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039.日記(4月28日)

4月28日

7時前に目が覚める通常運転。
DVDで『タンポポ』を観る。めちゃくちゃ楽しい映画。冒頭、役所広司が観客に向かって鑑賞マナーを語るのに面食らいつつも引き込まれる。亡き亭主が残したボロボロのラーメン店を切り盛りする女主人・タンポポと、ラーメンにめちゃくちゃ詳しいトラック運転手・ゴローがラーメン店を建て直していく物語を軸にしているんだけど、なぜか西部劇風なのが可笑しい。合間に挟まる食べ物にまつわるスケッチも笑えるし、蘊蓄やこだわりは食を楽しんでこそであり美味しさそっちのけになってはいけないよねー、というのを皮肉まじりにユーモラスに描いていて小気味いい。ゴローを演じる山崎努がめちゃくちゃカッコよくて、特に店の名前を付けたシーンの正面からのショットが最高。伊丹十三監督作品、他のも観たくなった。

お昼は昨日のアボカドとサーモンをめんつゆに漬けたやつで軽く済ませて、録画が溜まってた『いだてん』を3話分観る。ストックホルムを去るところまで。失敗から再び立ち上がる清々しさ。まぁ四三の日射病からの敗退と、酒飲んで高座に上がった志ん生を重ねちゃうのは微妙な気もするけど、「富久」という演目が走るという仕草だけでなく、「多くのものを失った男がそれでも最後に素晴らしいものを得る」という話としても四三の物語に響いてくる造りなのは面白い。あと、今朝見た『タンポポ』に続いて、こっちも役所広司が出てる。かなり年数が経ってるとはいえ、重厚で快活な嘉納治五郎と、女と食べ物を使ったプレイに耽る白服の男を同じ人物が演じてるとは思えないな。そういえば『シャブ極道』と『Shall we dance?』って公開年同じなんだよなぁ。恐るべし役所広司。

夕方はフォロワーの方にご案内してもらって、後楽園ホールで初めてのプロレス観戦。映像で見たり、プロレス好きな芸人さんのトークとか聞いたことあったりして興味はあったんだけど、実際に試合を観るのは初めて。
スポーツ観戦も久しぶりな訳だけど、やはりお客さんのどやどやとした熱気が開始前からあって、客席に座ってるだけでも高ぶってくるものがある。
チケットはリングの正面あたりの見易い席を取ってもらっていてありがたかった。リングの下にスポンサーの広告が入っている。ペット葬儀の会社だ。
いよいよ試合開始、タッグマッチ3戦からの公式戦5戦だったんだけど、これがめちゃくちゃ面白い上に情報量がとても多い。
まず、なんといっても半端なくでかくて強そうな男たちが時にぶつかりあい、投げ合い、叩きあう様を眼前で観る迫力足るや。あんなでかい人が横っ飛びで蹴るのとかだけでも見ごたえがスゴい。
更に戦いではありながら、それぞれの見せ場を作らなければいけないショーとしての側面もあるという虚実のぐらつくところだからこそ出てくるリアリティーにアツいものを感じる。「うわ……、この人、マジでキレてるのでは……」みたいな空気がビンビンに伝わってくる感じ。
タッグマッチとなるとあちこちで同時多発的に色んなことが起こるのも面白いし、それぞれのキャラクターも楽しい(ヒールレスラータッグの中に一人だけ礼儀正しい奴がいる可笑しさとか)。
帰りにラーメンと餃子とビール食べ飲みしてから解散。その間もずっと僕は「うわぁ〜面白ぇ〜」ばかり言ってた。

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