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初めての人口授精当日のハプニング

思えば、幸先悪いスタートでした。

これが初めての人口授精。現在では、高度不妊治療に進んだけど、どれだけ慎重に間違いがないように進めていかなくてはいけない治療かっていうのは、この人口授精の時ももちろん変わりません。

ボー大学病院では、当日の朝、旦那に採精をカップにとってもらい、それを直接外来の先生に提出するという流れです。

このカップの取り扱いについては、要注意で説明を受けていました。

冷たくしてしまってもダメ、かと言ってカイロなどであっためてもダメ。精子が死ぬからです。

特にその日は、真冬だったので、取り扱いには本当に気を使わなければなりませんでした。

タオルやハンカチで包んで、なるべく温度が変わらないように持ってきてください。”必ず二時間以内に”との事でした。

当日の朝、出社する時間をずらし、採精を済ませたシロー丸から、カップを受け取った時から、もう予断を許さない戦闘モード状態です。

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もう自分達の幸福の種です。不妊治療なんて、少なければ少ない回数で終わらせたいし、人口授精と言えども、ここまでお金もなかなかかかっているし、(今となっては、比べ物にならないけれども、その頃はまだそれも大金)なんとしてでも失敗できません。

命がけで守らなくてはいけないくらいの使命感でした。初めての不妊治療だし。

大事に厳重にタオルに包んで、家を出発です。

幸い、ボー大学病院までは徒歩圏内という立地に住んでいたため、いつものようにてくてくと歩いて、すんなり病院に到着。

ですが、その日に限ってとんでもないハプニングが起こるのです!

入口に到着すると、扉前になぜか凄い人々の群れ。

いつも激混み状態の総合病院ではありますが、こんな扉前まで人が溜まっていた事なんてなく、はてなマークと嫌な予感がよぎりました。

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人をすり抜けて、なんとか中へ入ると、また中も凄い人!

自動受付機は使えないし、マイクで何かを喋っている人がいました。

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なんで、よりによってこの日にシステムエラーなんて起こってるんでしょう。本当に、運が悪過ぎるとしか思えない。

人ごみの中には、職員に怒っている人達も当然何人かいて、「時間がかかるってどれくらいかかるんだ?!」と詰め寄っているおじさんもいます。

そもそも大学病院で、たくさん科もある上、一日の外来患者数が何千人という病院です。

1人1人名前を呼んで受付なんてしてたら、もう何時間あっても足りないんじゃないかって心配するレベルです。

だけど、大学病院が一介の患者の都合なんて聞いてくれないレベルなのはよく判っています。体調が安定しなかった頃、散々経験したし。

で、しばらく様子を伺ったり、近くにいる係員っぽい人に話したりしてみたけど、とにかく受付しない限りは、どうしようもないとの返事。その人達に言ってみたところでたぶん、何の解決案もどうすることもできないんですよ。

相談できそうな窓口には、もう外まで列が続いちゃってるし。

この時点でもう、不妊治療の科から言われていたタイムリミットまでは一時間を切っており、もはや背水の陣状態でした。

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でも引き下がるわけにはいかない。もう受付とかのルール無視して、直接、科に向かいました。

外からは内線のみ、ナースにとしか話せないんだけど。

仕方ないのかもしれないけど、このナースさんが、どれだけ特別なことをしなきゃいけない患者を作らないか、予約以外のイレギュラーな患者を断るか、ってことに凄い強硬な壁を作り上げている気がする。

それは、後々私の不妊治療史上の大事件が起きた時にも痛感したんだけど、患者側からすると、悩ましくもあり・・・

ひとまず人口授精に来たこと、せめてカップだけは渡してしまいたいことを訴えました。

最初は、それでも受付をしてもらわないと・・・(さすが大病院)と言われましたが、もう切羽詰まっていることをとにかく訴えると、しぶしぶお待ちください、と言われ、しばらく待たされた後、「じゃあ先生が受け取るそうですので」という返事が返ってきて、診察室に通されました。

先生はあっさり受け取ってくださり、なんとか第一回目の人口授精が進みました。

まぁ、その後の手続きが、色々すっとばしちゃったせいで、かなりめんどくさかったけど。

大病院は、融通が効かなくて、ハプニングが起こると凄い大変だけど、それにしてもよりによってそんな日に当たるとは、なんて私はついていない人間なんでしょう。

治療がまだ続いている現在、この第一回目のスタートの治療を思い出すと、本当にそう思わずにはいられません。

私はついていない人間です・・・


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