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3倍の値段なのにリピートするファンが多い理由は、味は当然として「見えない部分」にヒントがあるのかもしれない。

どうも藤見です。


すこし前になるんですが1ホール15,000円のチーズケーキがあるという話をメルマガでしました。

一人で1ホールも食べられないので、クライアント先のスタッフにも協力してもらってみんなで食べました。


もちろん味は抜群に美味しかったですし、1ホールでこれほど高額なケーキを見たこともなかったので、全員のテンションがもの凄く上がっていた記憶があります。


その後、しばらくそのお店のことを定点観測していると、「あぁ、何十年もファンが付くお店はココも手を抜かずちゃんとやってるんだ」ということに気付くので、今日はその話をシェアします。


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何十年もファンが居続けるお店がどこに手を抜かないのかというと。


ちょうどいいタイミングで季節のお便り(メルマガ)を出す


ということが一つあります。


これの何処がいいの?と言うと

まず普通に生活していると1ホール15,000円のケーキって年に何度も注文することはないと思うんですよね。

だから

1ホール1万円もするケーキの案内だけを受け取り続けても「毎回は買えないよ」ってこっちは思うわけですが、少し単価が低めの焼き菓子とか、ゼリーの新作などがお知らせメルマガとしていい感じのタイミングで届くんです。


ふと忘れた頃にいい感じのタイミングで届くもんですから、どーしてもメールに載っているお菓子(の画像)が気になってしまうわけです。


「今月はブルーベリーかー」とか「柑橘系のさっぱりパンケーキもいいなー」とか、「生姜を使ったクッキーもあるのね」とか。


忘れかけた頃にスッと届くメルマガに美味しそうな季節のお菓子が勧められているので、毎回ではないですが、タイミングが合うと購入して誰かに持っていこうかななんて思わせてくれます。


で、大事だなーと思うが。


この【タイミングが合うと】って部分だと思っていて、受け手にとって「タイミングが良い!!」と思わせるための適度な間隔でキチンとオススメ配信しているんだと思います。


人ってあることを脳が意識した瞬間から必要な情報を検索し始める生き物なので、たとえば「来週、姉の家族のとこに行くから何か手土産でも・・・」と意識したとすると、次の瞬間から「手土産になりそうなものはないかな〜〜〜」といった感じで無意識にネタを探し始めてしまいます。


すると、

そこにタイミングよくメールが届いて、そこには『帰省の手土産に・・・夏という季節柄、軽量で日持ちのする焼き菓子は手土産として大変使いやすいひと品です、うんぬんカンヌン・・・』と書かれいるわけです。


いろいろ考えるのは面倒だし、ここのお店のお菓子が美味しいのはすでに知っているので、かなりの確率で「よし、これに決めた!」となりますw(実際そうなったのが私です)


そのお店の味はすでに知っているので味の心配をする必要はないですし、わざわざ他のケーキ屋さんに足を運んで試食をして・・といった工程が全部省略できます。


購入に至るまでの労力が小さくなるのは色んな意味で楽ですよね。


この時はたまたま人に会う少し前にこのメールでお知らせを受け取ったわけですが、実際にはスルーしたオススメお菓子も当然あります。


ですが、その時はタイミングではなかったというだけです。


案内を受け取った時がジャストなタイミングだったというだけのこと。


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新規客は1度しかそのお店で購入をしていないお客のことですが、2回目3回目と購入回数が増えるにしたがってお客の心の距離はお店に近くなります。


ものすごくシンプルな言葉で「ファン化」って呼んだりするやつだと思います。


高単価でも一定数のファンが付いているお店ってこういったところにも手を抜かずちゃんと新規客をリピートさせる下地が作れているんだなーって思います。


これすごく大事だなーと。


買って!買って!買って!と相手が感じるようなメールを送り続けたら当然嫌われますが、相手の頃合いをみて季節ごとのオススメのお菓子をさり気なくアピールするメールが来る。


こうして(今回のように)二度目の購入チャンスが生まれる。


一度このサイクルに組み込まれたら、次はチーズケーキじゃなくてチョコレートケーキ(これも1ホール1万超えるっw)を買ってみようかな、なんて思う自分の心理にもさほど違和感がなくなってきます。


購入単価もアップしていきます。


ただ単にケーキの値段が他よりも高いだけじゃなく、こうしたド直球なマーケティングをちゃんとやっている。

適度に思い出してもらう仕掛けがしれーっと置かれている。


なんだかすごく学ぶところ多いです。
異業種から学ぶべき典型例だと思います。


追伸:


実は、いろんなところでこのケーキ屋さんの話はしていて、「1ホール1万円超えるケーキ屋さんがあるんだよ〜!」って人に紹介するんですが 「味は自分好みじゃないとか」「これなら他の店で買う」とかケーキそのものに対しての賛否で意見してる人がほとんどなので残念です。

甘いとか甘くないとか柔らかいとか固いとか。


そんなことを気にしてもらうために紹介したわけじゃないんだけどな〜っていつも思ってて。


じゃあどうして紹介したのかと言うと・・・


1ホールがこんなに高額なのに固定ファンが多いのはどうしてだろう?

競争の激しいスイーツ業界で何十年も続けてこれた理由ってどんなだろう?



こーゆー視点で考えられた方がいいと思うですよね。

味が美味しいのは当たり前として、それ以外に平均よりも高い価格で勝負しているお店って他店からは目に見えないどんな施策をやっているのかな?と。


こういった視点で定点観測するとすごく参考になることたくさん見つかりますからね。


そこで得た参考材料はもちろん介護業界でもすぐに応用できると思いますし。もちろん結果も出しやすくなると思います。

ここまで読んでくださってありがとうございます!