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5月29日~6月3日 第20巻 『高萩の捨五郎』

5月29日

気圧でやられて調子がずっと悪いままで仕事。帰宅後、録画していた『だが、情熱はある』8話を観る。売れたのに辛い山ちゃんと、売れてないけど楽しい若林の対比。もちろん「たりないふたり」というユニットになるとはいえ、売れた時期も違い、ユニットになる前はそんなに関わりのなかった二人の人生をここまで上手くリンクさせて見せるのは、脚本の編集力が高いんだな。

溜まっていた日記を書いてから寝る。

5月30日

OLさんがライブでトリプルファイヤーを観たようで、ちょっとハマっているらしく嬉しい。

ブックオフなど寄り道しつつ帰宅。夜更かしして小川哲『君のクイズ』を一気読み。言ってしまえば『スラムドッグ$ミリオネア』なのだけど、競技クイズプレイヤーの思考回路や、問題が読まれる前に回答できたのは何故かという大きな謎、「クイズに答えることが人生の肯定につながり、だからこそそれを逆手に取られてしまった」という展開の苦味もあってなかなか面白く読んだ。

5月31日

月末は締め作業を待たなければいけないので長めに会社に残らされ、とはいえ週の真ん中なのでそんなに締め感もなく、ただただ損な感じ。ここ数日は細々と情報を登録する作業が積み重なってきていて、なんだかげんなりした気分で5月が終わる。

6月1日

細々とした作業を引き続きやって、とりあえず切りのいいところまでたどり着いた。とはいえ、他にも作業があれこれ立て込んでいてだるいぜ。

僕が毎年チェックしている池上彰『知らないと恥をかく世界の大問題』シリーズの表紙レイアウトだが(本自体は1行も読んだことない)、最新刊パート14の表紙デザインがAmazonに出ていた。今回の池上彰は14の数字に下から手をかざすポーズ。これはパート10と12と同じ、間の11、13は数字を指さすポーズだったので、当分、下から手かざしポーズと指さしポーズを交互にやっていくのかもしれない。個人的には池上が数字を手で掴んでいたのが面白くて毎年チェックするようになったので、次のパート15では久々に15を池上に掴んでもらいたいところ。

ファーストデーなので映画館で『ライオン少年』を観ることにした。負け組扱いされている少年3人と、かつては天才だったが今はしょぼくれている中年コーチが大会優勝を目指すという、ベタ中のベタなスポ根青春ものなのだけど、「獅子舞歌舞伎」という全く知らない題材なので、映像的にめちゃくちゃ面白い。二人一組で動きまわる獅子舞のアクションのユニークさとキュートさ(まばたきがかわいい!)。主人公に立ちはだかる壁が中国の格差社会というシビアさもあり、見ごたえ充分だった。

6月2日

求人広告で「一人で黙々と作業」などと書くとき、「黙々と」の字面の硬さを和らげるため、「もくもくと」「モクモクと」とひらがな・カタカナで書くことがあり、そのたびに脳内で煙が立ち上る。もくもく、モクモク。

台風が近づいているので、仕事を終えたらまっすぐ帰宅。雨の音がうるさくてテレビの音が聞こえないので、イヤホンを耳にさしてiPadでU-NEXT。『リビング・デッド・サバイバー』を観た。以前アトロクで三宅隆太監督が勧めていたゾンビもの。元カノに貸したカセットを返しにもらいに行ったらパーティをやっていて所在なく、人のいない奥の部屋で寝落ちしている間に、世界はゾンビ発生して壊滅状態に。主人公はアパルトマンでひとり引きこもり生活を始める。非常に抑制の利いた淡々としたトーンながら、主人公が孤独に蝕まれていく様をじっくり描いていく良作。元の住人の生活が見える部屋のディテールもよくて、おそらくロック好きな青年が住んでいたのだろうと思われる部屋の鏡の、顔が映るだろう位置に口髭の落書きが書いてあるのとか、そういう細かいところにグッとくる。派手なスプラッターや露悪性が無くても、ゾンビものとしてしっかり面白いものができるのだ、という作り手の意欲も感じる。

6月3日

昨日は菜漓さんたちのスペースを聴いていたら寝落ち。

鬼平を読む。彦十は平蔵のお供をして訪れた茶店で、昔なじみの盗賊・捨五郎を発見。平蔵・彦十は捨五郎を尾行することに。道中、道端で侍たちが百姓と揉めて刀を振り回しているのを目撃した捨五郎は、百姓を助けに入って……という話。本来は犯罪者である捨五郎だが正義感は人一倍あり、また息子を切り付けられた百姓・捨五郎の身を案じて引き返してくるなど、当時の社会では弱者やはみ出し者である人々が勇気を見せる。家来を見捨てて逃げた主の侍との対比にもなっているんだな。捨五郎にはやむを得ず兄を殺してしまった過去もあって、その暗い陰が単なる英雄譚としてスムーズに読まさせてはくれないバランス。

天気が良くなりそうだったので、水道橋の機械書房へ行く。たくさんの事務所が集まったような、およそ書店の入っていなさそうな建物の三階に恐る恐る上がると、廊下の奥にお店があった。岸波さんにご挨拶して、古本・新刊を眺める。文学中心のラインナップでじっくり悩みつつ、今日は古本を三冊購入。後から山本さんも来た。今日は機械書房に合わせてメカゴジラのTシャツを着ていて、岸波さんと怪獣ソフビの話で盛り上がっていた。

機械書房を出て、近くの喫茶店で山本さんとお茶して近況をあれこれ。ちょっと初耳な話を聞いてびっくりした。水道橋駅で別れて、まだ夕方だったので神保町まで歩いて行って、東京堂書店を覗いてから帰った。

家について眠かったので1時間ほど寝て、U-NEXTでバカリズムやハナコのコントを流し見しながらこの日記を書いている。

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