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10月27日〜11月1日 第13巻 『殺しの波紋』

10月27日

『雑談・オブ・ザ・デッド』がメルカリに出ているのを見かけて、「おー、こういうのも出品されるのかぁ」と思う。柿内さんは「許せねえ」と怒っていて、たしかに本屋で売っているものは本屋で買ってもらえるといいなぁ、と思う。
一方、例えば文フリで売っただけの僕の歌集とかがめちゃめちゃ高値/安値で売られていたら、それはそれで面白いが。

夜は少しずつ本を読み進めて、もう眠いので寝る。

10月28日

録画してた「盛ラジオ」を観る。「ロケした内容を話すラジオ番組」という設定で収録した音源と、実際のロケ映像を比較して、どれだけ盛って話しているか検証する企画。小手伸也と一緒にロケした三四郎の盛ってそうなトークが、割とちょっと誇張しただけで、むしろ小手伸也の奇行が目立つ回。流石に三四郎のトークは細かい編集や笑いの作り方が上手いなー、と感心してから、次回の鬼越トマホーク回の音源を聴いて、「これは目も当てられないことになるのでは……」となる。

仕事が思いのほかバタバタして、疲れたので夜は回転寿司で暴食してしまった。最近ダイエットしたいな〜と思っているんだけど、全然痩せられる要素がない。

夜は東京03のプロフェッショナルを見る。コントへストイックに取り組みながらも、和気あいあいとしている、という東京03のパブリックイメージと変わらない感じかと思いきや、途中3人がカメラも外に出た状態の密室で話し合いを行い、その内容は結局最後まで明かされないという巨大な空白も残されている。「楽しいを続けていくために揉める事もある」というラストの3人のやりとりに、色々な機微が漂っている気がする。

10月29日

昼前に家を出て、Titleへ。「聞く技術 聞いてもらう技術」「家の歴史を書く」を買って、その足でfuzkue西荻窪へ。ベイクドチーズケーキと黒いシャンディガフ。読みかけだった「pray human」を最後まで読む。「わたし」が「君」に対して語りかける文体ながら、文中の軸は「わたし」が「安城さん」に語った内容という、語りが二重構造になっていて、最初は「これはどういう話なんだ?」となっていたけど、まさに「誰かに話すこと」「誰にも話せないこと」「誰かの話を聞くこと」が鍵を握っている作品なのだとわかってきてから、ぐいぐいと引き込まれていった。脳内に映像がバッと見えるシーンも多く、終盤の院内での騒動の場面とか印象的。よく考えると今日買った本も、話すことや聞くことにまつわる本なので、そういう本が読みたいモードなのかもしれない。他の本も少しずつ読んで2時間半くらい。

まだ夕方なので、吉祥寺まで歩いて、本屋を色々見てからバスに乗って家路へ。

夜テレビでやっていたONE PIECE FILM Zをちょっと見たが、あまりに眠いので切り上げて就寝。

10月30日

久々によく寝れてちょっと調子がいい。朝から神保町ブックフェスティバルに行く。コロナ対策もあって、各出版社のブースが少しスペースを開けて並んでいるとはいえ、ものすごい人が集まっている。各ブースの人の合間を縫って、各出版社の商品ラインナップを確認。ナナロク社が最近の新刊2冊が安くなっていたので購入。青弓社では前から気になっていた「写真のボーダーランド」、亜紀書房では友田さんが代わりに読む人の雑誌版で勧めていた「ホンモノの偽物」を買って、あっという間にリュックサックがパンパン。

その後、14時かららくごカフェで柳家わさび師匠の独演会「月刊少年ワサビ」。僕が上京してらくごカフェにちょいちょい来ていたころから既に、当時二つ目だったわさび師匠はこの会をやっていて、「月刊少年ワサビ」という名前は知っていたが、足を運んだのは初めて。第163回って、長いこと続けている会なんだな。この会は前回にお客さんからもらったお題3つを基にして作ってきた三題噺のネタ下ろしが軸となっている。ということは、今回までで累計162本の新作を作っていることになる。プログラムにはこれまでに出たお題の一覧がA4の紙に挟まっていて、紙全面がびっしりと色んな単語で埋め尽くされている。今回は「剪定」「最高齢」「色づく街」がお題。84歳のお爺ちゃんが「子どもの頃の気分を味わって元気を取り戻す」という趣旨の催しに参加するも…、という話。子どもの頃に戻って、という設定は他でもありそうな気がするが、主眼がお爺ちゃんとスタッフのジェネレーションギャップにあるのが一捻り効いているし、町内で自分が最高齢=「この町に自分より年上がいない」という事実を知ったときの寂しさもさらっと描かれていて独特の味わい。表現のメリハリが豊かなので、「粗忽長屋」「紋三郎稲荷」といった古典も楽しかった。

飯田橋まで歩いて、電車に乗って帰宅。帰りの電車で『聞く技術 聴いてもらう技術』を読み終える。例えばTwitterでのイベント的でない雑談スペースも、聞く・聞いてもらう技術っぽいなと思った。

帰ってから『鎌倉殿の13人』。和田が死んでしまって悲しい。その後、タイマン森本の森本サイダー回を見る。「◯◯な人」ネタで様々な人を演じながら、自分自身はトンツカタン森本に演じさせるという、サイダーの徹底ぶりに謎の凄みを感じる。

10月31日

月曜かつ月末なので、朝は週始めの朝礼のため早めに出勤せねばならず、締めがあるため帰りが遅くなる。へろへろ。昼の休憩で「ことばと」最新号を買ったのが唯一の息抜きかも。
帰りの電車で読んだオモコロブロスの、みくのしんが「走れメロス」を初めて読む記事がとてもよかった。1行1行を音読しながら味わっていく読書の楽しみ方。かまどのフォローもスマートな上、走れメロスを読んだことがなかった人も、記事を丸っと読むとほぼ走れメロス全文を読んだことになる、という作りもいい。
「エルピス」2話を観てから就寝、といってもなかなか寝れなかったけど。

11月1日

TBSラジオのポッドキャストが配信スタートして、その膨大な数に呆然とする。とりあえずハライチのターンや、山里亮太の不毛な議論などを少しずつ聴いていく。しかし、その裏ではオールナイトニッポン0の音源とかも配信されてくるわけで、マジで時間が足りない。

仕事は暇な時間と細々したやつが固まってくるタイミングがあり、睡眠不足もあってぐずぐずだった気がする。

帰宅後に鬼平を読む。与力の富田達五郎が大川の小舟の上で、薬種屋の助蔵と船頭を斬り殺すところから物語はスタート。かつて富田はちょっとした喧嘩から勢い余って相手を切り殺してしまい、それを目撃していた(実は盗賊)助蔵に脅されていたのだった。口封じのため助蔵を殺すも、その現場をさらに別の盗賊に見られていて、またもや脅される羽目に…。最初の過ちをきっかけに、殺人を重ね、挙句の果てに自ら盗賊と同様の所業に打って出てしまう与力の転落劇。どんなに気をつけても誰かに目撃されてしまう富田はちょっと可哀想でもある。殺しが連鎖するイメージと、冒頭で助蔵たちの死体が川に沈む描写を重ねて、「殺しの波紋」というタイトルは気が利いている。「穴」に登場した平野屋源助と茂兵衛が密偵役として再登場したのも嬉しい。特に茂兵衛は優秀すぎ。

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