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わかめとようせい

わかめを取りに海に行った。

今日は幼稚園が、年長さんだけ卒園遠足に行くということでおやすみ。チビコと一緒に庭で遊んでたら、じいじにワカメ取りに誘ってもらったのだ。

じいじと娘と私は、干潮タイムを狙って午後に岩場へ行った。曇り空から時々ダイヤみたいに鋭い白の光がさしててなかなかすごい海。

岩のりが随分取られてて超ツルツル滑る岩場は結構高い。こないだスキーから帰ってきたばかりなので、つい雪山のことを思い出す。チビと手を繋いで歩いてみたり、手を離して各々頑張ったり色々してみたが、チビが転んで膝を擦りむいた。大したことなかったけど珍しくチビちゃん泣いた。私の緊張が通じちゃったか、それか意外と痛かったか。わたしたちはそのまま高いコンクリートの壁みたいなとこに移動し、上からじいじを応援した。ほら、タカラガイだぞ〜とじいじがキレイなタカラガイを下からいくつも投げてくれキャッチ。濡れてる紫のタカラガイはアメジストにそっくりでなんてキレイなんでしょう。


帰り道はちびの態度が悪いったらなくグネグネ意味の通らんなじりをしてきて、気が滅入る。自分でワカメを取りたかったけど無理だったし待ってる間にぐじゃぐじゃの足が冷えて最悪。ってところでしょう。怒ってみたけどちび自身が自分を持て余してる様子だったので、あとであったか〜いお風呂に入れてあげるからさ。みかん持って入っていいよ。と励ます。抱きついてくるとお互いあったかくていい気持ち。砂の匂い。

庭についたら青空もでてるし、まあるいひだまりになってた。大きなバケツにホースで水をためながらワカメを洗った。根本の石をハサミで切ると、ん?小指の爪にすっぽり入る位にちっちゃいちっちゃいカニが走った。わかめの根本に隠れてた、これは可愛そうだね、とじいじが言う。逃す?とチビがいい、どこに?とじいじが言う。
バケツの水の中、よく見たら沢山のむちゃくちゃちっちゃいちっちゃい透明の魚みたいなやつもいた。
じいじが「あっエビのようせいだわ」と言った。ようせい、は、幼生のこと。かわいくてアワアワする。しんじられない。かわい。。よく出来てて。

海に逃がしてくる。と言ってじいじはバケツを車に積んで海に戻っていったので、私たちはお風呂に入ります〜と手を振ってお見送り。ヒーローだ。

チビはひとりでお風呂に入り遊んでいる。ワカメをひゅっって投げ込んでみようと思ったが、大ウケしてこれから毎晩お風呂にワカメを入れてくれい!とか言い出す未来が見えたのでやめ、ワカメのニンニクパスタを作った。
1年ぶりに作ってるから勝手を忘れちゃって、ワカメ、オリーブオイルにはね過ぎ!帰宅した夫くんが、タニタの体重計が届いたよ〜とウキウキアマゾンの箱を開けながら台所にきて、大爆発してるワカメをみながら「お、ポップコーンかい?」と茶化してきたので、いいから!助けて!と叫ぶ。まな板の上にピカピカのタニタの体重計が乗せられ、彼がパンパンパンパン!!とワカメが爆発してるフライパンに蓋をする。爆発したワカメが新品の体重計にペロッと張り付いてた。