#恋人を喪った安田短歌 十首連作 「デートコース」
最寄り駅にて待ち合わせするための目印として白き慰霊碑
話すとき携帯も時計も見ずに僕もあまり見ない人だった
込み入った注文をするあの声を思い出せずにただのコーヒー
「無糖」っていうかそもそも糖の無い状態だったはずだ最初は
すんなりと告げる舌先われながら呆れて笑う「おとな一枚」
握る手を探してしまう僕にさえ光を注ぐプラネタリウム
あの日からもう一年が経つことを秋の星座の解説で知る
思い出をなぞる休日 新品の風景にまだ揺るがされるか
イルミネーションは途切れずいくつかのひどい事実を誤魔化している
別れ際なんて無いのはわかってるけれど一応「じゃあ、また」と言う
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