9月25日〜30日 第12巻 『見張りの見張り』
9月25日
前日、入眠するのが遅くなって、起きたら絶不調。しかし、一日家にいるのもなぁ、と思って、昼まで外を歩いてみた。本屋をうろうろするも何も買わず。
午後から南森町さんの企画で、2.5次元舞台の映像をみんなでdiscord通話しながら見る企画。今日は池袋でロメロのゾンビ三部作一挙上映があり、柿内さんに誘われて、先に2.5次元舞台鑑賞の予定が入っていたのでお断りしたのだけど、discordで通話をつないだら映像を見るメンバーに柿内さんの奥さんがいたので、どちらの予定を選んでも今日はアカミミメンバーとエンカウントする日だったのだ。観た舞台は『最遊記』で、原作も子どもの頃にチラッと見たことがあるから、どのキャラが孫悟空で、どのキャラが猪八戒なのか、くらいは判別がつくレベル。アニメのテンポと情報量でリアルの舞台を進めていこうとすると、演者の力量や演出の工夫がめちゃくちゃ必要になるんだなぁ、と思う。観終わったあと、ちょっとハイローの話になって危うく今度はハイローを観よう、という話になりかけるが、せっかく演劇映像専門のサブスクを登録したので、次回も別作品の舞台を観よう、ということになった。
夜は『鎌倉殿の13人』。この後、絶望的な展開になることが視聴者にも登場人物にも分かっている中で、最後の北条家の楽しい団欒。鬼のような脚本だ。
配信にあった『シェフは名探偵』のドラマが、柔らかい雰囲気で殺人事件なども起きなさそうなので、流し見するのにちょうど良くて、作業などしながら2話分観て、寝る。
9月26日
週末のデカいミスについて、諸々確認して、最悪の事態は避けられたっぽい。まだ色々やらなければいけない作業はあるが、とりあえずひと安心。
仕事の帰りで代わりに読む人のメルマガを読む。わかしょさんの大相撲観戦記が、玉鷲がサミット両国石原店でレジ打ち体験をするのを見に行った、というもはや観戦でも何でもないんだけど、意味の分からないイベントに足を運んでしまった困惑や、実際に力士の皆さんが登場し、玉鷲に間近でレジ打ちしてもらう興奮が入り混じった文章でよかった。最近は、仕事帰りの電車でこのメルマガを読むのが恒例になってきた。
9月27日
会社の昼休憩で書店に行き、河出書房の「スピン」創刊号を買う。しっかり文芸誌的な佇まいで、これで330円は安い。そのあとサンマルクに入ってスイートポテトクロワッサンを食べながら、「スピン」のエッセイや短い記事を数編読む。
つまづく本屋ホォルさんの通販サイトを見たら、『雑談・オブ・ザ・デッド』のページにアツい推薦文が書いてあった。
そういう読まれ方、あるいは鑑賞のガイド的なあり方になっているのは嬉しい。僕と柿内さんのふたりの見方が雑に入り混じった、その複数の声を響かせて、もっと豊かに作品を観れる、ということが起きていれば良いなと思う。
Twitterから、「アカウント解説して12年ですよ」と通知が来る。干支一周じゃん。
寝る前に太宰治の「畜犬談」を読んだ。ラランド・ニシダがアトロクで勧めていて知ったんだけど、めちゃくちゃ面白かった。書き出しからとても好き。
太宰治は今年に入ってから『正義と微笑』で初めてまともに読んだのだけれど、他のも読まなきゃと思うほどには、文章が面白い。他の人は随分前から知っていたのかもしれないけど。
9月28日
ここのところ立て込んでいた仕事をなんとか終わらせた。今年に入ってからはここ2週間ほどが一番忙しかったかもしれない。
帰宅後、録画していた『漁港の肉子ちゃん』を観る。コミカルと詩情が入り混じったチャーミングさがある。動物が言葉を発する設定で、かわいいペンギンがなんと言っているのか聞き取れなかったので字幕表示にしたら「皆殺しの日」と言っていた。
9月29日
昼休憩時に書店に行ったら、柴田元幸・岸本佐知子セレクトの翻訳作アンソロジーやら円城塔翻訳のラフカディオ・ハーンやら、もう発売されていて危うく書いそうになったが、ちょっとここのところ本を買いすぎなのでこらえた。本を読む量が増えれば、合わせて読みたい本も増えるわけで、参ってしまう。
夜は何か録画した映画でも見ようかと思っていたが、結局フジテレビの「私のバカせまい史」を最後まで観てしまい、夜遅くなってしまったので就寝。
9月30日
先週末の仕事のミス関連で、作業フローを見直した方がいいんじゃないかという話になっていて、それ自体は前向きなことであるんだけど、新たなフローになると他の人の仕事を増やすことになりそうで、なかなか気が重い。そういう仕組み作りみたいなこともこれまでの仕事でやってきてなかったので、「うーむ、面倒くさい」という気持ちがうっすらずっとあるのだった。
圓楽師匠が死去のニュース。ここ最近、落語界のビッグネームがどんどん亡くなっている気がする。観れる人は観れるうちに観たい。
仕事帰りに鬼平を読む。密偵・宗平はかつての盗人仲間である佐助と再会した。佐助は自分の息子を殺した仇である虎吉を探しに、久々に江戸へとやってきたという。虎吉が密偵仲間・五郎蔵のかつての手下であることを知った宗平は、なんとか佐助に仇討ちをさせてやりたいと考える……。虎吉の様子を探る五郎蔵、それを見張る佐助、さらにそれを見張る密偵・伊三次という、タイトル通り「見張りの見張り」という構図から、宗平&五郎蔵・おまさ夫妻側、平蔵側のそれぞれの動きに、別件の盗み働きも絡んできて、上手いこと話をたたむのは手際がよい。結局、実は佐助の仇が別のところにいるとわかるのだが、佐助は仇討ちを果たさぬままだし、虎吉も残酷な急ぎ働きをやっている賊で全く善人ではなく、なんともうっすら虚しくビターな後味。
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