5月15日~21日 第20巻 『顔』
5月15日
短歌のストックが無くなってきたのでTwitterでお題募集。柿内さんからもらった「ジェイソン・ステイサム」で一首作った。
仕事でヘロヘロして帰宅後に鬼平日記を書いたら日付が変わってしまった。
5月16日
TLでの死ぬの怖いよね話でなかなか寝付けなくなり、夜更かし気味で寝不足。
今日も仕事が立て込んでいて、大きい案件に取り掛かりたいのに次々細かい作業が飛び込んできて、なかなか取り掛かれない。とりあえず終わりが見えるところまではたどり着いたけど。
作業中に「文化系トークラジオLife」で週末の文学フリマ特集をポッドキャストで配信していて、引き続き山本さん・柿内さん・住本さんと海猫沢めろん先生の座組。気になっているものの情報をチェックしてから帰宅。
毎週録画しながら溜まる一方だった『日曜の夜ぐらいは…』の第1話を観て、とてもいい感じ。エレ片のコント太郎で話だけは聴いていたエレキコミックのバスツアーを、まさかドラマの形で見ることになるとは。しんどいのがデフォルトの日常の中で、突然信じられないくらい楽しい時間がもたらされる多幸感と、それが終わってしまう寂しさ。冒頭、清野菜名演じる主人公のひとりが迎える朝の静けさと、バスツアーで3人がわいわい喋る賑やかさの対比の作り方など、演出も脚本も演技もいい感じなので、続きも観ていきたい。
U-NEXTでヨーロッパ企画の舞台『ギョエー!旧校舎の77不思議』を観る。舞台上という空間的制約の中での企画性のあるコンセプトは他の作品と同じで、今回は77もの不思議が起こるわけだけど、ものすごく細々としていて笑ってしまう。不思議が現れるたびにいちいちテロップが出るのも馬鹿馬鹿しくていい。高校生の妊娠やいじめの扱いはざっくりすぎる気がするが、シリアスに行き過ぎるとコメディのトーンに落とし込めないだろうからここは難しいバランスだったのかな、と思う。終盤は結構不穏でイヤな着地であり、どんどん人面瘡に体を乗っ取られていく生徒が不憫なのがブラックでもある。
5月17日
仕事は暇め。BGMはアトロクのポッドキャストで、森田芳光関連の音源を聴き直していた。今思うと、『未来の想い出』って『ブラッシュアップライフ』みたいな話だ。
帰宅後、U-NEXTで何か森田芳光作品を観ようと思って、『悲しい色やねん』。ヤクザの息子が組を解散し、ゲーム会社でカジノ経営に乗り出すも、組同士の遺恨やしがらみ、更に藤谷美和子演じる堂上マコというキャラクターが仲村トオル演じる主人公に向ける執着などによって、どんどん絶望的な末路へと転がっていく。ディテールがとにかく変で、救急車を追いかける癖があるヒロイン、男性役の江波杏子(しかも作中で”女装”もする)、唐突な瓦割りなど、「なんでそんなことを?」というシーンが多くて珍妙なバランス。イッセー尾形演じる組員が、カタギの世界にうまくマッチできないのを、粗暴な物言いをしてしまうとかではなく、「センスが悪い」ことで描写していて、このシーンがちょっと切ない。
5月18日
文学フリマで買いたい物の価格をチェック。とりあえずマストで欲しい物は予算内に収まりそうでひと安心。
仕事帰りに『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー3』を観た。マーベル作品はここ数年全く追ってなかったので、細かい設定で分かってない部分もあたったけど、概ね問題なく楽しめた。ロケットの過去シーン、「自分で自分に名前を付ける」展開に弱いので、もうその場面でちょっと泣いてしまう。若干、「そっちの命を重んじつつ、あっちの命の扱いが軽いのはいいの?」と思ったりもするが、まぁガーディアンズ的には仲間を傷つけるやつは許さない、が第一義なのでいいのかしら(この辺り、ちょっとヒーロー物よりヤンキー漫画ぽさがあるなとも思う)。ウィル・ポールターが出てくると知らなかったので、登場シーンでテンションが上がった。体はたくましいが顔は童顔というあの佇まいが、ウォーロックのキャラにもよく合っているナイスキャスティング。
