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立候補、無投票当選について

先日、女性ゼロ議会をなくす活動をしている三井マリ子さんより、文章を書いてみないかと声をかけて頂きました。
拙く長かった文章をコンパクトに纏めてもらいブログでご紹介頂きましたので、こちらにも投稿致します。

良ければご一読下さい。

私は、この春行われた杵築(きつき)市議会議員選挙に立候補して、あれよあれよという間に議員になりました。杵築市議会18名中唯一の女性です。

昨年の正月以来、夫は「杵築市を変えなくてはいけない。それには女性で子育て中の若いあなたが出るべきだ」と私を励まし続けました。初めは「どうして、ただの主婦の私が?」という気持でした。

私は大学で学びたいものがなかったので高卒です。学童保育の指導員として働きながら、保育士の資格は取ったものの、妊娠して、そのまま家庭に入りました。子育てのかたわら、ボランティアで、人工林の間伐、漢方・薬草の勉強会の主催などをしてきました。でも、私が率先して代表になったのではなく、順番で引き受けたのです。頼りない感じですが、文句を言うだけでなく、何か動いて少しでも変わるならば動いた方が良いと動いてきたことは確かです。

実は、妊娠中に3.11がおきました。「私が大分県知事ならこんな支援を」と、家族で“妄想”ごっこをしたのをきっかけに、震災5日後、放射能が心配な方のために、受け入れ側と疎開希望者をつなぐ「疎開ネットおおいた」を夫と立ち上げて、相談に乗ってきました。

その後、家庭内でいろいろと話し合うことがあって、私の中に「この市でも何か変えなくては」という意識が芽生えてきました。とはいえ、“新しい風を”に賛同する気持はあったものの、その矛先が私に向けられると、戸惑い、思い悩み、体調を壊してしまいました。それで、昨年11月「立候補はしない」と決めました。すると体調も回復してきました。

ところが今度は、別の人から「どうか出てほしい」と懇願されました。杵築市には女性議員がひとりもいなかったのですが、「(出ようと思っても)家族に反対される」「地域から出るのが慣例で、女性は出られない」などの理由で、女性たちは立候補に踏み切れないようでした。1年以上もグズグズ思い悩んだ後、私は立候補する決意をしました。女性たちから「よくぞ決意してくれた」「がんじがらめでみんな動けないの。出てくれてありがとう」という声を多く頂きました。

結局、無投票当選だったため、「選挙になっていたら、どれだけの票を獲得しただろうか」という声もありました。よそ者(移住者)であり、支持政党もなく、「地区推薦はできない」と言われたように地区の代表でもなかった私です。市議会議員候補としては、異例中の異例だったと思います。

仕事をバリバリするタイプではない私が、「こんな普通の人が議員でやっていけるんだ」という見本になれたらと思っています。最後に、私の好きな言葉――インド系アメリカ人ニップン・メータ(Nipun Mehta)が言ったとされますーーを添えます。

「これからの時代はリーダーシップで引っ張っていくのではなく、ラダー(梯子)シップで助け合って生きていこう」


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