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住友赤平炭鉱 採炭機械

閉山が平成6年と他の炭鉱に比べて格段に最近であった住友赤平炭鉱、この炭鉱で実際に稼働していた採炭機械が大切に保存されている。年に幾度か開催される立坑公開日において、第一立坑の建屋から離れたところの建屋内を見学させてもらうことができた。

まず目をひくのが、地下500mの水平坑を往来したバッテリーカーであった。外板の塗装は剥げ、一部に錆などの痛みが見えるが全体的に状態がよく、今に使用しても稼働しそうな雰囲気で保存されている。

人車をけん引したバッテリーカー

坑内員を運搬した人車も保存されている。小ぶり車体を何両も連ね往来したであろう。鋲で組まれた車体や曲線を描いた小窓や天井に、機械ながら温かみを感じさせる構造だ。

坑内員を乗せた人車 

掘進するとき、削岩した瓦礫を掬い上げる機械もある。小型ながらも正面のバケットが印象的だ。

これらの機械は立坑のケージにレールに乗ったまま、地下の採炭現場まで運搬されていたようだ。立坑は坑内員ではなく、採炭に欠かせない機械も運搬した。4層構造のケージは、一度に多くの人と資材を運搬できる優れた機械だ。

機械を運搬した立坑のケージ

採炭の技術を今に伝える機械が保存されていることに感激する。もと坑内員により大事に管理されている。

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