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2020年11月 月報

11月は毎週末何かしら予定がある感じで、色んな所に出歩いた。相変わらず「テクテクライフ」も続けているので、色塗りの範囲がどんどん広がっている。

14日にもりたカップルの家に泊めてもらい、翌日、車に乗せてもらって一緒に千葉へ。あやのさんカップルと合流し、ダチョウ王国・袖ヶ浦ファームに行った。動物との触れ合いコーナーにバーベキューが併設されていて、「ダチョウと仲良く触れあおう!」と「ダチョウはヘルシーで美味しい!」が両立していた。すごい王国だ。ダチョウ肉は鶏肉よりも牛肉に近い食感で、脂の少ない赤身。ヘルシーで美味しい。
もりたの彼氏さんは、立派な角を生やしたヤギのボス格みたいなやつに、前足でがっつり蹴られていて、シャツを蹄の形に汚していた。袖ヶ浦ファームは11月末で閉園とのこと。動物は他の施設に移される予定らしい。あのボスヤギも、どこか別の場所で来園者に蹴りを入れることだろう。
東京ドイツ村にも立ち寄る。イルミネーションで描かれたキャラクターが『鬼滅の刃』のテーマ曲を歌っていて、人気に乗っかりすぎだろ、と思ったりした。

本もたくさん買った月だった。下北沢・ボーナストラックで開催されたフェアや、文学フリマに行ってめちゃくちゃ買いこんでしまったのだ。文学フリマでは、Zoomのみでお話していた柿内さんにご挨拶できたのも嬉しかった。『プルーストを読む生活』の合本・新装版が発売されるとのことで本当にめでたい(とってもナイスな本なのだ)。文フリでは好書好日の企画でもらったトートバッグを持って行ったのだが、2人くらいから「そのトートバッグいいですね!」と言ってもらえたのでご満悦だった。

映画は『罪の声』『おらおらでひとりいぐも』『羅小黒戦記』『ブルータル・ジャスティス』などを観た。『罪の声』の宇野祥平さんが本当に素晴らしかったので、色んな映画賞の助演男優賞にノミネートするんだろうな。『ブルータル・ジャスティス』は、淡々と長い中に緊張感がみなぎり、妙なユーモアもあって好きな作品だった。「2択で50%だったら意味ないだろう」って的確なツッコミ台詞が好き。サウンドトラックは監督自ら作った曲を、ソウル界の大物に歌わせているらしくて、めちゃくちゃクオリティ高くて最高だった。

一方、仕事はあんまりゴキゲンでできず、雑な発注とかムリに押し通そうとしてくる動きに、イライラっとしてしまうことも多々あった。そのあたり、もうちょっと気を回してもらえるとありがたいんだが……。

・読んだ本

太田靖久『ののの』
千葉雅也『ツイッター哲学 別のしかたで』
平庫ワカ『マイ・ブロークン・マリコ』
若林正恭『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』
木下龍也『天才による凡人のための短歌教室』
いとうせいこう・みうらじゅん『見仏記』
大竹昭子『室内室外 しつないしつがい 大竹昭子 散文集』
西村ツチカ『北極百貨店のコンシェルジュさん』1巻〜2巻
九龍ジョー『伝統芸能の革命児たち』
レイチェル・ギーザ『ボーイズ 男の子はなぜ「男らしく」育つのか
友田とん『パリのガイドブックで東京の町を闊歩する2 読めないガイドブック』

U-NEXTを始めたため、3冊ほど電子書籍。どのくらい読み進んでいるのかがわかんないので、なんとも落ち着かない感じで、まだちょっと慣れない。

『見仏記』は仏像入門的な読み方が一般的なんだろうけど、僕はどうしてもいとうせいこう・みうらじゅんの仲良しっぷりのほうに惹かれてしまう。なんてったって「レジェンド仲良し」なのだ。いとうせいこうの目線で見たみうらじゅんが延々と描写されてきた終盤で、視点が反転する作りが素晴らしい。シリーズも順に読んでいきたい。

来年の僕のテーマの一つが「短歌をちゃんとやる」なので、『天才による凡人のための短歌教室』の刊行はグッドタイミング。著者のストイックな姿勢から、身もふたもない作歌tipsまで、短い中に色んなアドバイスが詰まっていて良い。それにしても短歌を作るには、人の歌集を読まないといけないな。当たり前だけど。僕はなかなか珍しい「短歌を読む前に詠み始めた人」なので、まずは色んな歌集に触れていかなければ、と思っている。

漫画の量も増えた。『マイ・ブロークン・マリコ』は、親友の遺骨を盗むところから、活劇チックでもあり、いたたまれなさと清々しさが同居した絶妙な案配。『ピエタとトランジ』と共に語る評を見かけたが、被害を受けた女性側が自分を責めてしまうという展開で映画『ガール・コップス』『本気のしるし』なども思い出した。同時代に作られたものとして共鳴している感じがあるなー。
『北極百貨店のコンシェルジュさん』はスカート・澤部渡さんがラジオで紹介してて気になったやつ。動物が訪れる百貨店を舞台にしたファンタジックなお仕事漫画だが、裏設定がある分、不穏な後味もあり、一筋縄ではいかない作品だった。

『伝統芸能の革命児たち』は文学フリマで、著者から直接購入。落語・講談・浪曲は知ってる名前が沢山出てきて、歌舞伎・能・狂言などはテレビに出てる人くらいしか分からないという情報の落差ながら、今こういう人たちが面白いのかと名前をチェックしながら読む。歌舞伎とかもまた観にいきたいんだけど、なかなかそこまで手が回らないなぁ。

『ボーイズ』は、男の子がいかにして「男らしさ」を身に付けていくのかに迫ったルポ。カナダ在住の著者による文章なので、ジェンダーの観点に人種や賃金格差などもしっかり絡んできて情報量がすごい。僕自身は、幼少の頃に演劇をやっていて周りに女子がたくさんいる環境を経験し、そのあと部活や男子校で男子ばっかりの環境を経験し、結果、なんかどちらでもあんまり馴染みきらん、という感じだから、読みながら自分の場合はどうだったか思い返したり、過去の言動を反省したりしながら読んだ。

『パリのガイドブック~』、前巻はゲラゲラ笑いながらサクッと読んだ感じだったんだけど、今回はちょっと様相が変わっているというか、ちょっと不思議な境地に踏み込んでいる感じがする。普段の日常に全く脈絡の無い何かを挿入することによって、物事の捉え方・見え方が、あるいは世界自体が微妙に変容しているように思えるゾワゾワ感。

・今月のBGM


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