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不育症だけど原因不明 保険適用じゃない謎の不育症でした

杉ウィメンズクリニック(杉WC)で不育症検査を受けたところ、陽性項目がありました。

今回は私の不育症について書きます。

陽性はありましたが、一般的な不育症ではなく、引っかかったのは杉独自の検査のみ。不育専門じゃない医療機関で検査を受けたら「異常なし」だったようで。不育症の中でも聞いたことがない、かつ、リスク因子不明に分類されるものでした…。


不育症はまだまだ研究中で、専門家によって意見が異なり、患者は何を信じたらいいのかと、禿げるくらい悩んだことがあります。誰かの役に立てたらと思って書きますが、何を信じるかで情報の取捨選択は変わるかと思います。

① 私の検査結果 PS/PT抗体が陽性

子宮内で死んでしまった赤ちゃんを2度出産(死産)し、検査を受けたら陽性項目もあったので、不育症と自負しています。

一般的な不育症は治療時に保険適用されますが、私はエビデンスが少なく、まだ研究中の項目が陽性だったので自費治療(自費ヘパリン)です。

私の検査結果をお見せしてから、不育症の大枠に触れつつ謎の陽性項目を紹介します。

ぎりぎりだけど、こちらはセーフ

一部ボーダーではあるものの、こちらは基準内の数値でセーフ。一方、杉独自の検査には陽性項目がありました。

ありました陽性

陽性項目:
●抗フォスファチジルセリン・プロトロンビン複合体抗体(aPS/PT) 酵素免疫測定法IgG・IgM
→この検査を採用している施設はまだ少ないらしい
●リスク因子:
フォスファチジルセリン依存性抗プロトロンビン(PS/PT)抗体

杉先生からは「PS/PT抗体が陽性だと、妊娠したとき、胎盤の血管に血栓ができて血流が悪くなる。胎盤から胎児の方に栄養や酸素がいかなくなる」と、説明がありました。

●抗プロテインS抗体ウエスタンブロット法 IgM
→杉WC以外ではこの抗体の検査ができないらしい
これもHですが、先生から「プロテインSはセーフ。うちのやり方でもぎりぎりセーフ」と言われたので掘り下げません。

② 死産2回なのに検査を受けても原因不明

ここでは「不育症管理に関する提言2021」を参考に、不育症のリスク因子を見ていきます。

不育症のリスク因子として知られているのが、子宮形態異常(7.9 %)、甲状腺機能異常(9.5 %)、夫婦染色体構造異常(3.7 %)、抗リン脂質抗体陽性(8.7 %)、第XII因子欠乏症(7.6 %)、プロテインS欠乏症(4.3 %)。

出典: 不育ラボ 偶発的流産・リスク因子不明が65.2 %

以上のリスク因子は実績があり、治療の有効性が確認されていると思いますが、グラフの通り偶発的流産・リスク因子不明65.2 %と半数以上を占めています。

私が陽性だったリスク因子PS/PT抗体もここに入るので、陽性項目とはいえ分類は原因不明。不育症はまだまだ研究途上のようです。

以前、杉WCで検査を受けた天使ママ数人と結果を見比べたことがありますが、意外と私は項目数も数値も、人と比べたら大したことなかったんです。

原因不明の子宮内胎児死亡が2回続いたのに、もっと飛び抜けた数値だったり、もっと分かりやすい不育症だったりしないのかと、しみじみ思います。

③ 意見が割れている雰囲気

不育症管理に関する提言2021」によると、不育症検査の項目は現在、以下の通り分類されています。(※一部抜粋)

(1)推奨検査…十分な臨床的エビデンスがある検査。保険適用が多い。
→ 子宮形態検査、抗リン脂質抗体、夫婦染色体検査、内分泌検査(TSH、fT4)など

(2)選択的検査…リスク因子の可能性はあるが、エビデンスが不十分なもの。推奨検査に準ずる、またはある条件下では検査が推奨されるもの。
→ 血栓性素因関連検査 (プロテインS・第XII因子凝固活性)、改定APS分類基準には含まれない抗リン脂質抗体(PE抗体 IgG IgM、PS/PT抗体)、子宮形態検査、自己抗体検査など

(3)研究段階の検査…不育症との関連が示唆されているが、エビデンスはさらに不十分で現在研究段階にある検査。
→抗リン脂質抗体(ネオ・セルフ抗体)、免疫学的検査(末梢血)など

(4)非推奨検査…不育症の検査としては推奨されない検査。
→免疫学的検査(Th1/Th2)など

出典:不育症管理に関する提言2021

PS/PT抗体は(2)選択的検査に分類されていました。「不育症管理に関する提言2021」の該当部分(P15-16)を読むと、同じ並びの抗 PE 抗体と比べても、

「エビデンスが少なく、不育症との関連性を否定する報告もあり、研究的検査が妥当ではないかという意見もあった」
と、意見が割れている雰囲気が伝わります。

行間を読むと、PS/PT抗体はリスク因子かどうかも微妙…?少なくとも、不育症に関連がないと主張している研究者はいる。そんなにエビデンス、少ないんだ‥(せめてもっと治療実績が多い不育症がよかった)というのが率直な感想です。

ちなみに、提言2021では選択的検査に分類されていますが、提言2019の時点では(3)研究段階の検査だったようです。

提言2021でも条件付きだし、意見が割れてるのが伝わるし、まだ研究段階ですよね。現時点では よく分からないということがよく分かりました笑

以上、読んでくださった方がいらっしゃったら、ありがとうございました。

この記事で、不育症の検査結果の日に関して(料金・次の通院等も)情報共有しています。

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