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8月17日〜23日 第11巻 『泣き味噌屋』

8月17日

今日はそんなに仕事が忙しくなく、会社のブログを更新したり、細々と案件対応して、後はぼんやり過ごしていた。こういう風に日記を書いているなら、グーグルアドセンスとか使えないかしら、と思ってちょっと調べるも、情報性が薄い日記だけだとアドセンス通りづらく、収益もほぼ見込めないらしい。残念。

帰りに池袋三省堂の古本祭りに立ち寄るも、何も買わず。帰って本読んだり、YouTubeで観てゴロゴロしてたらもう夜。

8月18日

山下澄人『しんせかい』を読了。あやふやな記憶、現実に入り混じる夢。ごつごつとして雑然とした文体が、あの頃の感触を今ここに喚起しようとする手探り感になっていて、独自の読み心地。仲間はみんな本名からあだ名に置き換えられる中で、【先生】【谷】は【】で固定されているのは、それらが確固たる環境としてあるからなのかしら。

仕事から帰って『おげんさん』を観る。今回はセットも多いし、人形のネズミの動きがずっとかわいい。今回は特にラジオ深夜便オマージュのパートの藤井隆が面白くて、唐突に奏でられた歯笛に爆笑してしまう。『おげんさん』を観るとカラオケに行きたくなる。喉の調子が治ったらいきたい。

ちょっとやりたいな、と思っていた企画に関して、僕が興味を持っているテーマみたいなものとのリンクに気づいたので、やっぱりやらねばな、と思う。それも日記的なものなのだけど。

8月19日

作業中に『積恋雪関扉”噺”』に関連したスペースを聴く。9月にある落語と常磐津のコラボ公演の宣伝企画。落語家はリハーサルしたがらない、という話が面白い。日常会話の延長のように演じ、また、客席込みのその場で生成されるものとして捉えているので、その前にリハーサルとしてやるとダレる、という感覚は確かに色々な落語家さんの話などを聴いているとそうだろうなぁ、と思う。

夜は『石子と羽男』を観る。幽霊が出る訳あり物件をめぐる話、と見せかけて、保育園が見つからなかったり、男性の育休が取りにくかったりと、現在の子育て家庭が直面している問題を描いていく話運びがスマート。途中、普通に「古畑任三郎」のBGMがそのまんま流れたので「他局だけどいいんだ!?」となった。

8月20日

あまり眠れず、頭がぼんやりするので二度寝しようとごろごろするがダメで、しぶしぶ起きる。朝は『オクトー』の最新話。感情を色として見ることができる刑事が、容疑者の感情を手がかりに事件を解決するドラマで、シリーズ構成的に後半で「感情が見えない容疑者」が出てくるのは順当だが、それを演じるのが室井滋でものすごく説得力のある演技。

ちょっと外に出る。ONE PIECEの映画を観ようかなと映画館を覗くも、結構混んでいたので断念。書店で笹先生の最新歌集『終楽章』と、フラワーしげる『世界学校』を買って帰る。

夜は『初恋の悪魔』。いきなり満島ひかりが出てきて、「うぉっ」と声が出る。事前に告知は出ていたらしいのだが知らなかった。星砂のもう一つの人格「蛇女」の過去が語られ、ふたつの人格それぞれに思い入れが生まれてしまうような展開になってきた。坂元裕二脚本は本当に恐ろしいね……。

8月21日

朝は千原ジュニアのYouTubeで伊集院光との対談を聴く。改めて整理されると、伊集院光の経歴って本当に変で、ドラマになってもおかしくないくらいだ。

昼から中野へ。なかの芸能小劇場へ「納涼若手寄席」を観にいく。建物の前に着いたら、どう見ても工事中な上、いつも使う通路がふさがっていて焦ったが、裏に回って入れた。若手落語家・講談師6人に加えて、ゲストが漫才のシンクロニシティ。6人ともそれぞれに達者な顔ぶれでずっと楽しく、特に田辺いちかさんは軽やかで朗らかながら醸し出されるエモーションに惹きつけられる。春風亭朝枝さんもようやく生で観れて嬉しかった。二つ目に上がったばかりのときに「めちゃくちゃ落語が上手い」と話題になっていた人で、今回の「普段の袴」は無言での男と店主のアイコンタクトのシーンがあまりに可笑しい。ちょっと声質が誰かに似てるな、と思ったが、たぶん大自然のロジャーだな。他のネタももっと観たいぞ。シンクロニシティは4ネタを繋げて15分~20分。暗いトーンでぼそっと話すよしおかさんに、ツッコミの西野さんが振り回される形式。性格の違う二人のやりとりからは、ちょっと落語っぽさも感じる。

終演後、吉祥寺へ移動。百年で『ジェンダー写真論 増補版』を買う。前のバージョンも買ってあったのだがずっと読まずに積んでいるうちに、増補版が出てしまったのだった。今度は早めに読みたい。

帰って『鎌倉殿の13人』。陰のアサシンだった善児には心が宿り、陽のバトルマシーンだった仁田は板挟みに悩んで自害。特に演じるティモンディ高岸の人柄の延長にあったような、純朴で明るい青年だった仁田の死はつらい。人間関係の軋みはどんどん激しくなってきているし、陰鬱な気持ちになるのに面白いからたちが悪い……。

8月22日

なんだか作業が多くて忙しい日。来る案件にバタバタ対処していたら一日が終わってしまった印象。帰りの電車で町田康の短編集『記憶の盆をどり』を読了。「付喪神」「狭虫と芳信」が面白かった。

夜に歌集の在庫の件をツイートしてたら、フォロワーさんから通販希望の連絡があり嬉しい。

8月23日

通勤電車で鬼平を読む。火付盗賊改の勘定方・川村弥助は、経理の仕事ではきっちりとこなす見事な働きぶりだが、地震や雷にも怯えてすぐに泣いてしまう臆病な性格。同心からは泣き虫をもじって「泣き味噌屋」というあだ名までつけられている。「男色一本饂飩」のときもそうだったけど、こういう弱みのある仲間をいじったり下に見たりするところがあるな、同心連中。ホモソーシャルのイヤなところが出てるぞ。
ある日、川村の妻・さとが殺害される事件が発生。平蔵たちは犯人の捜索を開始する。過去のエピソードで妻子を亡くしている小柳が、川村を気遣っている様子が印象的。川村が職場に復帰したことを平蔵から聞き、小柳が心から安堵するシーンでちょっと泣きそうになる。エピソードの積み重ねによってそれぞれのキャラが深堀りされて、人間ドラマとしての厚みが増してきた。

仕事をさらさらこなして、夕方あたりは時間ができたので、デイリーポータルの反響向上・収益化施策をweb鑑定士に相談する記事を読む。webの求人広告中心にやってきているのにここら辺の知識が薄いので勉強せねば。

夜はフォロワーさんへの歌集発送作業。梱包してスマートレターの封筒に入れて、そのまま歩いてポストに投函する。相変わらず梱包作業への苦手意識が消えない。もうちょっときれいにやれないものか。

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