デイ・キャッチ・アイデンティティー(5)

ずっと悩んでいた。仕事の内容は好きだけど、働く環境はあまりよくない。そのことを、その仕事に就くのを躊躇する理由にしてしまうことについて、情熱の程度が低いのかと思うこともある。自分の中ではそういうつもりはなくて、でも仕事のために生活を犠牲にするのは、年齢なのか時代なのか、もうなんだか違う気がし始めていた最近。こんな記事をみつけた。

幡野さんのことは前から知っていたけど、同い年というのはこの記事で初めて知った。仕事だけを生きがいにするほどストイックではなかったし、すべてに共感しているわけではないけど、わかるなあ、と思うこともあった。

まず、記事の中に出てくる貯蓄の話。よく、インプットとアウトプットの話として出てくるやつに近いと思う。

この貯蓄ってのは現金の話だけじゃなくて、アイデンティティーや人間関係や人間性のようなものです。

私の仕事(=アウトプット)はそもそもインプットしてなんぼだと思うんだけど、目の前の仕事はルーティン化した自転車操業の様相で、さらに並行して夫婦(ひとり暮らしとはやっぱり違う)生活をふつうに進めていくだけで精一杯。んもう出て行く一方で、中身はどんどんすかすかになる。インプットギブミー、だけどとにかく時間がないんだよねわかる・・・。この「インプット」は幡野さんのいう貯蓄に繋がり、自分のガソリンとなるものだと思う。そして彼は病気になった時に切り崩すのがこの貯蓄だって言ってる。私は仕事そのものも貯蓄にはなると思ってるけど、病気になったらその貯蓄は過去のものとして存在することになるだろうし、どうしてもその時とは距離のあるものになってしまうのかな、と。まあ病気になってみないとわからないところもあるけど。

それから、生きがいについて。そうか、ひとつのことのためにほかの何かを犠牲にしなくていいんじゃないか、と思ったのが、下記の一節。もっと言うなら、仕事は最優先事項でなくていい。

一つの柱が崩れても大丈夫なように、生きがいは複数あったほうがいい。

私は長い間、「人生の中で仕事をしている時間が最も長いんだから、その時間の充実が最優先事項だ」と思ってきた。でも、仕事をしている時間が最も長い時代は、終わりにきているっぽい。仕事をやめる時に、冗談めかして「残りは余生」なんて言っていたけど、自分の人生の残量に対する仕事の比重はもう減る一方だし、働き方も多様化して、長時間労働とか、日に8時間を週5、みたいな働き方が必須でなくなってきたし。だから、仕事以外を優先していいんだ、と、やっとわかった。

そしてここでもうひとつ引用するね、サクちゃんこと桜林さんのnoteより。

私ももっと、私をよろこばせて、欲に素直に、私の人生を生きていきたい。


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