嘘日記(2日分)

マストドンに書いたものの続かなかった2日分の嘘日記をこちらにも転載しておきます。

某月某日

起きたら朝。
僕の家の、道路を挟んだ向かいに小学校がある。自室の窓からはちょうど校門が見える。児童の間では「けんけん登校」が流行っているらしい。自宅から校門まで、片足で跳びながら登校するのだ。ここ最近は朝になると、子どもたちがぴょこぴょこ片足で跳ねながら校門へ吸い込まれていく。途中で両足が地面についてしまうとダメ。両足で歩いてくる子たちは皆、顔に悔しさをにじませている。片足でぴょこぴょこ追い抜いていく男子が、両足で歩く同級生に「ヌヌマぁ、今日徒歩じゃん」と話しかける。ヌヌマと呼ばれた子が「ファミマのところで足ついちゃった」と応える。「やっぱりあそこのファミマ、難しいよなぁ。坂だし」と言いながら男子が校門に、ぴょこぴょこ。

仕事は一日、暇だった。職場の人と、「冬の海にいるクラゲは体温が0℃下回ってそう」という話をする。

仕事帰り、駅から家に向かう途中で、今朝ヌヌマと呼ばれていた子とすれ違った。ヌヌマは四つん這いになって素早く移動していた。「四つん這い下校」も流行っている。

帰宅後、料理しながら「クラゲには"片足"って概念が無さそう」と思う。夜になったから寝る。

某月某日

起きたら朝。
テレビを付けたら、「今日の干支占い」が始まって、干支のメンツが決定したときの逸話のように、それぞれの動物のキャラが競争をしている。僕は申年なのだけど、序盤につまずいて転倒し、そのまま画面から消えてしまった。
「今日の最下位は……、ごめんなさ~い、申年のあなた。何をやっても上手くいかない一日。遅刻には気を付けて!ラッキーアイテムは、小麦粉を水で練ったもの」
それでラッキーになるならと、小麦粉に水を混ぜて夢中で捏ねていたら、家を出なければいけない時間を大幅に過ぎていた。

遅刻して出勤し、上司に怒られる。上司は怒ると鼻の穴が大きく広がるのだが、マスクを着けているとそれが見れなくて寂しい。
今日は本当に何をやっても上手くいかない日で、頑張って作った「妖怪・小豆洗いの目撃情報」の資料のデータもうっかり消去してしまった。長野や新潟でよく目撃されたはず……と思い出しながら作業してたら、もう退勤時間。

帰宅後、今日一日持ち歩いていた「小麦粉を水で練ったもの」を使って、すいとんを作って食べた。全然美味しくなかった。何もうまくいかない一日だった。夜になったから寝る。

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