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130.トーキョースケールダウンについてのメモ その2 コンセプト

不在映画の派生として不在音楽をTwitterでやっているうちに、さらなる派生企画が生まれた。それがトーキョースケールダウンである。
架空のバンド、スケールダウンによる、全曲架空の「東京」というタイトルの楽曲が収録されたアルバムの歌詞カードおよび楽曲解説を書くというコンセプトだ。これも「なんとなく思いついちゃったからやることにした」以上のことが言えないんだけど、着想の元についてはいくつか書いておこう。

まず最初に書いておかなければならないのは、収録曲のタイトルが全て「東京」というアルバムは実在するということだ。2012年に発売された『東京こんぴ』というコンピレーションアルバム。くるり、eastern youthなど13組の「東京」が収録されている。トーキョースケールダウンの収録曲が異なるアーティストの「東京」というのはこのアルバムを下敷きにしている。

「東京」というタイトルを別のワードに変えようかとも思ったが、例えば「未来」など概念系のタイトルだと漠然としすぎて書くのに手がかりがなさすぎるし(何せ同じタイトルの違う歌詞を作らなきゃいけないのだ)、異なる歌詞を通じて「東京」という場所を複層的に描くことができるかなという目論見もあった。
また、個人的に「場所にまつわる記憶」という切り口にも興味があった。これについてはまたいつか別のnoteで書こうと思う。

コンピレーションではなくカバーアルバムにしたのは、存在しない曲であるにもかかわらず、オリジナルとカバーという、二つのバージョンがある、という状態が面白いなと思ったのが一点。これに関してはカバーというあり方、自分のオリジナルのものではない作品をやることという興味も根底にある(落語と共通)。
また、カバーして歌う人物の視点で、オリジナルのアーティストについてのエピソードを添えられるという利点もあり、すでに不在音楽の中で名前が出てきていた、金子という人物にスケールダウンのボーカルを担わせることにした。まぁそんなやついないんだけど。

そしていよいよ、作詞に入るわけだが各回解説はまた次回。

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