見出し画像

#恋人を喪った安田短歌「ドリーマーズ・ギルト」

街らしいフォルムを少し取り戻す首都の電車を乗り間違える

教科書にあの日のことが載るらしい君が密かに熔ける行間

「この辺りかなり復興しましたね。過去が跡形もないですよね。」

ただいまと言う(誰かにでなくひとり暮らしでも皆言っているはず)

空白を埋める癖だけ身に付いてソファーに横たわる 目を閉じる

夜はもう何度も来たよ眩しくて悲しいものは二度と来ないよ

夢を見た気がする 君が微笑んだ気がする すべて忘れてしまう

朝でまだ生きていてひとりぼっちで順に確認して起き上がる

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?