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122.映画を一気見すること

今日は映画の二本立て上映をはしごしてきた。2本目と3本目の間に映画館を移動した時間はあったものの、それも一時間程度。体感としてはほぼぶっ続けで4作観たような気分だ。

映画を続けて観るのはかなり疲れる。特に面白い作品のほうが集中力を使っている分、上映後はヘトヘトになる。
ただその疲れ自体が割と心地よかったりするので、たまに映画一気見に踏み切ってしまう。今日なんて、一軒目の映画館について上映時間を観てから「あ、二軒めとはしごできるじゃん!」というノリで行ってしまった。

オールナイト上映もたまにいく。これは日中の一気見に加えて睡魔との勝負にもなってくるが、本数を重ねるごとになんとなく場内の空気感が映画に浸りきるモードに整っていく瞬間があって、そういう時は幸せな時間を過ごせているなと思う。
オールナイト上映は新文芸坐にいくことが多いが、その他だと今はなき吉祥寺バウスシアターで開催された爆音上映のオールナイトが印象に残っている。確か『ナチュラル・ボーン・キラーズ』『ウィンターズ・ボーン』『悪魔のいけにえ2』の三本立てだった。特に『悪魔のいけにえ2』は前作よりコメディ要素多めな上、ラストはヒロインがチェーンソーを振り回して唐突に終わるのが変すぎて「うわー、面白いけど変な映画だったな〜」と思って外に出たら、早朝の真っ青な青空が広がっていたときに、なんだか現実とは思えない狐につままれた気分がして、帰りの電車に乗らずに結構な距離をぶらぶら歩いて、土地勘の無いところで迷子寸前になってしまった思い出がある。それくらい不思議な体験をもたらしてくれる上映だったのだ。

僕は個人的に「鑑賞」は「アウェーな空間に身をさらす経験」という側面があると考えている。一作をじっくり味わうのももちろんいいけど、処理しきれないくらいの量を一気見するのも鑑賞のスタイルとして面白いなと思う。

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