見出し画像

【仕事】水で消せないすごい火

こんにちは、イラストレーターのfunenoです。

株式会社愛言社様の語学雑誌『聴く中国語』連載中・『西遊記』の挿絵(7月号)を担当いたしました。

今回のテーマは「紅孩児(こうがいじ)との死闘」です。

紅孩児はあの牛魔王の息子

紅孩児は幼名で、号は聖嬰大王。

三昧真火(さんまいしんか)」という普通の水では消えない火を操ることができ、めっちゃ強い。ガチで死闘。

イラストでは、悟空が苦戦するシーンをメインに描いています↓


『聴く中国語2024-7』号

「三昧火」っていうのは仏教用語で、釈迦が入滅後にその身から発した火のことを表すらしいです。

ただ、「真火」というのは、道教のワードで、水でも消すことのできない火のことのようです(岩波の『西遊記(4)』より)。

2つが合わさった三昧真火は、たぶんめっちゃすごい火。

300年の修行によって、紅孩児はこの三昧真火を使いこなすことができる。

紅孩児が襲ってきたのはもちろん、西遊記あるあるで、三蔵の肉を食べるためです。

なんでも、何回も転生してずっと修行している三蔵の肉を食べると、不老長生になるっていうのが、妖怪界隈の通念っぽい。

はじめ、紅孩児は、松の木につるされた子供のふりをして三蔵一行に近づいて、正体が妖怪だとばれたら火攻めに転じてきます。

紅孩児の三昧真火はすごい。口から火を噴き、鼻から煙を出す。超手ごわい。

実際、悟空は紅孩児と戦って死にかけます。というか紅孩児の火を避けようと思って飛び込んだ水が冷たすぎたので、魂飛びかけた

辺りは大火事、悟空は戦闘不能、三蔵はさらわれる(食肉用)。絶体絶命。

そして結局、このピンチを助けてくれるのは、いつもの観音。観音のドラえもん的な安定感がすごい。

他の観音の活躍はこちらのマガジンからどうぞ↓

西遊記って、おもに悟空と観音の活躍で成り立っているのでは? と西遊記扉絵を1年ほど描いてきて感じます。

なお、イラスト中で観音(左下の人)が紅孩児に投げているのは、悟空が頭に付けている箍と同じようなもので、はまっちゃうとギリギリ締め付けられるので、もう帰依するしかない。

息子がこれだけすごいなら、父の牛魔王はどれほどすごいのか、と期待が高まりますよね。

そんな西遊記が連載中の『聴く中国語』2024年7月号はこちら↓

今月号は結婚式の習慣特集。さて、日中の違いは? みたいなのが知りたい方におすすめ。

※7月号も買える、愛言社の公式はこちら公式のyoutubeも、Xを眺めていると、中国語学習者界隈から高評価の様子。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?