MDJM LTD(MDJH)
Fun.Do.Mental分析とは「応援者として楽しみつつ、投資活動を継続していくための、精神的安定をもたらす企業」分析という定義である。その内容は高校の教科書やSDGsなど独自の観点も含めた定性分析から始まり、独自の9マスの企業分析マトリクスによる定量分析を行う。この2つの観点から企業を分析し、企業の成長をより安心を持って楽しみながらリターンを獲得できる投資を目指す。
2019年1月上場の銘柄一覧と現在の状況まとめ
これらの企業のうち、2023年4月27日時点で上場し続けているのは、SXTC、MTC、MDJH、NFE。今回はそのうちMDJM LTD(MDJH)に着目する。
定性分析
会社の概要
MDJMは中国の不動産サービス会社。主に北京及び天津において住宅用不動産関連事業を展開する。子会社を通じ、不動産仲介サービスや不動産コンサルティングサービスを提供するほか、代理店販売サービスに関するトレーニングや評価を行う。また、不動産による投資、運営、管理などの資産運用サービスを提供する。本社所在地は天津。
以下のHPに紹介用の動画あり。
どんな商品・サービスで、どんな課題を解決している?
MDJMの主なサービスは2つ。1つ目の不動産仲介サービスは、住宅用不動産プロジェクトの開発および販売のあらゆる段階で、住宅用不動産開発業者に一次代理販売サービスを提供することが含まれる。2002年の創業以来、74件のユニークな住宅用不動産プロジェクトの販売に携わってきた。2016年以来、共同販売代理店として不動産プロジェクトに戦略的に入札し、獲得してきました。
2つ目は不動産コンサルティングサービスの提供。住宅用不動産プロジェクトの開発および販売の段階に際し、必要に応じて不動産コンサルティングサービス(ブランドづくりや広告デザイン、販売など)と独立したトレーニングサービスを提供しています。
※ 中国の事業体が提供できる不動産コンサルティングサービスの種類には、コンサルティング、マーケティング戦略の計画と戦略、広告サービスと販売戦略が含まれまれる。
⭐︎不動産仲介サービスを中国内から始め、規模と数を増やしてきている会社。仲介業だけでなく、仲介の際に不動産の販売に関する戦略の面も相談に乗ってくれて、クライアントの不動産の価値を高めてくれる。
日本企業で一番近そうなのは三菱地所リアルエステートサービス株式会社だと思われる。
高校の教科書とのつながり
地歴公民
MDJMのHPに以下のような記載がある。
「現在の本社の主な市場は、中国で最も裕福な都市の 1 つである天津自治市にあり、2020 年の 1 人あたりの GDP に基づくと、中国で 7 位にランクされています。2014 年以来、本社は、四川省の成都や江蘇省の蘇州など、中国の他の第 1 級および第 2 級の都市に市場でのプレゼンスを拡大しています。」
→天津や成都、蘇州、これらは中国内において人口が都市に集中することによって起きる人口増加が顕著に発生した都市の一部だ。その報道の以下に示す。
都市の人口、人口の集中は中国の工業化・経済発展において記載がある。大都市に雇用機会を求めて地方の農村から大勢の出稼ぎ労働者がやってきているのである。盲流、民工潮といった人々の流入である。
またこれらの都市は世界史の中でも重要な都市である。
天津:1858年、アロー戦争時に清が英仏露米と結んだ条約。アヘン戦争後に結ばれた南京条約の不平等条約的な要素を拡大強化した内容であった。
成都:三国志で有名な三国時代に、蜀が都を置いた都市。
蘇州:南宋の時代に江南の開発で、人口が急増し発展した都市。「蘇湖熟すれば天下足る」の蘇。明代からは絹織物産業の中心都市として発展。
どんな業種・セクターか+時価総額
業種・セクターはReal Estate(不動産)であり、時価総額は2500万$ほどになっている。より詳細にはReal Estate Serviceに分類され、同業他社で規模が大きいものにCBRE Group(230億$ほど)がある。CBRE Groupはアメリカの商業不動産サービス持ち株会社。
MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)など
HPでMVVに関するような記載や資料を見つけることはできなかった。
創業者について
⭐︎NasdaqのMDJMのページにはCEO欄にSiping Xuという記載があり、MDJMのHPの会社情報のページにもSiping Xuの経歴が書かれてある。ただ経歴だけであり、本人の言葉などの人柄を推し量るような材料は記載されておらず、会社の将来についての安心材料を得ることはできなかった。
SDGsで考えると
セクターだけで考えれば、「11.住み続けられるまちづくりを」が近い。しかしその目標のターゲットに関連があるかどうかは、HPの内容を見ても判断できなかった。どのような物件を取り扱っているのかもう少し深掘りことができれば判断できるかもしれないが、なかなか調べが付かないため、今回は保留とする。
定量分析
赤字企業であるため、青色のマスが目立つ。一番気になったのはPSRの高さ(株価売り上げ倍率)の高さ。売り上げがさほどたっていないのに株価はかなり高くなっていることが読み取れる。自己資本は高い割合を維持しているものの、3つのキャッシュフローの様子は懸念材料である。
自分なりの結論
中国の不動産セクターということで、鬼城などの例もあるため最初の印象ではかなりハイリスクなように感じていた。そして実際に調べてみて、どんな創業者がどのような目的を持っていて会社を経営しているのかがあまり見えなてこなかった。成長を見通せるような情報も獲得できなかった。しかし株価は売り上げの割にかなり高くなっている。個人的な結論としては、安心して長期間保有できると考える材料は出てこなかった。
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最終的な投資判断・決定は、ご自身の判断で。