5月18日~25日 第9巻 『浅草・鳥越橋』
5月18日
作業用BGMはゲスの極み乙女。「丸」と、トリプルファイヤーのライブ音源。作業スピードがテキパキするのでよい。
先に通販対応したフォロワーさんのもとへ歌集が到着した。ラテさんが感想ツイートしてくれてて、特にnoteで公開してた連作「さみしさ・なくす・システム」が、歌集内では「さみしさなくすシステム」(新しいバージョンでは中黒を取ってる)として大幅に収録歌を変えたところに驚いてくれてよかった。SNSや画像加工などを題材にしたデジタル寄りの前バージョンに比べて、新バージョンは人との繋がりにフォーカスが変わっていて、それはコロナ禍を経たことによる人との距離感の変化によるものなのでは、という指摘が面白かった。ラテさんは自分の論文のエピグラフに僕の短歌を使ってくれたりと、以前から僕の短歌のことは贔屓に(?)してくれていたので、歌集の形で届けられたのが嬉しい。
山本ぽてとさんの歌集を頒布することも情報解禁したし、いよいよ文フリへのムードが高まってきた。
5月19日
パソコンに疎い営業は、画像素材を指定するときにデータに名前ではなくて「420KBの画像と、564KBの画像を差し替え」みたいな感じで、データサイズの方で指定してくるのはなぜか。この会社に入ってから2人目だぞ。
夜は『シン・ウルトラマン』。怪獣バトルの場面や、あるキャラクターの登場の仕方など印象的な場面、楽しい映像も多いが、『シン・ゴジラ』を見た時と比べると、そんなにノレずに終わった印象。ウルトラマンほど作中の人間を好きになれないままクライマックスに行ってしまった感じがある。個人的には有岡大貴が好演していてよかった。自分が今まで積み重ねたものが(その延長には人類が積み重ねたものがある)通用しないことへの無力感を湛えた表情とそこからの再起。
5月20日
前日レイトショーで帰るのが遅くなり、寝るのも遅かったので1日低調。今日はもう一人のライターさんがおやすみなので一人体制だ。「うー」と言いながらとりあえずその日の作業はやっつけてしまう。
本屋lighthouseさんに『雑談・オブ・ザ・デッド』が入荷されたというツイートあり。とうとう本屋さんで売られ始めてしまう。最初にポッドキャストに呼ばれた時にはまさかこんな展開になるとは思わなかったなぁ、と事あるごとに驚いてしまう。
5月21日
気圧のせいか猛烈な眠さに襲われて、ほぼ一日睡眠。合間に見た「タモリ倶楽部」が漫画のスクリーントーン特集で、トーンを貼ってカッターで余分なところを切り外していく手捌きの見事さと、興味津々かつ楽しそうなタモリの様子を見られていい回だった。
5月22日
昼から鈴本演芸場へ。二つ目に上がった後輩の昇進祝いのプログラムでもある。トリの馬石師匠をいい席で観たいと思って高座の正面に座った。で、公演が始まってから「しまった!」と思ったんだけど、この前のお祝いの会で後輩から「以前、ネタ下ろししようと思って高座に上がったら、たまたま先輩が客席にいるタイミングで、それに気づいて焦ってネタが全て飛んだ」という話をされたところだったのだ。それなのに、真正面の目線に入るところに座ってるのって、かなり嫌がらせみたいな感じじゃないか。完全にうかつだった。後輩には悪いことをしたなぁ。後輩は緊張した感じはありつつも深い時間で頑張っていた。久々に見た三三師匠が巧みかつ抜群に面白くて、独演会とか都合が合えばいきたいなぁと思う。志ん輔師匠も久しぶりで、朗らかな高座がよかった。馬石師匠はネタ出しの「品川心中」。ほどよく軽みがあって、特に博打の手いれが入ったと思って慌てる長屋連中のくだりが楽しい。
