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ベンチャー投資アカデミーvol.2「TOKYO PRO Marketとは」

「ベンチャー投資の判断に役立つ情報や知識を学ぶ」をコンセプトにお届けする『ベンチャー投資アカデミー』。

note【公式】FUNDINNOでは、ベンチャー投資アカデミーの内容を要約してお伝えし、ベンチャー投資の魅力や中身を1人でも多くの方々に伝えていくことができればと思います!

今回は、第二回ベンチャー投資アカデミーのテーマであった『TOKYO PRO Marketについて』解説していきます!

TOKYO PRO Marketとは

株式投資型クラウドファンディング調達企業による新規上場の国内初事例として、2021年3月30日に琉球アスティーダスポーツクラブ株式会社が上場されました【TOKYO PRO Market】について解説いたします。

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先日、2021年3月30日に発表されました通り、琉球アスティーダスポーツクラブ株式会社が、TOKYO PRO Marketへ上場されたことが発表されました。株式投資型クラウドファンディング調達企業による新規上場は国内初となります。

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TOKYO PRO Marketは、東京証券取引所が開設している5つの市場のひとつで、唯一の「プロ投資家向け市場」です。TOKYO PRO Marketの前身は、2009年にできた東京AIM(エイム)という市場です。ロンドンにあるAIM(エイム)という大きなベンチャー市場を日本に導入したことが始まりです。5つの市場の中のTOKYO PRO Marketの位置付けとして、マザーズやJASDAQの上場のためのスタート台としてのマーケットともいえます。
なお、これら東京証券取引所の市場は、来年2022年4月に再編されることが報道されております。この再編に、TOKYO PRO Marketは含まれておりませんが、再編によって、より注目度があがるとも言われております。そんな、TOKYO PRO Marketについて、4つの特徴をご紹介します。

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特徴1として、TOKYO PRO Marketはプロ投資家向けの市場という点です。
『プロ投資家』とはこの表にあるように、
・金融機関や国・日本銀行などの特定投資家
・上場会社や資本金5億円以上の株式会社
・3億円以上の金融資産を持つ個人
・日本国内に住所や居住を持たない個人や法人
などになっております。
なお、一般投資家は、TOKYO PRO Marketで株式の買付はできませんが、売却は可能となっております。

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特徴2は、柔軟な上場制度となっております。
TOKYO PRO Marketへの上場は、他の市場に比べて株主数や利益の額など、上場時に求められる数値基準がありません。例えば、株主数ですが、100%代表が株式をもっていたとしても上場が可能です。
もちろん、上場時には、法律面・ビジネス面・財務面の審査はあります。その審査については、東京証券取引所から認証を受けた J-Adviserが上場適格性の有無を総合的に判断しています。J-Adviserについては、後ほど詳しくご紹介します。

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特徴3は、上場準備負担の軽減です。
監査証明が他の市場の場合は最近2年間必要ですが、TOKYO PRO Marketでは、直近1年間と短くなっています。これにより、上場へ向けての準備期間も他の市場に比べて短くなり、それに比例して上場準備費用も抑えることができます。
また、上場後、他の市場では必要となる、内部統制報告書や四半期開示などについても、任意となっており、情報開示規制などが緩和されています。

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特徴4は、J-Adviserという専門家集団による手厚いサポートを上場前から上場後まで受けることができることです。
左図で説明させていただきますと、東京証券取引所は、TOKYO PRO Marketの市場運営者となります。あわせて、J-Adviserが適切に J-Adviser業務を遂行しているかどうかを、個別案件だけでなく、定期的にもモニタリングしています。
そして、J-Adviserは、東京証券取引所に代わって、TOKYO PRO Marketの上場審査と上場後のモニタリングを行います。つまり、TOKYO PRO Market上場にあたり、いずれかのJ-AdviserとJ-Adviser契約を締結する必要があります。
具体的には、J-Adviserには、上場に向けた資本政策や社内体制整備のアドバイスだけでなく、上場後の資金調達やIR活動の支援、企業の成長をサポートする役割も求められています。
現在11社がJ-Adviser資格を有しています。

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TOKYO PRO Market上場のメリットを4つあげます。

1)信頼性や信用度の向上
上場企業であることの信頼性や信用度は大きなメリットになるかと思います。業務提携や顧客からの信頼など、ビジネス面でのメリットだけでなく、次に掲げる採用活動にも良い影響がでるのではないでしょうか。

2)優秀な人材の確保
優秀な人材の確保は、企業の成長に欠かせません。上場することにより、企業の信用度が上がり、採用力があがることが期待されます。

3)弾力的な資本政策が可能
流通株式比率の上場基準がないため、オーナーの持株比率を維持するなど、弾力的な資本政策が可能となります。

4)「昇格」に向けた登竜門
マザーズや JASDAQ などに比べて上場基準等は緩やかであり、 J-Adviser からのサポートを受けられるため、「昇格」に向けた登竜門として活用することも可能です。

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昨年7月、日本経済新聞で「東証プロ向け市場へ上場拡大」という記事が掲載され、近年、注目度が増しています。現在、TOKYO PRO Marketの市場時価総額は他の市場と比べて673億円でまだまだ小さいですが、先に述べたメリットなども注目され年々上場企業数は伸びています。

「TOKYO PRO Marketとは」についてご説明させていただきました。いかがでしたでしょうか。

ベンチャー投資アカデミーは、オンラインイベント『FUNDINNOみらい会議』の1コーナーとしてスタートいたしました。

↓今回ご紹介しました「TOKYO PRO Marketとは」を解説しました、第9回FUNDINNOみらい会議については、下記で詳しくお読みいただけます。

最後までお読みいただきありがとうございました。
では、また次回、ベンチャー投資アカデミーをお楽しみに!

追伸
イベントレポートはここでまとめ読みいただけます!

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