27クラブ脱退ヘッダ

006.「モーガン・フリーマンの“人生”映画問題」の件

最近、映画クラスタで話題になってたのはジャック・オーディアール監督の最新作「The Sisters Brothers」の邦題が『ゴールデンリバー』になっちゃったこと。僕は原作をよく知らないんだけど、どうもストーリーと邦題が全然マッチしていないよって話らしい。確かに「シスターズ・ブラザーズ」をそのまま邦題にしちゃってもいいのにね、とは思う。

「この邦題どうなの?」というのは定期的に映画クラスタで盛り上がる話題だけど、今回みんなにお知らせしたいのは、僕が「モーガン・フリーマンの“人生”映画問題」と呼んでる件だ。
モーガン・フリーマンの出演作のうち、邦題に「人生」という単語が入っているのは以下の4作。

『最高の人生』
『素敵な人生のはじめ方』
『最高の人生の見つけ方』
『最高の人生のはじめ方』

非常にややこしい。
これはおそらく『最高の人生の見つけ方』(今秋には吉永小百合と天海祐希で日本版リメイクも決定している)のヒットを受け、便乗した邦題をつけちゃったパターンだと思うのだが、紛らわしすぎないか?
特に『最高の人生』なんて、モーガン・フリーマンが主役ではない上、罪を犯した男の苦悩と後悔を描いた作品なので、「最高」とは程遠い話なのだけど、流行りに乗っかっちゃったのかなぁ…。

ただ、この4作はどれも割と好きなほうの映画。最近はセクハラ疑惑が報道され評判が下がっているモーガン・フリーマンだけど、なんだかんだいって出演していると映画のグレードが上がって見える稀有な俳優だなと思う。
『最高の人生』は主演のビリー・ボブ・ソーントンの演技がいいし、原題である「Levity」=軽率さがどのような結果を招くのか、それによって背負った罪を償えるのかというテーマにじっくり向き合っていて、鑑賞後の余韻もじんわり重い。
『素敵な人生のはじめ方』は人生を変えたい女性と落ち目の俳優の交流を描いたロードムービーで、爽やかな気分になるし82分でサクッと観れるのも美点。
『最高の人生の見つけ方』『最高の人生のはじめ方』はどちらも名匠ロブ・ライナーの監督作。『最高の人生のはじめ方』はベタにハートフルなんだけど、モーガン・フリーマン演じる老小説家が少女に「想像力」について教えるくだりとかはかなり好きだ。

「オススメ!」と強調するほどでは全くないんだけれど(笑)、「邦題が紛らわしいから」という理由でスルーされるのはちょっともったいないなと思うので、気が向いたら観てみて欲しい。

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