FDM分析:打者Alphabet(Google:GOOGL)編
購入前(購入時)の心証
日頃の生活においてもGoogle検索やYoutubeなどは必須であり、この状態はしばらく続くと思っていた。また2022年の高値151$から3分の2である100ドル近くになったこともあって5株購入した。ただ「なぜその時に購入したのか」と聞かれると、なんとなく安くなっていたので購入した、ぐらいしか理由がないなんとなくの購入となってしまっている。またそこからもさらに株価が下落したこともあって、買い増しの機会を伺っていた。追加購入は86$と最安値から近い部分で購入できているのだが、これも数値的な根拠はなく購入してしまった。そのため購入株数も2株と伸ばすことができていない。
GOOGL 平均所得単価100.10$ 保有数7株
会社の概要
アルファベットは米国の大手インターネット関連企業。検索サイト・グーグル「google.com」を運営するほか、検索エンジン、オンライン広告、クラウドコンピューティング、ソフトウエアなどIT関連製品とサービスを提供。携帯電話「アンドロイド」、ブラウザ「クローム」、インターネットテレビ「Google TV」等独自のOSを展開。本社はカリフォルニア州。
定量分析
GoogleのFDM分析
打者としてみるとベルト付近、かつ真ん中付近のボールはしっかり打ってくれそうだが、高めや内外角に投げ分けられたボールには苦戦しそう。
分析一覧を見てみて、ぱっと見の時価総額や利益の数値を見ると本当に巨大な企業であることがわかる。例えば2022年Q4の売上高は760億$、当期純利益も136億$と両方とも桁が兆である。ただ前年同期比など割合で変化を見ていくと、売上高はかろうじて伸びているものの、当期純利益は34%の減少、ROEやEPSも3割の減少、youtubeの広告収入も減少も明確になっている。売上高の停滞から粗利や営業利益率の大きな低下によって市場の評価が下がり、株価が低迷してきているのもうなづける。ただその分PERも低くなってきているし、大体90ドルを割るぐらいからはPERは20をきり、かなり割安水準であることがわかる。キュッシュフロー三種自体は、利益も出ているし成長に向けての投資もなされていて借金も減っている。それらが今後の売り上げにつながってくればまだまだ株価は復調してくるだろう。
同業他社のFDM分析
同業他社の上場企業に目を向けてみると、中国のBIDUとNTESの2社が浮かび上がってきた。両者とも中国を拠点に活動しているのに対し、Googleはアメリカやヨーロッパなどが事業の中心であり、あくまでも中国市場は売り上げ構成から見れば割合は低いため、脅威の度合いは小さめとなっている。どちらかというと中国最大の検索エンジンであるBIDUの方が直接の競合と言える。BIDUの営業利益成長率は2四半期連続で130%超えであり、どんな要因でこのような数字になっているのか気になったが、現時点で確認できず。引き続き調査していく。
定性分析
SWOT分析
Strengths:
・強力な検索アルゴリズムと技術力
・広告事業における圧倒的な市場シェア
・豊富なデータ収集・分析能力
・多様な製品ラインナップとサービス提供
Weaknesses:
・オンライン広告事業が安定しない
・ハードウェア製品において、AppleやSamsungなどの競合との競争が激化
・依然として競争力の低い新規事業を多数立ち上げている
Opportunities:
・人工知能や機械学習技術の発展による、新しいビジネス分野への進出
・新興市場での普及率の高いスマートフォンやタブレット端末を活用したビジネス拡大
・オフライン市場における製品・サービス拡大
Threats:
・過剰なデータ収集に対する法的、倫理的問題
・政治的な圧力やメディアへの批判による評判低下
・当局による規制強化やスキャンダルによる信頼低下
◎オンライン広告事業は、米国金利上昇局面や不景気を背景に真っ先に削減されるコストであるため、現在広告費が一気に減少し売り上げが減少している。またEUで施行されたGDPR(EU一般データ保護規則)に抵触したとして、2019年に制裁金を課せられたり、2023年にはアメリカ司法省から反トラスト法(日本でいう独占禁止法)の疑いで提訴されたりと、法的・政治的な締め付けが強くなってきている。
4P分析
1. 製品(Product)
・Googleの主要な製品には、検索エンジン、Gmail、Google Maps、Google Drive、YouTubeなどがある。
・Googleはこれらの製品を常に改善し、ユーザーに使いやすい形式で提供し続けている。
2. 価格(Price)
・Googleの製品のほとんどは無料で提供されています。
