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2月6日〜13日 第7巻 『寒月六間堀』

2月6日

昼から神保町のらくごカフェに行く。店が入っている神田古書センタービルの裏口からものすごい行列ができていた。何事かと思ったら、どうやら同じビルに入っているカレー屋がテレビで紹介された影響らしい。メディアパワーおそるべし。

らくごカフェで『二ツ目勉強会 やっちゃう?!』。若手4人が毎回テーマに沿ったネタを披露する会だ。今回のお題はアナザーサイド。普段と違う一面を見せる、ということで、古典派が新作をやったり、逆に新作派が古典をやったりと、面白い会になった。彦三さんはナツノカモ作品の現代を舞台にした新作で、作品のトーンが口調にしっくり合っていたので、他のネタもできそうな気がする。ぐんまさんは初見だったのだが、普段は新作を多くやっているところを今回は笑いなしで「鰍沢」。特に雪の中での寒さに震える感じがしっかり出ていて迫力あった。鰍沢って雪山スリラーなんだよなぁ。ぐんまさんは本領の新作のほうも観にいきたくなった。

今日は一日ねむかったのもあって、帰宅したらほとんど横になってぼんやりとしていた。なんとなくテレビをつけたら、サザエさんが財布を忘れたまま買い物に行く話だった。オープニング通りの展開になることあるのか。

2月7日

仕事はちょっと落ち着いていて、夕方からは会社の新年度キックオフイベントがあったこともあり、業務は早めに終わった。周年記念で会社のロゴの焼き印が入ったどら焼きをもらう。中に栗が入っているやつで嬉しい。会社の今期のテーマが前期よりも後退しているのでは、という印象は拭えず。

男性ブランコが3月にもライブをやるらしくて、ものすごいペースだな、となって、2月のライブ配信のアーカイブ動画を買った。早めに見なければ。

2月8日

うたの日の題詠で作った歌がTwitterで結構いいねをもらっていて、もしかしたら過去作ではいちばんいいねがついているかもしれなかった。自分としてはお題をどのように取り扱うかで一か八かのアイデア(もしかしたらすでに誰かやっているかもしれない)だったので、とりあえず反響がよくてうれしい。単純に毎日うたの日に参加すると、フォロワーが増えるんだな。できれば今年は毎日一首は作りたい。

ブルックリン・ナイン-ナインの新シーズンが始まって、Netflixで観始めた。前シーズンを観たのがかなり前なので、どういう流れでホルトが巡査に降格しているのか思い出せない。しかし、もはや実家のような安心感があるドラマだ。

夜は先輩とLINE飲みしてここ最近の近況とか、映画や本の話をだらだらする。今年は文フリに参加するし、色々生活環境を整えたり、英語の勉強もちゃんとやりたい、短歌も地道に作りたい、などと話していると、今年の僕は結構すでに楽しそうだしやることがいっぱいあるなと思う。終わり際に、「僕、もうすぐ誕生日なので、もう20代の僕を見るの最後かもしれませんよ」と言ったら、「3月21日が誕生日なら、それまでにたぶんもう一回くらいは飲むでしょ」と言われた。そうかも。

2月9日

コロナの影響もあってか仕事がだいぶ暇。

夜は配信アーカイブで男性ブランコのコントライブ『ヘッジホッグホッジグッへ』を見る。がっちり作り込み系だった『てんどん記』と比べると、全体的にライトなテイストで気楽に見れる感じ。平井さんの「ズンドゥブ」手拍子がリズムとぬるぬるした動きが相まってずっと脳裏に焼き付いている。スンドゥブ、スンドゥブ。

2月10日

Twitterではみんなサイゼリヤの話をしている。
にわかに仕事が放り込まれてきていて、週明けが忙しくなりそうで憂鬱な気分。とりあえず進められるだけ進めて帰る。とっとと三連休だ三連休。

帰ってからママタルトの『劇場版まーごめドキュメンタリー まーごめ180キロ』アーカイブ配信を見た。思ったよりも直球のドキュメンタリーで、芸人シェアハウスでの朗らかなイメージと違い、実はキツい思いをした学生生活、ギクシャクしている親子関係(実家に帰ったシーンのピリピリした空気感!)、ままならない恋愛など、がっちり大鶴肥満の人生を捉えた作り。「友達よりも非友達(いじめっ子)の方が多かった」学生時代を経て、お笑いの世界にたくさん友達ができたのだとわかる終盤のインタビューシーンの畳み掛けがよい。ずっとふざけきっている真空ジェシカ・川北だってちゃんとママタルトのTシャツを着ているのだ。もちろん笑える場面もたくさんあって、ハンドクリームの匂いをずっと「味」と言い間違えるくだりは腹を抱えて笑ったし、公園の遊具と肥満の組み合わせはとってもキュート。お笑いがあって、そしてビッグマックがあって本当によかった。

2月11日

『ブルックリン・ナイン-ナイン』の新シーズンを最後まで見終えて今回もごきげんで楽しかった。

夕方から浅草へ。木馬亭にいくのはたぶん大学生の頃に一度、定席興行を見て以来じゃないだろうか。今回は玉川太福さんの独演会で、『明石の夜嵐』と『陸奥間違い』という古典に加え、渡辺篤史の建もの探訪風にサウナを紹介するといういい感じなバカバカしさの新作。陸奥間違いは落語で一度聞いたことがある気がするが、これって外様と直参っていう武士たちのポジションも絡んでくる話だったのだな、と再発見する。

夜は金ローでやってた『クール・ランニング』を観て就寝。

2月12日

あまりに眠くて昼過ぎまで縦になれず。ようやく起き上がって家を出る。新宿の紀伊國屋やらブックファーストやらでフェアのブックリストを収集。

六本木の蔦屋書店まで出てみるも、結局何も買わず、渋谷のユーロライブで渋谷らくご。ここ数ヶ月通っている柳家緑太さんの回だ。後輩たちのエピソードや、駄菓子屋で出会ったピンボール名人の女の子の話などたっぷりしてからネタは「道灌」。枕で後輩が道灌をうまく出来なかった話をしていたのに、緑太さんも途中でネタが飛ぶハプニングが発生。思い出しつつ「自分が忘れるなんて皮肉だねぇ」と作中の登場人物のまま話していたのが可笑しかった。

2月13日

天気が悪く、気圧のせいか結構しんどい。外へ出ていくつか本屋を回るも、結局何も買わずに撤収してきた。

電車内で鬼平犯科帳を読む。今回は珍しく盗賊も火付けも出てこない話。平蔵が出会った老武士・瀬兵衛は長年に渡り、息子を殺した仇を探していた。ようやく仇に巡り合ったものの、年老いた今の状態では太刀打ちできない。加えて、父兄の敵討ちと違い、息子の敵討ちは江戸の法律では「変則」扱いで、いわば違法行為なのだ。事情を知った平蔵は素性を伏せたまま、瀬兵衛の敵討ちに協力する。たまにある、平蔵がアウトローな方へ加担してしまう系の話だ。瀬兵衛は一見すると弱りきった老人で、涙もろく、本来なら血の気が多いタイプではない。読んでいて「この人、ちゃんと敵討ちできるんだろうか……」と心配になるのだが、クライマックスでは見事に成し遂げる。ラスト、江戸を去る瀬兵衛に「巡礼に報謝いたす」と言って財布をやる平蔵が粋だ。そういえば、『泥鰌の和助始末』もこのエピソードも息子の敵討ちをする父親の話だった。こういう並びにしているのもあえてのことなのかしら。

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