5月19日
結構面倒な作業が立て込んで仕事はへろへろでやった。
仕事帰りに、葵光ラジオのスペース、文学フリマ特集だったのでハッシュタグを付けて『傑作』を宣伝。やっぱり表紙への食いつきがいい。素晴らしきもりたデザイン。明日は用事があるから早く寝よう、と思っていたのに、動画とかテレビとかダラダラ見ていたらもう日付が変わっていた。
5月20日
家の向かいの小学校から、リコーダーで『少年時代』の「夢はつまり思い出のあとさき」のところを繰り返し練習する音が聞こえてくる。夏だ。
今日は伯母といとこが東京観光に来るので、朝から合流してホテルのチェックインまで付き添う予定で、東京駅で集合。いとこに最後にあったのはコロナ前の帰省時で、伯母に会ったのはそれよりもっと前だから随分久々だ。
東京駅でお土産をあれこれ買って、予約しているホテルのある浅草へ。ちょうど三社祭の真っ最中なので、通常の浅草よりも更に人が多くて大変。仲見世を通っていると、途中「ここを神輿が通るので道を空けてください」と言われ、しばらくそこで待機したがいくら待っても神輿が来なくてタイムロス。境内まで行くと人ごみでぎゅうぎゅうな中を神輿が進んでいて、かなりカオスで騒がしいことになっている。境内の少し外れたところにある朱印所で伯母は御朱印を貰っていた。浅草寺の朱印帳は白字に赤い雷門のイラストが映えてかっこいい。
お参りを済ませたら浅草寺を脱出。隣の道からぐるっと回って、いとこが予約してくれていた今半本店で昼食はすき焼き。名前は聞いたことあるけど、来る機会はこれまでなかった今半。霜降り肉が柔らかくて美味い。肉が煮えると伯母がどんどん僕といとこの器に肉を入れていく。伯母は結婚が遅かったから、初めてできた甥っ子の僕のことが、小さい頃からかわいくて仕方なかったんだ、という話を、31歳になって初めて知った。
ふたりが泊まるホテルまで着いて行って、そこで解散。少し上野をうろついてから帰宅。移動中と帰宅後の時間で王谷晶『ババヤガの夜』を読み切った。
すっかり忘れていたが今日は「THE SECOND」の放送があったんだ、と気づいて、観る。ギャロップは関西に住んでいた頃、つまり僕が10代の頃にお笑い番組で若手として漫才しているのを観ていたので、時を経てこういう大会で優勝するというのは、なんだか感慨深い。マシンガンズは終始チャーミングで、とにかく楽しそうに漫才していたのが良かったし、なんだか勝ち上がることに華が増していた気もする。超新塾が囲碁将棋に「正」の字を送るシーンもグッときた。
5月21日
早めに目が覚めたので、出かける前に鬼平を読む。高輪の太子堂へ参詣に来た平蔵は、かつての剣友だった井上惣助を見かける。しかし、井上は二十数年も前に三人の侍を切った罪で、切腹して死んだはずだった。もしかして、何らかの事情で実は生きていたのか……? 平蔵は煮売り屋・富五郎に尾行を頼み、井上の家を突き止めるが……という話。いつもの鬼平パターンなら「実は井上にはこういう事情があって」と展開しそうだが、実は平蔵が見かけた男は井上とは別人だった(後に井上と血がつながっていることが示されるが)。もしかすると、幕府が絡んだ裏事情があるのでは……というミスリードから急に梯子を外されて、ストンと話が畳まれる。こういう仕掛けはシリーズ序盤であると拍子抜けするが、あの手この手でストーリーを作って20巻目までやってきたところで肩透かしを食らわせると、意外性のほうが立ってくる。最近、平蔵の勘が鈍っている気もするので、そんなに飲み込みづらい展開でもない。
