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意識して美術館へ行くようになった

本日、東京都美術館で開催されているフェルメールと17世紀オランダ絵画展へ行ってきました。とってもよかったです。

中年の危機と芸術

20代くらいの頃は多感で、いろいろとアート展示に行ったりしていたのですが、30代はそういうものから疎遠になって、40代でまた回帰してきました。

30代後半〜50代は、発達プロセスにおいて「中年期危機」といわれ、いろいろあるお年頃らしく、身体的な衰えやライフスタイルの変化から、アイデンティティの再確立を試みるような時期らしいですね。

自分もなんとなく「老後はこんな感じで生きたい」という目標に向けて、行動を変えている節があり、その中で「本物の芸術作品を生で観たい」という願望が強くなってきました。

美術に関しては、少しづつ本を読んだりして知識を増やしていますが、美術館の展示はそういう意味でとても効率がいいなと思います。

展示は文脈を教えてくれる

古典作品であると、当時の文脈(どういう場所で、どういう人たちが活躍していて、どういう作風が流行っていたのかとか)をわからないまま作品だけ見ても、「いい絵ですね」くらいの感想しか正直でてこない。

美術館の展示は、芸術に明るくない人でもわかりやすいように関連した作品群を並べて、説明をつけて、比較できるようにしてくれたりするので、本で読んだりするよりもずっと簡単に理解が進むので入門としても手っ取り早いように思う。

今回の「17世紀オランダ絵画展」の話題性はなんといっても、フェルメールの有名な絵が、実は本人以外の手で書き換えられていて、それを修復したら全然違う絵になったということで、賛否いろいろあるわけです。

そもそも誰がどういう理由で有名なフェルメールの絵を描き換えるのよ?というシンプルな疑問を抱いていたのですが、観終わるころには自分が現代人の視点でしか物事をみていなかったことに気付かされました(気づきたい人は見に行ってください)。

そういう気づきがあったのも展示が文脈を説明するように作品を並べてくれているからだと思います。

本物は脳によく刺さる

インターネットで画像や動画を見て、本物と違わぬ情報を得ていると、どこか勘違いして奢っていたところがあるなということを、本物の芸術作品を観ている時に感じます。

もちろん素人なので真贋はわからないけれど、油絵は立体的で、いろんな角度から見ることで光の当たり具合を変え、情報の変化を楽しむことができるし、目の前の絵が数百年の間、人類が保存してきたものだという希少性が認知バイアスとなって、自分の脳の注意力が容易に高まります。

意識高い感じでいうなれば「質の高い体験ができる」という感じでしょうか?雑にいうと、権威的な認知バイアスのおかげで脳によく情報が刺さりますね。

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