見出し画像

【ふなログ642】初の集団研修登壇!「セリフは一度忘れろ」から得た気付き


昨日の午前中、
初のJavaプログラミングの集団研修に登壇しました。
20人の生徒さんの授業です。

福岡にある某情報系専門学校の授業で、
1学期と2学期、
つまり夏休みを挟んだ4月〜12月の案件になります。
しかし、オンラインでzoom講義になります。


もう、生徒さん皆お若い!(当たり前か)
普段のマンツーマンの授業でも、
お若い生徒さんをお相手にすることもあるのですが、
今回は多分20歳にも達していない生徒さんばかり。


それが、
私1人vs.20人何だから、
私はbreakingdownの「10人ニキ」
ならぬ「20人ニキ」なのかとw
(なんでも対戦に喩えたがる傾向アリ)

そりゃもう、
普段使わない頭をフルに使いました。


最初の授業だし、9:20から始まるので、
中には画面越しにあくびしまくっている生徒さんも居たり、
遅刻して来られる生徒さんも何人か居たり、
半分怯みそうになりましたが、
いかに「参加して頂くか?」を頭フル動員して考えました。


zoomで20人ギャラリー表示させながら、
なるべく多くの人に話しかけて
ラポール構築(信頼構築)から始める。

いきなり一方的な授業だと、
多分途中で寝る人は寝るだろう。。

20人も居れば、
1人1人の学習習熟度やモチベーション、
リテラシーもバラバラ。
話しかけながら、どんな人が居るかを確認しつつも
モチベーションやリテラシーを確認していく。


こういう言い方は大変失礼なのを承知の上で、
おおよそ「下の方の人」を大体イメージしながら、
授業のペースを調整しつつ進めていきました。

複数人数のペーシングは、
かなり難しいので…

1対多数の授業やセミナーはもちろんのこと、
情報発信を行うときは、
「特定の誰か」に向けていくのが良いとされています。


なぜなら、全員に向けて発信すると、
当たり障りがなく、
何を言いたいのか分からない
発信内容になってしまうからです。

よって、
今回の授業の性質を考えると、
言い方悪いのを承知の上で、

「上の方の人」に合わせると
大多数の人が置いていかれるようになり、

「下の方の人」に合わせると
伝わる範囲が広がって、合致しない人が減ると思われる。


という仮説の元でやってみて、
なかなか上手くいったかなと振り返ります。

今回私も結構緊張し過ぎたので、
次回は「大喜利」のような
アイスブレイクを入れようか思案中です。
(半分冗談、半分本気で)


ところで今回、
それなりに準備して臨んだつもりでしたが、
それでも予想外のことは発生しまくりました。

zoomで画面共有しながら20人全員の様子を見るために、
そばに置いているiPadをサブディスプレイにして、
iPadにzoomの画面を置いて、
PCの画面ではテキストや
開発環境を表示して操作して説明したり。


出欠を取る資料を開きながら、
zoomを見て出欠を取ったり。

画面をあちこち操作して、
同時にあれこれやろうとしたり。
…俺は、
自他ともに認めるシングルタスク人間だっつーの(笑)


それはそれとして、
「準備しても準備が足りない」という不安に襲われる。
敵前逃亡したくなる。
という感覚も今回味わいました。


ちょうど良いタイミングなのか、
授業終了した後に、
昨日の日経新聞の夕刊を呼んでいたら、
一面の「あすへの話題」
というコラムの文章が目に止まりました。

俳優の長塚京三さんの
「セリフは一度忘れろ」というタイトルでした。


俳優の大先輩から、
「加齢による記憶力の低下でセリフの覚えが悪くなっている」
というボヤキを聞きながらも、
危機的状況を切り抜けられるというエピソードでした。

しかし驚くことに、数回NGを出しただけで、いやNGなど出さずとも、大抵の老優は、うそのように速く立ち直るのだ。
崖っぷちに立つことが、記憶力ばかりか芝居心まで刷新するのだろうか、セリフも、今までにない清新さで蘇る。そうか、先人が遺したという禅問答のような箴言「セリフは一度忘れろ」とは、このことだったのか。進んで危険に身を差し出す、究極の「捨て身技」のことか。
あのボヤキは何だったのですか、先輩。

日本経済新聞2023年4月22日夕刊「あすへの話題」


オチもなかなか秀逸で唸らされました。

これ、本番に向けて準備や練習を繰り返しながらも、
失敗と隣り合わせの本番の舞台に立って
失敗する不安と闘いながらも、

その本番で、
準備したことが何かしら
予期せぬエネルギーを宿して
発露するような感覚に似ている、と感じました。

似ているかどうか分かりませんが、
準備や練習の末に、そこに固執することを一旦手放すと、
アドリブが利くと言うか。


私の初の集団授業の件と、
百戦錬磨のベテラン俳優のこの気付きを重ねるのは、
おこがましいと思いながらも、
膝を打つような感覚になりました。


そういえば、
高校生の時の吹奏楽部の演奏会で
似たような感覚を味わったっけ。

仕事でも、
顧客へのプレゼンや交渉でも
同じ感覚を味わったこともありました。


準備や練習は当たり前だとしても、
そこにガチガチに固執しても良いものは生まれない。

本番で一旦、
これまでのことをパッと手放すような感覚でしょうか。

「もうここまでやったから、あとは身を任せる」
そんな感覚です。


・・・ちょっと、
先ほどの長塚京三さんの記憶力の話と、
少々ニュアンスがズレているような気もしますが、
本番で「セリフを忘れろ」で気付いた件になります。


20人相手の授業は、かなり緊張しましたし、
焦りもしましたが、終わってみれば
「身を任せて」良かったし、
新たな能力を開花できるような予感にも包まれました。


本番、勝負事。
人によって色々な場面があるかと思いますが、
何かしらご参考になれば幸いです。


それでは、
今日も素敵な1日をお過ごしください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?