今日は文学フリマ。流通センターに着いたのが12時少し前で、行列は既に建物の前までずらーっと延びている。入場まで時間がかかるかなぁと思ったが、今回から検温が無くなったので、入場が始まると思ったよりはスムーズに会場に入れた。ただ、人が一気にどっと入ったものだから、込み合い具合はすごい。体感的には昨日の三社祭と変わらない位の人口密度。とりあえず売り切れが心配だったので、あやのさんにおつかいを頼まれた斜線堂有紀の新刊2冊を購入。それから急いで短歌エリアに向かい、まほぴさんと丸山るいさんのブースでふたりによる合同歌集『奇遇』を買った。フリーペーパー『バッテラ』も購入。とにかく混んでたので、まほぴさんとの挨拶もそこそこに移動して、柿内さんのブースへ移動。いったん『傑作』の在庫をすべて託す。柿内さんは『会社員の哲学』にかけてスーツを着て参加。この熱気の中で大丈夫だろうか。
とりあえず自分の買い物へとぐるぐる歩き回る。歩く速度が速いたちなので、この混雑は人が多いことより速度を出せないことが大きなストレス。
「三酒三様」のブースで武塙さんにご挨拶。武塙さんは猫の描かれたシャツ、魚の描かれたカバンを身につけ、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー3』のロケットについて熱く話していて、全ての動物の味方だった。早乙女ぐりこさんにもご挨拶して新刊を購入。その他、初めて直接会えたフォロワーさんは、針山さんと南森町さん。針山さんは夫さんが落語が好きだったこともあって、「Ryotaさんも落語のことをよくツイートしてるなぁ」と思っていたそう。「実は大学時代、オチケンだったんですよ~」と話す。「大学で落研に入って、ゾンビでレポート書いていた人」として針山さんの中の僕情報が更新された。南森町さんはブースへ2回訪れるも食事中・買い物中でなかなかお会いできず、帰り際に立ち寄った三回目でようやくご挨拶できた。「声でRyotaさんだと分かりました」と言われて、やはり自分は声の印象が強いんだなぁ、と思う。『ZINEおかけん』も面白そう。
わかしょ文庫さんや友田とんさんのブースで少しお話したり、あれこれ買い物を済ませて、柿内さんのブースに再度立ち寄ったら、なんと『雑談・オブ・ザ・デッド』が完売していた! 「誰が買ってくれるんですかねぇ~」など言いながら作っていた頃を思い出して、なんとも喜ばしい。その後、機械書房で岸波さんのオススメ詩集を買いつつ「柿内さんのところ『雑談・オブ・ザ・デッド』売り切れたんですよね?」「そうなんですよ~」って話していたら、隣のlighthouseのブースで関口さんが「えっ!」と大きい声で驚いてたのがあまりに面白かったので、すぐに柿内さん夫妻に報告に行った。後で柿内さんの日記を読んだら、「僕も関口さんのところに行って売れましたよ!と報告に行く。関口さんは、もう聞いたよ、と応えた。そりゃそうだろう。」と書いてあった。
およそ2時間半ほどうろついて、欲しい物を大体買ってあまりに疲れたので退散。ドトールで軽い昼食をとりつつ休憩してから、ゆるゆると家路へ着く。サクッと風呂に入って、ちょっと飲みに行きたくなって、最寄り駅近くにできていた日高屋系列の焼き鳥業態の店に行く。喋るタッチペン式の注文に戸惑ったが、焼き鳥も安くて美味しく、結構満足度が高かった。焼き鳥食べたい気分の時は、今度からここでいいな。
家に帰ってきて、購入物を数える。計18冊。今回も沢山買った。武塙さんからリプライが来ている中に「前の日記祭の時もそうでしたがRyotaさんが視界に入るとき、なぜかRyotaさんの周りがパァーッとしていてRyotaさんだ!とわかるので面白いです」と書いてあって、自分でも知らなかったがそんなに素敵なオーラをまとっていたのか……となる。確かに武塙さんの日記に出てきた僕は、自分で思っているより颯爽としていたもんな。
『だが、情熱はある』。南海キャンディーズのM-1決勝漫才の再現度がすごい。
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