【マッチレビュー】国際強化試合2023静岡大会7/9 日本 vs チャイニーズ・タイペイ GAME2

7/8 GAME1のマッチレビューはこちら↓

スターター

ホーム:日本

アウェイ:チャイニーズ・タイペイ

1.ガディアガ・モハマド アル バシール
5.リゥ・ジェン
12.ジョウ・クウェイイー
21.リー・ダーウェイ
26.アルティーノ

試合展開とポイント

1Q

ピック&ロールからホーキンソンがアタックし、オープニングゴールを決める。チャイニーズタイペイはアルティーノがフリースローで決め返す。

日本のディフェンスは引き続きマンツーマンではあるが、サイドライン沿いの高い位置、ローポストではダブルチームを仕掛ける構え。この試合でスタメンに入ったアルティーノに対してダブルチームで厳しくプレスをかけ、ディフェンスからリズムを作る。

ディフェンスから試合の流れを作った日本は、入りのオフェンスが爆発。富永が3ポイントシュートを沈めれば、テーブスのペネトレイトから吉井がゴール下シュートを決める。さらにはテーブスのキックアウトから吉井が3ポイントを沈め、日本が試合の主導権を握ることに成功。

波状攻撃を仕掛ける日本は、テーブスのペネトレイト、富永のフェイドアウェイで加点。強度の高いディフェンスからチャイニーズタイペイのターンオーバーを誘発していき、吉井、馬場が連続でダンクを決めるなど、スコアを20-3してリードを広げる。

残り4分を切った場面でオールメンバーチェンジ。富樫、比江島、金近、井上、川真田がコートに立つ。オフェンスの流れが一時的に停滞するも、ディフェンスでは金近が連続ブロックを見せると、オフェンスにおいても、3ポイントシュート、リムアタックから得たフリースローを決めるなど躍動。

日本が26-7と大きくリードして1Qを終える。

2Q

日本は富樫、原、比江島、金近、ホーキンソンのスモールラインナップで臨む。ファストブレークからオフェンスリバウンドを奪ったホーキンソンがゴール下シュートを決めると、ペイント内から立て続けにホーキンソンがフックシュートを沈めていく。

メンバーを入れ替えても、ディフェンスでのダブルチームを徹底した日本は守備強度を維持し、1Qの良い流れを継続する。エクストラパスから西田が3ポイントシュートを連続で沈めると、ターンオーバーからのファストブレークでホーキンソンがダンクを決めに行く。

日本の高いプレス強度に対し、チャイニーズタイペイはアルバーシルのリムアタック、クワンチェンのポストプレー、リゥ・ジェンのミドルシュートで加点していくも、ポイントガード不在の影響は大きく、ボール運びで苦戦。日本は富永のカットイン、川真田のアリウープで順調に得点を積み重ねてることに。

主導権を握った日本が47-21とリードを広げ、前半を折り返す。

3Q

メンバーをスタメンに戻した日本。この試合で気を吐いた吉井がリムアタックからファールを貰いフリースローを決めると、富永もディープスリーを沈めるなど、後半の立ち上がりも幸先よくスタート。

前半で苦しい内容となったチャイニーズタイペイは、後半は流れを引き戻す。早い展開からフリーとなったアルティーノがゴール下シュートを決めるとギアを上げ、ディフェンスでは日本のターンオーバーを誘発。アルバーシルのアンドワン、ジェンの3ポイントシュート、アルティーノのインサイドプレーで立て続けに加点していく。

チャイニーズタイペイのオフェンスに対する日本のディフェンスの対応は、前半から引き続き徹底してサイドライン沿いでのダブルチーム。高い位置から大外へ圧縮するようにプレスをかけると、すかさず二人目がフォローに入り、インサイドプレーに持ち込ませない構えに。

3Q終盤には富樫のビハインドザパックパスから吉井のボスハンドダンクが飛び出すと、直後には富樫が3ポイントシュートを沈め、点差をつめさせず。クォーターのスコアは19-19と拮抗したものの、全体スコアは66-40とリードを大きく保ち、最終クォーターへ。

4Q

日本は富樫、須田、原、比江島、川真田のスモールラインナップで臨む。原のペネトレイトからのこぼれ球を、オフェンスリバウンドに入った川真田がフォローアップし、得点を決めていく。

日本は続けざまに、比江島のドライブインを中心に加点。しかしながら点差は開くもオープンな展開にはならず、両チーム共にファールがかさむことになる。

オフィシャルタイムアウト明け、日本は西田がプルアップジャンパーを沈めると、再び試合がテンポアップ。チャイニーズタイペイはジェンがリムアタックからファールを得てフリースローを決めると、日本は比江島が持ち味のステップインからレイアップ、さらには金近がファールを得てフリースローから加点する。

意地を見せたいチャイニーズタイペイは、アルバシールがタフなフックショットを決めると、3ポイントシュートも沈めこの試合18得点を記録するハイパフォーマンスを披露。

日本は比江島のキックアウトから須田がラストショットとなる3ポイントシュートを決め、最終スコア92-56で快勝。GAME1に引き続き、チャイニーズタイペイに連勝することとなった。

ボックススコア(2試合分)

7/8 GAME1

7/9 GAME2

大幅に減らした失点

GAME1…日本 108-86 チャイニーズ・タイペイ
GAME2…日本 92-56 チャイニーズ・タイペイ

GAME1では失点を少し気にしていたホーバスヘッドコーチ。GAME2では失点を56と、GAME1から失点を30点減らしてきたことに対し、今日は納得の様子。

ディフェンス面で特筆すべきは、やはり組織的に機能したダブルチームである。決め事としては、

・バックコートのエリア…サイドライン沿いで大外へ圧縮するようダブルチーム
・フロントコートのエリアではローポストに入ったらダブルチーム

シンプルではあるがこの決め事を徹底できたことが失点を大幅に減らした要因となったように見えた。

スモールラインナップ

GAME2において、スタメンのパワーフォワードに196cnの吉井を抜擢。セカンドユニットは、これまた201cm井上or196cmの金近をパワーフォワードに置くスモールラインナップを形成した。

208cmホーキンソン、196cm吉井
204cm川真田、201cm井上(196cm金近)

というユニットを中心にタイムシェア。渡邉飛勇が体調不良で不在だったことも影響してか、井上がベンチに下がる時間帯は2試合共に2mオーバーのセンター1人体制を敷くこととなった。

3ポイントシュートとペイント内の2ポイントを軸とするオフェンス面はともかく、個人的にはディフェンス面での懸念が若干あったものの、チャイニーズタイペイとの2戦に限って言えば、機動力を駆使した組織的ディフェンスが機能したと言えるのではないだろうか。

総評、雑感

オフェンスにおいては、ゴール期待値を重視したアテンプトを徹底。ロングツーを極力減らす意図は、今大会もしっかりと浸透していた印象。ワールドカップ本戦に向けても、このスタイルは変えず徹底して突き詰めていくことが予測される。

ディフェンスにおいては、ダブルチームを中心に組織が上手くかみ合い、機能した内容に。懸念があるとすれば、強度、フィジカル、サイズがより一層アップした対戦相手に対してどの程度同じように機能させられるか、という点。本戦に向けては、今大会ど同程度の機動力は維持した上で、サイズで上回る相手に対応することが求められていく。

引き続き、ワールドカップ本戦へ向けた強化試合に注視していきたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?