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273.ひとつのジャンルに籠らぬように

とある映画評論家の方が「映画を理解するためには、映画以外のことを知らなければいけない」と言っていて、「そうだよなー」と思った。基本的に映画が描いているのは「映画以外」のことなのだから、映画にだけ詳しくてもその作品を理解することができない。

そのジャンルが外から見てどうなのか、他のジャンルとどのような共通点があり、どこが長所でどこが短所なのか、ジャンル内に籠りきっていてはわからない。他を知らず(理解しようとせず)ひとつだけを信奉してしまうのは結構マズい。

で、実はあるジャンルを広める・応援するためにも、他のジャンルに興味を持つのは有効だったりする。
例えば僕は、Twitterのフォロワーさんの何人かを落語に連れていったことがある。彼ら彼女らが僕を信用して落語に来てくれたのは、僕が落語だけでなく映画や演劇も見るし、本も読むし、音楽も聴くし、時には短歌を作っている、他ジャンルの領域にも親しんでいる人だから、というのは大きいと思う。大きいだろう。
もし僕が落語だけ籠り、他への興味が閉じている人だったら、「この人が好きな落語というものを私は理解できるだろうか……」と周囲に思われたはずだ。それに、そもそも落語以外のクラスタの人たちと知り合う機会もかなり少なかっただろし。

自分の好きなジャンルを応援するために、もちろんその商品を買ったりイベントに参加したりして、お金を落とすことはもちろん有効だ。
それと同時に、他の分野にも興味を持つこともまた、好きなジャンルをより理解し、外に広める上で思わぬ効果を発揮してくれる。

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