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6月25日~28日 第21巻『麻布一本松』

6月25日

寄席のサイトを見たらいい感じの顔付けだったので、池袋演芸場の昼席へ。ところが、サイトでは最新の代演情報が反映されておらず、トリの白酒師匠も代演。ちょっと残念だったが、代わりのトリが馬石師匠という好きな落語家さんだったのは不幸中の幸い。全体的に楽しい寄席で、特にきく麿師匠の「寝かしつけ」からの風藤松原の漫才はどかどかウケる。「三人無筆」「へっつい幽霊」など、これまで生で観る巡り合わせがなかったネタとも出会えた。嬉しかったのは、本当に久々に権太楼師匠を観れたこと。年齢を重ねたのと病気を経たのもあってか、以前観た時よりも身長が低くなってぽっちゃりされていたが、落語のパワーは変わらず。たっぷり枕を振ったらネタをやる時間が短くなっちゃって「つる」を5分でやったんだけど、とにかくウケまくり。権太楼師匠はまたしっかり長いネタも観に行かないとなぁ。トリの馬石師匠は「品川心中」。このネタ、名前はカッコいいんだけど実はドタバタ喜劇。軽みもあって、キャラたちのリアクションが楽しい一席だった。

夜は『だが、情熱はある』最終回。ドラマ化が決定した後のこともドラマ化し、現在につないでサラっと幕を閉じるいい終わり方。

6月26日

仕事を終えて帰宅後、区民プールで久々に泳いで運動不足解消でもしようかな、と歩いて行ったら、急な設備点検で当面の間は使用停止、と書いてあって、しょんぼりして歩いて帰ってきた。アジカンの『ワールド ワールド ワールド』を流しながら、溜まっていた日記を書く。『ワールド~』は高校時代によく聴いていて、今聴いてもとっても好きなアルバムだなぁと思う。

6月27日

仕事の合間の昼休憩で、会社の近所のデカい本屋に行って「スピン」の最新号を買った。今回の表紙は紙がつるつるしている。群像をまだまだ読む日々は続くので、「スピン」は当分積むことになりそう。「ねむらない樹」も「ことばと」もバックナンバーを積んでいる。

昨日に続き、アジカンを作業中に聴いていて、今日は『フィードバックファイル』を流していた。「堂々巡りの夜」が好き。

帰宅後、『われわれの雰囲気』の植本さん・碇さんパートを読んだ。事故に遭って友達が意識不明の状態、コロナ禍中で見舞いに行くことも叶わず不安な中で過ぎていく日常の記録。他の人に事故の件を話して不安の輪を広げてもいいのか、という躊躇も織り込まれている。植本さんパートで百瀬文さんが登場して、百瀬さんは「群像」でエッセイを連載しているので、じゃあこの百瀬さんのパートナーの森山君というのは、七月号の「群像」連載に出てきた歯のエピソードの人か。というか、これまでちゃんと字面と人物が結びついてなかったのだけど、百瀬さんが同居している二人のうちの一人、一月号でのスカートのエピソードが印象的だった「晋吾」は、写真家の金川晋吾さんのことで、だとすれば僕は以前『三人の日記 集合、解散!』をB&Bで買ったときに、「晋吾」からもサインをもらっていたのだった。別々の場所で読んだ文章と、自分自身の体験が線となっていきなりつながったので、一人の部屋で「おぉ…」と感慨深くなる。

夜は、真山さんのスペースを聴いていたので夜更かし。

6月28日

細々とした作業が立て続けで対応していて、あっという間に終業時間。

帰宅後、少し『われわれの雰囲気』を読み進めて、群像一年分通読についての文章をちょっと書いてみる。鬼平シリーズを読み終えてこの日記が終了したら、もうちょい本腰を入れて文芸誌を積読して感じたこと・分かったことシリーズは書き進めたい気持ち。

で、鬼平も読む。見回り先を盛り場のない麻布近辺に変えられたことで、面白くない様子の忠吾。昔から女遊びがひどかったため、おたかという良い女房がいながら浮気心がくすぶっている。ちょっとしたきっかけで浪人と喧嘩になり、急所を蹴り上げて撃退した忠吾は、それを見ていた女性に話しかけられて……。今回も盗みはほとんど関係なし。途中、過去に平蔵が捕らえた盗賊の配下に襲われるシーンがあるにはあるけど、本筋は捕り物と関係なし。やっぱりこの時期の池波、盗人を軸にしたストーリーにマンネリを感じているか、もしくは思いつかなくなってきているのでは。忠吾は話しかけてきた女性・お弓といい仲になれるのではないかとウキウキだが、平蔵と一緒にいるタイミングで襲撃を受け、太腿を切られて寝込むことに。せっかくお弓と会う約束があったのに……。しかし実は、お弓のほうは忠吾のことを好きでもなんでもなく、モテていたのは別の男だったというネタばらしもあり、結局忠吾がちょっと調子に乗った結果踏んだり蹴ったり、という顛末のコメディー回。

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