見出し画像

読んだ観た聴いたもの感想ざっくり書く 2021年10月11日~10月24日

▼映画
・『ONODA 一万夜を越えて』
珍しく完全に予告編をきっかけに鑑賞。横井庄一さんと自分の中でごっちゃになってたというか、自分が知っていたのは横井さんのほうだったなと観終わった後で気付いた。程度の知識の無さ。
終戦後もそれを信じずにフィリピンの島に留まり続けた小野田氏と島での生活を共にした3人の仲間たちの過ごした「戦後」、最後に残った小野田氏・彼を連れ帰ろうとするバックパッカーの青年のコミュニケーション、そのために必要とされた上官だった男の行動。
役者陣全員の生々しい演技が素晴らしく、3時間の上映時間が長いと感じなかった。惜しかったのは特に序盤、セリフが聞き取れないシーンがけっこうあったこと。外国人監督が「外国語映画として」撮ったからなのかな。

・『由宇子の天秤』
評判でザワザワしているのを感知し、観に行きたいと思いつつ渋谷に行くのはヤだなあと思っていた矢先、TOHOシャンテでの公開が始まったのでそちらで。あまりうだつの上がらないドキュメンタリー監督の由宇子が、高校生向けの小さな塾を営む父親が教え子に対して過ちを犯したことをきっかけに、曲げられないはずだった自身の考えを揺さぶられる。
よく練られた脚本、登場人物への深い感情移入を誘う演技も見事で、大変スリリングで面白かった。男女の性の不平等(リスクを負うのはいつも女性だ)、貧困の連鎖(萌の父親の、感情をコントロールできずすぐカッとなったり、子供を持ちながら光熱費や保険の手続きができなかったり、という描写には、描かれていない事情が透けて見えるようだった)、メディアの持つ問題(媒体に合わせて「作りたい」「見せたい」ように事実を作り変えることがごく当たり前に行われる恐ろしさ)などなど、訴えたいことがたくさんあることがよく伝わったし、それらをうまく盛り込んでまとめられていた。

・『DUNE 砂の惑星』
わたしはだめだった。ドゥルヌーヴ監督、『メッセージ』はとても好きだったのだが『ブレードランナー2049』はちょっとだめで、今回はどっちだろうかと思ったけどだめなほうでした…。ティモシー・シャラメは美しかった。

・『THE MOLE』
デンマークの普通のもと料理人が、ちょっとした興味から北朝鮮支援団体に出入りするようになり、そこから危険極まりない諜報活動に身を投じていく過程のドキュメンタリー。映画やマンガや小説のよう、と思ってしまうのは、それらの作品の想像力が優れているというよりは、現実にもひどくチープで邪悪な企てがいくらでも存在しているということだなあ…。
一番気になったのは、百戦錬磨で前科持ちのリチャード氏のほうはさておき、ウルリクさんがなぜこんな活動にハマっていったのかということ。体調を崩して仕事ができていない状況を抜け出したかったとか、あるいはもうどうにでもなれ、みたいな気持ちもあったのだろうか。安全に生活していってくださることを願う。

▼展示
・「印象派・光の系譜」@三菱一号美術館
昨年、国立西洋美術館でのロイヤルギャラリー展にフラリと行ったとき、(たしかその出展作品ではなかったのだけど)モネの「睡蓮」を見て、おもしろいな、と思って以来、人生で初めて西洋美術とりわけ印象派に興味を持つようになった。
でも今回の展示作品でグッと来たのはレッサー・ユリィ。しっかりマジョリティの感性らしく、目を奪われた「夜のポツダム広場」ポストカードは欠品していた。
ゴッホ展も行きたいと思ってるけど、混んでるんだろうなー。 

▼ドラマ
・『愛の不時着』1-2話
ネトフリ個人的強化月間。前に一度流し見してみたのだがさすがに話が入らず、改めてちゃんと見てみた。面白かったけど、1エピソード80分てだいぶヘビーだ…。日本の1エピソード正味50分弱が世界基準では短すぎるのかな?

ーーーーーーーーーーーーーーー

映像作品をたくさん観た期間。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?