終演後、客席に来ていた他の後輩とご飯に行く。和ビストロのお店。青く髪を染めた女性店員さんが日本酒好きらしく、こちらがお酒を頼むとちょっとテンションが上がる。オススメメニューらしい、分厚いチャーシューを頼んだ時にもちょっと嬉しそうだったのが可笑しかった。最近の話や、「末広亭どうなるのかなぁ~」という話。「イーロン・マスクが末広亭を買い取ったりしませんかね」と後輩が言って、そこから誰が末広亭を買ったら面白いか、みたいな雑談をした。
山本さんが今度のZINEの宣伝のためにブラウザゲームをリリースしていて、帰りの電車で後輩たちと横並びに座りながらポチポチ遊んだ。じゃがいもの品種を揃えていく神経衰弱ゲーム。シンプルだけど、妙にやり込みたくなるバランス。
結局、家に帰った頃にはもう日付が変わってしまっていた。
5月23日
ポイエティークRADIO、柿内さんが事前に気になっているブースを紹介する回。自ブースの宣伝中に僕の歌集タイトル「傑作」というワードが発せられて、二人で収録した宣伝回でも言ってたのかもしれないけど、僕がいない場で発された「傑作」を聞いたのは初めてだった。ペラっとした響きで良いな。
雑談・オブ・ザ・デッドが名古屋のON READINGさんでも取り扱いスタート。Instagramでも宣伝されていて、なんと本文から僕の発言が引用されている。まったくそんな意識はなかったんだけど、改めて引用されると、「割と自分っていいこと言ってたんだな」と思う。「誰が買ってくれるんだろうか…」と柿内さんと共に心配がっていたが、取り扱い書店さんでの紹介のされ方を読んで、少しずつ「ある程度面白い本になったっぽいぞ」という自信が増してきている。
録画していた『鎌倉殿の十三人』は義経の最期の回。義経が叶わぬと知りながら鎌倉を攻める作戦を嬉々として語るシーンにグッとくる。
5月24日
『雑談・オブ・ザ・デッド』の予約分の発送はもう始まっているらしく、すでにフォロワーの神無さんがフラゲツイートをしてくれた。早々に買ってくれてありがたい。これからじわじわと感想がSNS上に出てきてくれるだろうか。その時になって僕らもこの本がどういうものだったのかようやく理解するのかもしれない。
「ぽてと元年」宣伝用のぽてと神経衰弱ゲームに「隠しステージ」が存在することが、やり込んでいる人のツイートで明らかになった。登場するじゃがいもの品種が増えるらしい。なんでそんなに面白いんだ。
5月25日
行きの電車で鬼平を読み進める。賊の引き込み役として、越後屋に潜入している仁助。ある日、昔からの仲間である定七から、一味の親分・瀬兵衛が仁助の妻・おせいを寝取ったと聞かされた。自分が目を離した隙に不倫が行なわれたことに、仁助は怒りと失望を覚えるが……。実は不倫の一件は定七がついた嘘。仁助に瀬兵衛を裏切らせ、自分が懇意にしている別の親分の仕事に引き入れようとしたのだった。で、いつもの鬼平パターンで、この企みを密偵・粂八が営む店で話したもんだから、平蔵たちの知るところになってしまう。タイトルの鳥越橋は、小さい橋が2つ並行してかかっているらしく、仁助がそこで瀬兵衛を見つけたところでクライマックスの凶行へ転がり込んでいく展開が見事。この場面はサスペンス的で、脳内にばっちり映像が浮かんでくる。池波のこういう、アクション的・映像的な見せ場の作り方と描写は本当にうまい。
今日は給料日。先月は何かと出費が多かったので、なんとか助かった。家賃を振り込み、空き時間で文フリにあったら便利そうな備品も買っておく。お釣り用&自分の買い物用の小銭と千円札を準備し終えて、全てかばんにまとめたので、とりあえず文フリ当日への下準備は全て完了したはず。当日が楽しみな一方、出店側でちゃんと参加するのが初めてなこともあり「不安だから早く終わってくれ~)という気持ちも結構ある。
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