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一緒にコーヒー

「さあて、そろそろ起きてコーヒー飲もうかな〜。チビちゃんも飲むかい?」
「キャハハ!いらないよ〜!こどもだよお〜」


朝のベットでゴロゴロしながらしばらくチビコとお喋りしているような時に、お馴染みの冗談を言う。そんなの私は何の考えもなく軽く言うのに、言った後では毎回胸いっぱいになってびっくりする。

「ああチビちゃん、大きくなったら一緒コーヒーを飲むのかな。そんなことが何気なく一緒に出来る日にはどんなに嬉しいんだろう!
それで大きくなったチビちゃんが私にコーヒーを淹れてくれたりしたら、ママはもう亀みたいにひっくり返る。」
「ア゙ハハ!亀〜?!ねえママ。いまでもチビちゃんはいろいろ作ってあげてるでしょ。トマトジュースだって、サラダだって!」
「ほんとにそうだね〜。」


毎回そう言いながら、毎回同じような景色を思い浮かべる。
若くて、薄いラベンダー色のちょっとピタッとしたジャケットみたいな服を着たチビコが、台所ですれ違いざまに、私の背中を大きな手でポンて触ること。同じ大きさ同士の私達が、立ったままペラペラ喋ってコーヒーを一緒に飲んでいる所を。
夢みたいだ、、そんな日が来るなんて。私はその景色に向かって心の中で話しかける。
ねえ、大きいチビコ!聞こえる?ずっと応援してる!私はきみが大好き〜(笑)しっかり者っぽく離れていく君も最高にかわいいよっっ!


パパマフィン美味しすぎ事件


……って、いやいや。私の現実は、これからチビコ年長さんの夏休みがはじまるのだ。離れる時間ゼロなのだ!

「ママちゃ〜ん、お腹すいた。赤くてフルーツ系が食べたいの。」

そんなことばっかエンドレスに言ってくる、プニプニのちっちゃな人間をキュッと抱きしめさせてもらう。
「赤くてフルーツ系ね!ス、がつくものですか?」
「そうです!」

未来の私達を思うと、《チビコに優しくね。ただ楽しんで。いっぱい休んで(笑)》って優しく切なく伝わって来る。ありがとう。ってこたえるしかできないけど。

バラ妖精、頭に注目!

底なしのチビコパワーと遊び疲れて白目。あんまりアイツが調子に乗って超超しつこくされたから「も〜う怒った!!」「ごめんなさ〜い(泣)」とかやって仲直りして。放心状態で休憩。朝の飲み残しコーヒーでも飲むか。。と床にヘタヘタと座っていたらチビコが来た。
「それどかして?」
って言って私の持っていたコーヒーを床に置かせ、ひざの上にでんっと乗る。
「ままだいすき。おつかれさま。」ってすごく、、優しく言って抱きしめてくれた。

そ。今はこんなコーヒーの時代。


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