですか?
私が男性だったら、同じことをしてくれないんですか?
私が男性だったら、私からの親切を断ったりしますか?
私はドアを開けられない?
私は自分の荷物すら持てない?
私は自分で自分のゴミも捨てられない?
私が手前に座ったら何か不都合ありますか?
私に上着を貸したら自分が寒いでしょ?

中世ヨーロッパ、"騎士"が存在していた時代は
上流階級の女性(レディ)は「上流階級男性の財産」だった。
大雑把に言えば奴隷、家畜、領地と同じなので、守らないといけない存在だった。
大切に扱われている、と勘違いしてしまいそうだけど、それは蔑視からくるものであることを無視してはいけない。
(聖母マリアを崇める流れで女性に敬意を払ったという説もあるけど、他人(マリア)と一緒にすんな、私は私だが?と思っちゃう)

現代の女性は"レディ"なんかじゃない。
騎士道由来の"紳士"なら、そんなの早く無くなればいいのに、と思う。
ひとつひとつの行動の理由、由来を深く考えもしないで浮かれている人間にはなりたくない。
女性専用車両に反対する女性の気持ちもわからなくない。

何事も「人↔︎人」で動かないと、男尊女卑はいつまで経ってもなくならない。

「紳士的」という言葉でお化粧され、ポジティブに解釈されがちな行為たちは、本当にしてもいいことなのか?
されて嬉しいことなのか?
「紳士的な振る舞い」をする側の、ただの見栄ではないのか?
レディとして扱われることは喜ばしいことなのか?

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