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163.傘に向いてない

小学3年生のころ、財布を忘れてバスに乗ってしまったことがある。バスの運転手にめちゃくちゃ怒られるのではないか、無賃乗車で警察に連れていかれるのではないかと、かなり恐れおののいた。正直に話したら、運転手は「今度バスに乗った時に多めに払ってくれたらいいから」と言って許してくれたのだが……。それがトラウマになってか、何かあるごとに財布を忘れていないか、カバンやポケットを確かめるクセがついてしまった。財布以外の持ち物に関しても同じく。おかげで今まで携帯や鍵をなくして困ったことはない。

ただし、傘はダメだ。特に折り畳み傘は、かなりの割合でどこかに置き忘れてしまう。
僕は基本的に荷物はカバンorポケットに入れているので「手に持っている」という状態がイレギュラーだ。そのため、忘れ物がないかを確認するチェックポイントから「手に持つもの」という項目自体が抜け落ちてしまう。
折り畳み傘は小さいからうっかり床に置いたりすると視界に入らない。普通の傘でも、外の傘立てに置いていると、荷物確認のタイミングでは手元にない=ないことに気づかないのでそのまま置き忘れてしまう。
まだ外に出て雨が降っていたら「あ、傘忘れた!」と取りに戻れるのだが、雨が止んでしまっていたら思い出すきっかけがない。そのまま帰宅。傘をなくした事を思い出すのは、次に雨が降った日のことだ。仕方がないから小走りで近所のコンビニに行って新しい傘を買う。そして、その傘もきっとすぐなくす。
どうも僕は、根本的に傘を持つことに向いていないらしい。比較的忘れ物は少ない方だが、傘だけはダメなのだ。だからといっていちいちレインコートを着るのも面倒だなぁ……。

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