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6月29日〜7月5日 第10巻 『五月雨坊主』

6月29日

もうちょっとしっかり頭使ってきっちり確認してから発注してくれ、という案件があり、「もうちょっとしっかり頭使ってきっちり確認してから発注してくれ」という内容を少し丁寧にして伝えて突っぱねた。中堅営業メンバーがごっそり抜けたことにより、ある程度の経験を積んでる営業スタッフが皆無になったので、発注を受ける側としては悩ましい。

本屋lighthouseさんの柿内正午デーの告知があって、柿内さんが店番しながらお客さんとゾンビ談義をしつつリアルタイムで日記を書いて夜にはゾンビ映画を観る日、とのこと。楽しそう。その日は参議院選挙もある。
そういえば、図書館や本屋に立てこもるようなゾンビ映画ってあるのだろうか。全然ありそうな気がするけど、パッと思いつかない。今まで本を読んでこなかった人が、やむを得ず立てこもり生活を続ける中で本に触れ、読書の楽しみを知る、みたいなプロットとか、できそうな気もするけど。

6月30日

選挙を人材採用だと考えると、候補者アンケート類はエントリーシートに相当すると思う。エントリーシートに不備がある奴は人材採用なら普通に落とされると思うんだけど、選挙はそうでもないっぽい。

あまりに暑すぎてイライラしたので、昼は回転寿司に突入してきた。びゃーっと寿司を食べる。ダイエットしてるのに、という旨のツイートをしたら、神無さんより「お寿司が回転してくれた分回らないお寿司食べるよりも全然セーフです」というリプライが来る。回転=運動している分、カロリー減ってるもんね!

ふと思いついて作り始めた古書店の名前を詠み込んだ短歌4首が、数日越しに完成。防破堤、百年、水中書店、りんてん舎。防破堤は一般名詞の「防波堤」に書き換えるか悩んだが、そのままにする。

防破堤までゆく道の直線に似た一行目 夏の描写だ
百年は生きれるつもり本棚に渦巻いている妖気を吸えば
釣り上げたことばを放す 水中は陸より広くにぎやかな場所
りんりんと鳴りてんてんと描かれて詩は薄色の日傘に変わる

4首並べる前提だったので、あれこれと推敲してたら時間がかかった。こういう感じでちょっとずつ丁寧に短歌を作れたらいいな。

『覚醒するシスターフッド』を読了。柚木麻子、藤野可織、キム・ソンジュンの作品が好きだった。マーガレット・アトウッド『老いぼれを燃やせ』は、選挙を目前にした今読むと、全く遠い設定の話でない感じがひしひしとして背筋が凍る。

部屋にデカめのゴキブリがいた。本格的に夏だ。

深夜に飲み会帰りのもりたからLINE通話がかかってきて、眠い目をこすりながら一時間ほど話した。

7月1日

月初なのに金曜日なので、なんともぼんやりしたまま一日を過ごしてしまった。

夜は『ガンズ・アキンボ』を観た。「両手に拳銃が固定された状態で、殺人ゲームに参加させられる」という設定勝ち。スマホ依存な日々を過ごしていた主人公は、強制的に手をふさがれることでスマホ離れして世界に立ち向かっていく、というストーリーに合っている。自由に手が使えないことによるピンチ展開も作れるし。ノンストップなストーリー運びで楽しかった一方、割と着地は爽快感を排してビターに終わるのが、「そうは言っても現代ってこうですよね…」という諦観に振っていて、観終わった後の余韻は複雑だった。

7月2日

4時間ほど昼寝してから早稲田松竹に行き、レイトショーで『華氏451』を観た。消防車のデザインがちょっとかわいい。それぞれが一冊の本になった人たちが、作品を暗唱しながら歩き回るラストカットが美しかった。

まほぴさんとぐるぐるさんが高知でエンカウントしたことをTwitterで知る。場所は書店で開催された、まほぴさんの歌集のサイン会らしい。安田短歌で面識を持った人が6年近い時を経て、サインする側・される側で初対面を果たすというのは、なんとも不思議な感覚だ。思えば僕も、社会人になってから知り合ってやり取りしたり遊んだりしている人のほとんどが安田短歌界隈だったりするので、あれは明らかに人の人生を変えている。

7月3日

新規発行したクレジットカードの郵送を自宅で受け取り損ねたので、朝から郵便局までぶらぶら歩いていく。早朝はまだそこまで辛い暑さでなく、散歩するにはいい感じだった。

クレジットカードを受け取って、電車で新宿へ出る。昼からシネマート新宿で『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』。トートバッグが欲しかったが、売り切れていて残念だった。『ナイト・オブ~』は大学以来で久々に観た。「あ、初期ゾンビも割と道具使ってるんだな」というのが過去に観た記憶と違ったところ。全く無意識、というのともちょっと違うバランスなのか。無駄なく緊迫感が漂っていて、ラストの突き放しっぷりも容赦なくて、改めてよくできた映画だなと思った。

BOOKOFFで何冊か買って帰る。

夕方からは久々に区営プールに行くも、すぐ混んできたので50分弱で撤退。それでもほどよく疲れた。

7月4日

割と仕事の案件が続けてきて、さばいていたら帰る時間になっていた。最近は18時台でも明るいので、あっという間に一日が終わる感覚。

夜はロロのyoutubeで公開されていたいつ高シリーズの『グッド・モーニング』。朝の高校の駐輪場で、異なる意味で変わり者な女子生徒2人が友達になる。ダンスの取り扱いを見て、TikTokがここまで普及する前に書かれた作品だ、と思う。今の高校生なら、ダンス・振り付けに対してもう少し、誰かに見せて広めることによるコミュニケーションツール的機能を期待してそう(高校卒業して12年以上なので、想像でしかないが)。ただ、TikTok以前の作品だからこそ、誰かの足取りを真似して踊ること、それを誰かが見ていてくれることに、その瞬間だけのかけがえのなさが醸し出されている。

7月5日

滝沢カレンのInstagramでの結婚報告の投稿を見た。思えばこの日記の日記は鬼平ではなく、滝沢カレンの情熱大陸の引用から始まったのだった。結婚報告と飼い犬が増えた報告を同時にしてしまうというのは、夫も犬も自分と生活を共にするパートナーとして同じくらい大切でしょ、というニュアンスが軽やかに漂っていてよい。犬の名前が「マカロン」「テラ」「神社」と書いてあって、相変わらず独特のワードセンス。「テラ」は宇宙ではなく、「寺」なのかも。

次は『聖なるズー』にもちょっと着手しつつ、帰りの電車では鬼平を読む。『五月雨坊主』では、『盗賊人相書』に登場した絵師・石田竹仙が再登場する。ある日、竹仙は見知らぬ男が裏庭で倒れているのを発見。男は竹仙を別の人物と勘違いした様子で、「十日のお盗めは、だめ」と言い残して息絶えた。どうやらこの男は盗賊の一味らしい気づいた竹仙は、平蔵にすぐさま報告。平蔵は、「死んだ男の人相書」「竹仙に似た人物」を手がかりに捜査を開始する。竹仙のほか、『猫じゃらしの女』のおよねも再登場するなど、連作短編シリーズもここまで続くと、キャラクターの層がどんどん厚くなってきている。思わぬところから証言者が出てきたりして、なんか読んでて2時間サスペンスみたいな話だな〜と思いつつも、謎の男の正体を探る話はきっかけに過ぎず、事件に巻き込まれたお坊さんの悲劇みたいな方に着地していくので話の展開には油断できない。

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