5月25日~30日 第3巻 『艶婦の毒』
5月25日
今日からレコーディングダイエットを始めることにした。以前ももりたと食べたものを報告するダイエットをやっていたけど、仲良しなので結局「今日疲れたから多めに食べちゃった」「赦す」と免罪符を発行し合って、自然消滅的に終わっていった。ここ最近食う量が増え気味だったので、ちゃんと管理せねば。当面の目標は70kgを切ること。
『大豆田とわ子と三人の元夫』7話。オダギリジョーの台詞にかなり泣いてたのに、ラスト数分でがつっとちゃぶ台を返される感じで、気持ちが宙吊りになる。第二章おそるべし。
5月26日
交代出勤デーで今日は自分のチーム僕一人。午前中は結構暇なのでは〜と思っていたらぽこぽこと案件がやってきて割と慌ただしくなった。無心で作業を片付けるときのBGMはトリプルファイヤー。リズムに合わせて情報を打ち込んでいく。定時までに片付けて退勤。
夜は先輩とその知人と3人でLINE飲み。知人さんがめちゃくちゃ特撮に詳しく、何を聞いてもいろんな知見込みで教えてもらえるので、特撮の歴史の流れやら国内外での特撮観の違い、特撮ファン目線の「シン・ゴジラ」感想、ウルトラマンに仮面ライダー、戦隊ヒーロー……とあれこれインタビューしまくってしまい、気づけば4時間近く喋っていた。映画は好きだけど特撮・怪獣映画はまったく押さえてない範囲だったので、解像度がかなり上がったな。
5月27日
今日から4連休。天気次第で出かけようかなと思ってたけど、めちゃくちゃ雨なので断念。とりあえず昼まで寝る。
松田青子『女が死ぬ』を読み終える。男社会が女性へ押し付けてくるイメージや偏見、物語のお決まりなどを、テキストをひっくり返したり反復して書き連ねることで痛烈なパンチを繰り出してくる掌編が多く、読んでてふふふと笑ったりドキッとしたり反省したりなどした。
僕の家は向かいが小学校なのだけど、平日だから午後になると、学校から帰る子供たちの声が外から聞こえてくる。どうやら友達とどれだけデカい奇声を出せるかバトルをしているらしく、「うぉーーーーーー」「ぎゃーーーーーー」と叫んではゲラゲラ笑っている。それが妙に面白くて、僕も部屋で一人で笑っていた。
前日の特撮トークが面白かったので、オススメされてた『フランケンシュタインの怪物 サンダ対ガイラ』を観る。冒頭、船を大ダコが襲うシーンから迫力満点。しかものそのタコと巨人が取っ組み合いし、タコが海に叩きつけられる! つかみがバッチリだ。野生児的なガイラに比べ、研究施設で教育を受けたサンダの方が振る舞いが人間くさいのも可笑しい(「ちょっと待って!」的な動きとか)。遠景に小さくガイラが見えている出現シーンなど、スクリーンで観たらもっといいんだろうな、という場面が何箇所もあったので、この辺りは新文芸坐とかで上映ある時を狙って観に行きたいな……。
5月28日
今日は天気がいいぞ、ということだったので、一日本屋さん巡りデーにした。荻窪と吉祥寺に行くことが多いんだけど、間の西荻窪の店がすっぽり抜け落ちてたので、今日は初めて西荻窪で降りた。
駅から離れて住宅街に入っていくあたりに、急にオシャレな佇まいのこじんまりした建物が現れて、それがBREWBOOKSだった。一冊表紙が見えるよう立てて置いてあった本がめちゃくちゃ面白そうだったんだけど、割と分厚くて、今日の主軸は本を買うことよりは、色々と歩き回ることにあったので断念した。でも何か買いたいなーという気分になり、前から気になってた『ベルリンうわの空』とその続刊を買う。
しばらくてくてく歩いていると本屋ロカンタンが見えてきた。住宅街に突如として現れる文化の入り口、のような。店の前の古本コーナーで保坂和志『生きる歓び』の文庫がいい感じのサイズだったので手に取る。店内は映画本が充実してとても好きな感じ。ふと目に入った『舞台と客席の近接学』が面白そうな上、ぱらっと開いたら著者が落語について研究している方のようだったので「これは!」と即購入を決める。