・Googleは、広告主からの広告収入を主な収入源としている。
3. 場所(Place)
・Googleの製品はインターネット上で提供されている。
・グーグルの主要な事業所はカリフォルニア州にあるが、各地にも拠点がある。
4. プロモーション(Promotion)
・Googleは、オンライン上の広告を通じて自社製品をプロモーションしている。
・Googleは、テレビCMやポスター広告など、伝統的な広告媒体も使用している。また、Googleは、ブログやソーシャルメディアで積極的に自社製品をマーケティングしている。
◎Googleのサービスはほとんどが無料で提供されており、さらに自社のサービスをプロモーションするにも自社のサービスをまず活用した上で、他の広告媒体を利用するため広告コストはその効果に対して割安になりやすい構造にありそうだ。
5フォース分析
1. 競合企業の脅威
・検索エンジンマーケットには、GoogleのライバルであるYahoo、Bing、Baiduなどの企業が存在する。
・モバイルオペレーティングシステム市場では、GoogleのAndroidのライバルであるAppleのiOSが存在する。
2. 新規参入者の脅威
・新しい検索エンジンやIT企業が市場に参入することによって、Googleのシェアを脅かすことができる。
・ただし、Googleは他の企業に比べて圧倒的なブランド認知度と技術力を有しており、市場への参入障壁が高い。
3. 代替製品やサービスの脅威
・代替製品やサービスとしては、ブラウザの検索エンジンやウェブサイト直接閲覧などが存在する。
・しかし、Googleは検索エンジンマーケットでの圧倒的なシェアを持ち、代替手段への需要が限定的であるため、脅威は比較的低い。
4. 顧客やサプライヤーの交渉力
・Googleの主要な顧客には、広告主や企業、個人ユーザーなどが含まれる。
・顧客がGoogleに対して交渉することは難しいが、一方的に広告料金を設定することもできず、競争力のある価格設定が必要である。
・サプライヤーには、Googleの必須となる技術や情報を提供するサプライヤーが含まれる。
・Googleの技術力と資金力は非常に高く、サプライヤーに対して交渉力がある。
5. 業界全体の競争激化度合い
・検索エンジンマーケットにおいては、Googleが圧倒的なシェアを持ち、競合他社に比べて業界全体の競争激化度合いは比較的低い。
・ただし、他のIT企業との競争は激しく、モバイルデバイス、オンライン広告、クラウドサービスなどの分野で競合している。
◎OpenAI社のChatGPTの登場によって、2022年末にGoogle社内でコードレッドが宣言された。その後対策のためにBardを公開して行ったが、その性能に疑問符がついてしまい、一時株価が下落していた。この事例からもシェアを脅かされることが起きるという事例は起こりうることがわかる。しかしGoogleの検索エンジンマーケットでのシェアは約9割で独占状態にある。このシェアが少しずつは剥がされる可能性はあるが、そもそもの世界の情報はIoT化や人口増加に伴ってどんどん増えていく。そしてChatGPTと同様のサービスを展開していくのであれば、そのほとんどのシェアを握っている以上、互換性や相性は自前サービスの方がいいだろう。確かに一時的にMicrosoftとOpenAIのタッグに押されるかもしれないが、Bardと検索の両方を持っているGoogleの優位は続くのではないかと思う。ただし最悪を想定しておくと、MicrosoftとGoogleの2つが検索市場を2分していくのかもしれない。
自分なりの結論
Funメーター
買い:⭐︎7/10 買い増し狙う価格 90$割り込み(100$以下でもかなり安い)
現在は短期的には売り上げや利益などが落ちてしまっており、その結果株価も低下してきている。また法規制や政治からの圧力、ChatGPTを代表例とする生成AIのような新しい技術の台頭はあるものの、Googleのもつ検索市場におけるシェアの強さや基本無料で高機能なサービスの数々があり、多数の新規参入は難しいように思える。またGoogleは早期からAIなどの革新的技術への投資を行っており、ここまで大きな企業になっても未だベンチャー的な性質を完全に失っているわけではない。長期的な視点でAIや漁師コンピューティングにも関わっているようで、これから伸びてくる産業にも必ずGoogleの存在感を感じられそうである。
自分としてはGoogleの株式はしばらく保持し、株価の回復・成長を待ちたい。また資金に余力ができ、かつ株価が90$を再び割り込むようなことがあれば、また積極的に買い増していこうと思う。
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