結果、昼過ぎの時点で、カバンの中には4冊の本が増えた。
そのまま歩いて吉祥寺に移動し、ブックオフと百年を覗いてから井の頭線で下北沢へ。BOOKSHOP TRAVELLERでZINE『BOOK SHOP TRIPS』をゲットしてからfuzkueへ到着する。待望のチーズケーキを注文(今まで僕が頼まなかっただけだが)。普段は黒いシャンディガフがお気に入りなのだけど、今日はジンジャーミルクにしておく。ジンジャー好きだな俺。チーズケーキは噂に違わず「美味しいな〜」となるやつで、ちょっとずつゆっくり味わいながら『ベルリンうわの空』はもう読み終えてしまった。それぞれの人物が動植物などをモチーフにしたデフォルメ加減で描かれていて、抱えている事情や考えが異なる人々が共に暮らす街・ベルリンのイメージがふんわり立ち上がってくる。
5月29日
午前中にエアコン工事がスタート、1時間弱で新しい機械に入れ替わった。これでこの夏の俺は無敵だ。
午後は神山くん・ラテさん主催の読書会で今回は『水族館の文化史』。と言っても僕は本を持ってなくて未読なので、割とリアクション要員のスタンスで参加した。「魚、上から見るか?横から見るか?」「魚を見る会」などくだらないことを口走って賑やかしつつ、本の内容は人間が自然をどのように捉えてきたかの変遷が、水族館を軸に辿られていって知的好奇心くすぐられっぱなしでよかった。
水族館と魚のことで頭がいっぱいになったので、夜は寿司を食べた。
5月30日
木曜から続いた4連休の最終日。「平日のうち2日休み」という今の勤務シフトは、言い換えれば「週休4日」なのだな、と思い至る。週休4日! なんとも甘美な響き。
なんだか尋常じゃないくらいに眠くて、結局14時くらいまでは寝て起きて寝て起きて、ほぼ身動きが取れない状態だった。
新文芸坐に行こうかと思ったが今のコンディションで2本立てを観られる気がしなかったので、予定を変更して渋谷のシネマヴェーラへ。日本の喜劇人特集で、植木等主演の『大冒険』を観た。よく考えると植木等・クレージーキャッツの作品を観るの、初めてだったかもしれない。これが日本で初めて本格的なワイヤーアクションを使った映画、と言われているらしいが、その使いどころが「植木等が走っている車をぴょーんと飛び越えるシーン」という馬鹿馬鹿しさなのがいい。基本的には楽しいスパイコメディなのだが、黒幕が実は生きていたヒトラー率いるナチスの残党、というのを終戦20年でやっているのは驚く。植木等がヒトラーのことを「俺たちの子供時代のヒーロー」と説明する場面とか、今の視点で見るとぎょっとするのだが、当時の観客はどう感じたのだろうか。
鬼平もやっとこさ読み進め、『艶婦の毒』は前回に引き続き平蔵の旅先編。またもや忠吾の女好きがきっかけとなり捕物となるわけだが、今回は平蔵の過去の失敗談も語られる。というか、若き日の平蔵、忠吾が以前やらかした失敗とほぼ同じことをしているのね……。で、そのときの相手が今回、忠吾が惚れている女性という構図。目も当てられん。ドラマ版の忠吾はうかつなところもあるけどユーモラスな雰囲気のある若手で、尾美としのりの演技もあって愛嬌があったのだが、原作版の忠吾は性欲まっしぐらが前に出過ぎていてちょっと引いてしまう。「艶婦」として登場するお豊は、女盗として暗躍する「悪女」ではあるのだが、生い立ちをみると男たちにひどい目に遭わされてきてもいて、「魔性の女」と軽率にラベリングできない複雑さがある。
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